61話、隔世遺伝。
今回のお話は僕が平家物語で1番好きなシーンのパロディ?です。
俺が遠江守になってから3年がすぎ、治承4年になった。
都で、建春門院様がお亡くなりになり、俺も葬儀に呼ばれた。
義理とはいえ、おばさんの死だ。
必ず出席しないといけないだろう。雲の上の存在だったが、俺に声をかけて下さり、俺の歌も褒めてくださった。
都に着くと、従兄である、主上に呼ばれた。
俺は四位ではないが、主上からのお呼びということで、清涼殿に上がるのを許された。
「遠江守様、ある者から公卿共が、遠江守様を『闇討ち』をという情報が入りました。」
実信が耳元でそっと、囁いた。
「分かった。その情報は確かなのか?」
「はい。私の信頼出来るものからの情報ですので。」
「俺に考えがある。」
「考えとは?」
「まぁ見とけ。」
夜だったため、清涼殿までに行くまでの間、暗い廊下に日がともされている。
目の前に数人の反平家派の公卿達がいる。火に照らされて、虫けらのような顔がニタニタしているのが見える。
「そなたが、遠江守じゃな。」
「四位でも無いものが、殿上に上がるとはなんということか。」
「所詮は土民じゃ。あぁ、穢らわしいや」
「私は、主上より呼ばれて参ったのでござる。その私が殿上に上がることを拒否するとはそなたらは主上をも、否定するということでござろう。」
公卿どもの顔が真っ赤になって破裂しそうだ。
そして俺は愛刀、『五阿弥切』を抜き、顔の横に構えて、奴らを睨みつけた。
「私は、前太政大臣平清盛の子で、平形部卿忠盛の孫であるぞ。」
すると奴らは、震えながら
「殿上で、そのようなものを抜くとは無礼でおじゃる!」
「まろ達を叩き切ろうと言うか!」
「これだから、犬めは」
「衛兵、出会え!伴遠江守が乱心じゃ!!!」
ひとしきり楽しんだ後、俺は刀を思いっきりおった。
「そこの衛兵。」
「はは。」
「この刃を握ってみよ。」
「畏まりました。」
衛兵が折れた刃を握ると、
「血の1滴も出ませぬ。むむ!この刀、銀箔を貼り合わせたただの木刀でござる!」
「とゆうことでござるが?」
「むむ…」
そういって、奴らは引き上げていった。
さっきの衛兵がニヤニヤしている。
「上手く行きましたな!!遠江守様!!!奴らの悔しそうな顔また見てやりたいです!」
「あぁ、盛俊!!!お前も良い演技じゃったぞ?しかし、お主も悪よのう」
「遠江守様には敵いませぬよ」
「「はっははははー」」
そして、殿上へと上がった。
そう、『僕が好きなシーンその名も殿上闇討』です!
平忠盛かっこよすぎませんか?え?え?




