5話、ながあきら
ついに奴が登場!
トントン
「父上、長明帰って参りました。」
「おお、長明帰ってきたか。菊と鷹丸がきておる。早う入ってまいれ。」
スースー
戸が空いたら、全体的にお堅いイメージの男が座っていた。
この男が、加茂長明、俺の前世では鴨長明として知られる男だ。
史実では、彼は祖父が死に、後ろ盾を失って賀茂神社の宮司になれず、出家して
あの有名な『方丈記』を著したのだ。ちなみにこれは、大学の講義で習ったことだ。
こんなお堅い奴の授業とか絶対だるいやん!
「姉上、松王丸お久しぶりです。鷹丸は物の怪にとりつかれていたが、大丈夫であったか?」
「叔父上の祈祷のおかげですっかり回復いたしました!」
「であったか!よかったよかった」
「長明、私からもありがとうございました。」
「わたしは鷹丸の叔父です。わたしも甥のために力を使えて嬉しいです。」
「して松王丸、もう病も治ったことであるし、今日からまた勉学に励んでもらうぞ」
「はい…」
「なんだ?その返事は。」
なんなんだこいつ
「はい!!!!!!」
「はっははははーお主ら本当に仲がよいのー」
「ふふふふふふふ」
じじいと母上の笑い声が響き渡った。
僕の中では長明は20代前半くらいで菊花殿は25くらいです。長明と長継の年が合わなくなるので菊花殿には長明の姉になってもらいます。
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