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「ねぇ、優くん…私」


「…ん?あ、寒い?」


「そーじゃなくて。もう本当はわかってるんでしょ。」


少し眉間にしわを寄せた美里は、改めて僕の方を向いて今度は真面目な表情になった。


「私と…付き合ってください。」


言い終えると顔をすぐに下に向け、僕の返事を待っている美里。


4月になったばっかりの東京の夜。

お台場海浜公園で同僚の美里から告白された。


「…こちらこそお願いします。美里さん」


少し肌寒い夜の浜辺。

風に吹かれながら、お台場の夜景とともに僕は心にもないことをあっさりと言ってしまった。

そういう気分にさせるここの雰囲気とお酒に酔った勢いで彼女と付き合おうと思った。

何より僕も普通の恋愛をして、普通の大人になりたかった。


周りを見渡せばちらほらカップルがいて、笑顔を浮かべてまさに幸せそうだ。

僕らも周りから見たらカップルのように見えるのだろうか。

幸せそうに見えるだろうか。


「美里さん、抱きしめていい?」


「もう、優くん。さん付けしなくていいから。当たり前じゃん。私たちカップルなんだから。」


「…そうだよね。美里」


美里を抱きしめると、ドクッドクっという心臓の音が聞こえた。

僕は美里を抱きしめながら水面にうつるぼやけた夜の街を見つめて、これでいいんだと頭の中で言い聞かせた。


「愛してるよ、美里」


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