50話、ついに50話に行きましたー
あ、つ、つ、つ、つ、つ、つ?う、つ、た、た。つ、う、つ、つ、つ?つ、つ、つ、つ、つ、つ、つ、た。うあ。つ、う、つつ、つ、つ。ついに50話達成しました。
50話と気づかずに書いていて、タイトルつけてる時に気づきました。
今後まで引き続き書いていきますのでよろしくです!
もう年も越し、今日から正月、承安4年となった。
この時代の貴族は親交のある家々に挨拶回りをする。
俺は、上司の以仁王、部下で叔父の鴨長明叔父上、あとは親戚や、兵衛府の同僚などと、挨拶に回っていった。
以仁王に挨拶に行くと、ある男に出会った。
「右殿!」
「あ、左殿!」
声の主は長谷部右兵衛尉信連さんだ。
右殿、左殿というのは、長谷部さんが右兵衛府の判官、俺が左兵衛府の判官なので、そう呼びあっている。
先の某盗賊戦で援軍に駆けつけてくれた、以仁王が信頼している侍従の1人だ。
俺の護衛として後ろに控えている髭面の大男は少し気まづそうな顔をしている。
「今日の生活には慣れましたかな?熊坂殿。」
「へ、へい。それはもういいとこでござんす。」
「はっはっはっ、それは良かった!」
ちなみに長谷川さんは、清和源氏の流れをくみ、4世代前の季頼さんから長谷部を名乗ったそうだ。
俺とは2回り近く歳が違うが、とても親しくしてくれている。
「そうだ!右殿、拙者の家に来られぬか?」
「良いのですか?ぜひ行かせていただきます!」
「以仁王殿下や入道様の御屋敷に比べると粗末な小屋ですが、お上がりくだされ。」
「左殿、改めて、新年おめでとうございます。」
「これはご丁寧に。こちらこそ、おめでとうございます。」
「お茶を持ってまいりました。」
実は浦に茶葉を降ろさせていて、長谷部さんにも格安で譲っている。もちろん以仁王にも。
そう言って、俺より少し年上だろうか?切れ長で、鼻筋がすーっと通った美しい娘が入ってきた。長谷部家の侍女か?
「ん?右殿、どうなされた?あ、この子は娘の玉でござる。」
「長谷部玉にございます。」
確かに言われたら切れ長の目も、ずーっとした鼻筋も長谷部さんの面影がある。
「た、平左兵衛尉以盛でしゅ。」
か、やべぇ噛んじゃった。
玉さんがクスッと笑った。
この長谷部さん、平家物語でも以仁王の忠臣として、平家物語第四巻、「信連」の場面で出てきます。
以仁王謀反を察知した平清盛はそれを阻止すべく、すぐさま以仁王の御所、三条高倉宮に兵を向かわせます。
それに、いち早く気づいた信連は、以仁王を、女装させて逃がします。王は小枝の笛を忘れていたのですが、信連がすぐに王に手渡し、自分は三条高倉宮へと戻ります。
そして、平家が動員した兵300名と、三条高倉宮にて、1人で徹底抗戦します。
その結果、信連は、145名を討ち取ったと言われます。
玉さんは、長谷部さんの子孫、長連龍の奥さんの玉さん(この人も子孫)と細川ガラシャさんから頂きました。




