77話、横地城の戦い
今日は八時に起きました。
――――――――横地城――――――――
「門が破られました!!」
「く、無念。遠江守様に面目がたたぬ!こうなれば、一兵でも多く、道ずれにせよ!」
「待たれよ!まだ、諦めるには時期尚早。」
「長谷川殿。しかし、もう門は破かれました。一族郎党みな、先祖から続くこの城を枕に死に花を咲かせる所存!」
「不届き千万!横地殿が亡くなれば、遠江の大きな損失でござる!それがしに手がある故、おまかせくだされ!」
「十郎様!城門が防がっております!」
「なんだと!?城門は壊したでは無いか!」
頼朝の叔父である、横地城攻城隊大将源行家は、目を見開いている。
「それが、敵は城門を木棘がついた車で塞いでおり、そこに敵兵が乗り込み、矢を射ってきたり、薙刀で着いてきたりするのです!」
「塞門刀車か。」
源氏方の名将、千葉常胤はそう呟いた。
「な、ならば、梯子をかけてよじ登ればよかろう!」
「もうやっております!しかし、敵は、丸太に、釘を打ち付けてある不思議な兵器で我らを痛ぶって来るのです!」
「それは、夜叉檑か。しかし、塞門刀車に、夜叉檑。この城に墨子でも潜んでおるのかのぉ。」
「千葉殿!感心している場合ではなかろう!何か策を出してくれ!」
「武田殿と、頼朝様の兵合わせて4万と5000。我らを入れなくとも3万はゆうに超えます。兵糧攻めにしてはいかがでしょう?」
「うむ、さすが名将千葉常胤じゃ!今すぐ包囲を固めろ!鼠一匹、蟻1匹通すな!」
「伝令!東より、軍が参ります!」
「ん?友軍か?」
「いえ!遠江軍でございます!」
「何!?圧倒的な兵力差出会っただろう!?頼朝様は何をなさっておったのだ!?」
さっきまで落ち着いていた千葉常胤も、さすがに狼狽している。
「敵、先陣1000騎、こちらに参ってきまする!」
「敵将は!?」
「旗指物を見るに、平上総太守様の郎党、長谷川上総介様でございます!」
「なんと!?あの長上総介か!?参ったのぉ。」
「長谷川上総介見参!源十郎行家!いざ尋常に勝負!勝負!」
「長上総介!儂が相手しよう!」
「お主は?」
「坂東一の勇者千葉千葉介常胤なり!」
「千葉常胤…その武勇、都にまで聞こえておったぞ!」
「それは光栄な事じゃ!いざ参る!」
ガギーーン
ギーン
ギーン
何合うちあっても勝敗がつかない。
その間に源行家は、東国をめざし落ち延びて行った。
「義父上、そのものは?」
「千葉千葉介常胤でござる。」
「千葉よ。武器を捨てい。」
「お主は?」
「私はそなたの棟梁、平前太政大臣清盛の八子、平遠江守以盛じゃ。勘のいいそなたならわかっておると思うが、頼朝は敗れた。武器を捨て、大人しく投降せい。」
千葉常胤は大人しく遠江守に従った。




