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第零巻「昔々のお話」
丹波国、大江山。
そこには最強の鬼と言われる「酒吞童子」が住んでいると言われている。
身長は6M、角は5本、15の目を持つとされ、酒を好み、人を攫ってはつまみに食ってしまうという悪鬼だ。
酒吞童子の配下には茨城童子がおり、さらに四天王である熊童子、虎熊童子、星熊童子、金熊童子の4体の鬼がいた。
ときの天皇は鬼を無視できぬ脅威ととらえ、武士たちに鬼の討伐を命じた。
武士の2大派閥、平氏と源氏は下級武士の集団をまとめていき力をつけていった。
やがて、東国の源氏、西国の平氏と言われるほどに……。
そして、誰が言い始めたのか。
いつしか、鬼の弱点にちなんで、前者をイワシ派、後者をヒイラギ派と言う者まで現れ始めた。
これは鬼と武士の戦いの物語。
そして、九鬼丸と呼ばれた男の話……。