40話、世界三大宗教。神道は世界ではマイナー宗教だけど、ほとんどの日本人は初詣行くじゃないですか?てことはみんな神道信仰してます
特に書くことないです。
〜摂津国、大輪田泊〜
大輪田泊にある大きな館に連れてこられた。
「この館は、宋商人の宿になっております。」
この時代珍しい二階建ての建物で、中華風の赤い建物だ。
「蒲殿は二階の角に泊まっておりますが、こちらに呼びましょうか?」
「いや、俺の方から行く。」
「では一緒に参りましょう。」
建物の中も煌びやかで長崎や横浜の高級中華料理店のようだ。
おとんの本気度が伺える。
二階へと続く階段にも真鍮でできた美しい手すりがある。
扉を開くと唐服を着た男が椅子に座って、何かを小さなカップに入れて飲んでいる。部屋にはほろ苦い香りがひろがっている。
「蒲殿、平兵衛少尉以盛様です。」
「平右大臣清盛の8男平兵衛少尉以盛だ。」
「蒲寿庚でございます。」
流暢な日本語を喋った宋商人はアジア人の顔をしていない。鼻が高く彫りが深い顔に白い肌をしている。だが目はヨーロッパ人のように青くなく、真っ黒な黒い目をしている。
「ビスミッラーヒルラハマーニルラヒーム(ぜひあまねくアッラーのなにおいて)」
蒲寿庚が大きな目をもっと見開いて
「アルハムドゥリッラーヒラッビルアーラミーン(ばんじのあるじあっらーにこそすべてのしょうさんあれ)」
忠清唖然としてるけど、あぁ良かったー好きな子が受けてた宗教学受けてて良かったー下心満載で宗教学受けててよかったーおれの邪心ナイスー
「そなたやはりムスリムだな?」
「はい。父はペルシャ人でございます。」
「その飲み物を俺にも飲ましてくれ。」
「松王様!木の根からとったような汁、右大臣の子ともあろうお方が飲んではなりません!」
「落ち着け、忠清。この汁は木の根などでは無い。そうであろう?蒲寿庚。」
「はい。こちらはアラビア商人の秘薬コーヒーでございます。飲むと眠気も飛ぶんです。」
「だそうだぞ、忠清」
「しかし…」
「忠清殿のコーヒーもお作り致しましょう。アラビア人はこのようにコーヒーを共に飲み親交を深めるのです。」
「まぁ茶のようなものであろう?」
「そのように考えていただければ。」
蒲寿庚が豆を挽き、小さな銅でできた柄杓のようなものにコーヒーの粉と水を入れた。
「この日の本は水が澄んでいて、美味しいコーヒーが作れます。」
そして、アルコールランプを取り出し、火をつけ沸騰したらスプーンで掻き回した。それを3回繰り返し、小さなカップに注ぎ砂糖を入れて俺と忠清に出した。
「うん、うまいな。」
忠清は苦そうな顔をしている。
「この淹れ方がいちばんコーヒーの香りを引き出せるのです。」
トルココーヒー初めてのんだがすごい濃い。甘いお菓子があればいいのだがと思ったら蒲寿庚が蘇を出してくれた。
「このトルコのものは甘味と共にコーヒーを飲むのですが、蘇というお菓子はコーヒーにあいます。」
「たしかに、うまいなぁ。」
「して、蒲寿庚。俺になにか用があるのだろう?」
「はい。5年ほど前から、平右大臣清盛様の倅殿が何やら、将をあつめているとお聞きしましてな。」
「そのとおりだが、そなたは俺の郎党になってくれるのか?」
「いえいえ、私は商人でこの見た目なので、兵たちが認めてくれないでしょう。」
「すると、なんだ?」
「以盛様と、商売をいたしたくて参りました。」
「商売とな?」
「はい。私が以盛様に戦が有利となる品を仕入れましょう。その代わりと言ってはなんですが、以盛様の領地で栽培されているというお茶の葉を私に買い取らせていただけないでしょうか?」
「お茶と武器か…蒲寿庚、お前いま、火薬は持っているか?」
「もちろんです。私の船に沢山積んでおります。」
「火薬の作り方は?」
「私は知りませんが、知り合いに火薬職人がおります。」
「いい取引だ。」
俺がコーヒーを飲み終えると
「以盛様、その器を皿に被せて逆さにしてください。」
言われた通りにした。
「器を持ち上げてください。」
蒲寿庚は笑顔になった。
「満月の形ですね。アッラーもこの商談は吉と申しております。」
蒲寿庚の蒲という苗字はペルシャ系の人に多かったので蒲寿庚もペルシャ人と考えられているようです。
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