8話、征夷大将軍、平家キラーの弟殺し頼朝(=社不)
「時政、頼朝の館まで案内してくれ」
「はっ」
「その方、頼朝はなんの面白みもないと申したが本当に奴には野望はないのか?」
「命を助けてくださった大納言様に感謝はすれど叛心など抱くはずがないでしょう。」
「もしもの時は拙者がやつを叩ききってしんぜましょう!」
元服前の伊藤忠清の子、吉左衛門が叫んだ。
「はっはっはー、頼朝は、源家の総大将義朝の子にて、悪源太の弟。元服前のそなたでは返り討ちにあうぞ」
吉左衛門がふてくされる。やはりガキなのだ。同い年でも俺は精神年齢21だけどな!^-^
北条屋敷から3キロほど行ったところに頼朝の屋敷があった。割と広く、立派な作りだ。流刑にあったくせに意外といい暮らししてやがる。
「政子、平松王丸様主従をお連れしたぞ。頼朝殿はおられるか。」
ハゲ女が来ると思ったら中から、色白で美しい娘が出てきた。ちゃんと髪はある。
「都からよくぞいらっしゃいました。北条遠江守の娘にて、源頼朝の妻、北条政子にございます。」
「頼朝様なら今釣りをしておいでですが、お呼びしましょう。」
「うむ。頼む。」
5分もしないうちに政子は、男を伴って歩いてきた。
「源三郎頼朝にございまする。この度は御足労いただきありがとうございます。すぐに出迎えられずお詫び申し上げます。」
「魚を釣ってきましたのでぜひお食べ下さい。」
「うむ。頂こう。」
「まずお主に聞きたいことがある。」
「拙者に答えられることであれば何でも答えましょうぞ。
」
「頼朝、お主我ら一門を恨んでおるか?」