79話、肉とジジコンビ
実は、以盛は、肉食を遠江にきた頃からしていました。そういうことにしといてください。
実信は、姉につききっきりで介抱している。
玉の乳母や村の婆達が、総出で玉をサポートしていたが、何やら実信は彼女たちよりも、手馴れているようだ。
「遠江守様!ぼうっと突っ立てってないで、狩りに出てください!」
「わ、わかった、、、、」
史上の日本では肉食は、忌避されていることとされているが、平安時代ではそれは貴族だけ。むしろ平安武士達は、日々の鍛錬で狩りをしていたため日頃から獣肉を食べていたのだ。俺も都ぐらしの時はなかなか食べれなかったが、ここ4年間、肉を食らいまくっている。
「では、もの同士!我妻と腹の中の子のために仮に出るぞぉ!」
山へ山へと向かっていくと、
大きな鹿がいた。
「遠江守様!この盛嗣が、奥方様と、お腹の中の若様のため、あの鹿を射抜いて見せまする!」
さすが、我が側近、盛俊の嫡子だ。ドッ!と鹿の脳天を射抜き歓声が湧く。
「甥には、負けておれんな!」
そう言って、盛俊の弟であり、維盛兄上の軍の中から居座った、平左衛門尉盛綱が矢をつがえる。
「遠州様!あの猪を撃ってしんぜまする!」
そう言って、猪をやはり一撃で仕留めた。
この一族はどうなってんだ?確か父上の話では盛俊の親父の盛国も、勇将で、政治手腕にも優れていたと聞いたが、、、、
「若造共に負けておれぬ!」
爺も張り切ってるね。え、すご。この爺さん、飛んでいる雉をいおとしちゃった。
「尾張介殿はまるで黄忠ですな。」
そう言って、千葉常胤は、ひとり黙々釣りをしている。すぐ近くに置かれている篭を見てみると、川魚が無数に入れられている。
「はっはっはっ!千葉介殿の釣りも素晴らしい。厳顔といったところでござろうか。」
うん。なんかこの2人は黄忠厳顔みたいにジジコンビ組みそう。なんか敵に回したくないな。うん。
さらにさらにみんな精を出していった
こうして、すごい成果を残して(猪1匹、鹿2匹、雉7匹、川魚28尾)、松殿へと引き上げていった。
「実信殿〜燻製の用意は出来ておるぞ〜」
叔父上が、焚き火をしている。賀茂社から分霊した遠江賀茂社の御神木から落ちてきた手頃な木を使っていると延々と語っていた。神職になれてなんだか活き活きとしている。主祭神は、下鴨神社の玉衣姫命、その父賀茂建角身命、そして上賀茂神社の賀茂別雷大神の三尊が祀られている。
さすがに今回取れた量は多すぎるので、ほとんど燻製にするのだ。
燻製にした肉は、保存が聞くので、台所で保存している。
「実信殿!海藻取ってきたぞ〜!」
「野菜持ってきただ!」
海賊と農民達から藻類と野菜が手渡される。
あ、海賊というのは真鍋資光が遠江の海に居座ったのだ。もちろん略奪行為は禁止していて、商船の護衛と漁をしてもらっている。
今夜のお膳には、雉肉の山賊焼き、猪肉のステーキ、さらに川魚の吸い物だ。やっぱり肉は美味い。特に山賊焼きは、甘辛タレが、雉の臭みを消していて美味い。
郎党達との大宴会となって行った。
あ、もちろん、玉も美味しそうに食べてくれた!そこは誤解しては行けない。妻子が1番なのだ。
実信がうるさい!と皆に一括していたが。
日が空いてしまいました。すいません。
昨日は寝てました。




