表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

狼さんと沈黙と猫 Part2

作者: 猫又二丁目

いつも見て頂いてる方ありがとうございます!

猫又でっす!

狼さんと沈黙と猫第2弾です。よかったら1弾目から見ていってください。


「ふぁぁぁ...。あー、自習なんてつっまんねぇことなんでみんなそんなに真面目にやるのかねぇ...。」


あくび混じりの声出そう言い、屋上の柵に両ひじを置いて、横目で自分と同じ学年の奴らが机に向かって黙々とノートやらに文字を書いているのを見て、ふん、と呆れたように鼻で笑う。


「...いい点数取りたいからでしょ。あんたこそ自習しないで何してるのよ。」


そう言いながら屋上に入ってくるのは柊 紅葉。真っ黒で真っ直ぐの長い髪に、完璧というような嫌味ったらしい容姿。

それに対して私は鋭いつり目に、金髪のショートカットにジャラジャラとピアスをつけた素行の悪そうな不良生徒にしか見えない。


なんとも、この差。


「...はぁ、お前もだろ、ひいらぎぃ。自習しないでなにやってんすかぁ?」


そう言って、左手を空中でヒラヒラと動かし馬鹿にしたようにふっと片方の口角を上げ、笑うと、まんまと引っかかりギリギリと歯ぎしりの音が聞こえた。


「...私は賢いから良いのよっ!あんたは馬鹿のくせになにやってるのかしらぁ!馬鹿は馬鹿なりに精一杯の努力をしてみなさいっての!」


柊は腕を組みながら、イライラしたように右足こかかとをトントンとリズミカルに踏んでいる。


びゅうと、大きな風が吹き、髪の毛が乱れる。それを整え、右耳に髪の毛をかける。


しばらく、沈黙が流れる。太陽が背中を焼くように照りつけていて、熱くてイライラするが、この気持ちのいい時間で、まぁいいか、と雲一つ無い快晴の空を見上げる。


やはり眩しくて、目を細め、ふぅ、とひといきついてから、目を瞑った。

真っ暗な視界に先程見た太陽の光の形がしたぼんやりとした雲のようなものが浮かんでいて、気持ち悪くなり、目を開ける。


「...んっ。」


目を開けた瞬間、目の前に柊が現れ、唇が密着した時の驚きと混ざった快感で、私が沈黙を破ってしまった。


「...はぁっ...こっから...私達...見えてるのよね...。」


頬を桃色に染めて、柊はクスリと笑った。


「...熱いな。見えない所に行くぞ。」


そう言って、柊の腰に手を回して柊を宙に浮かす。


「ふにゃぁ!?ちょっ...なに!?」


鳴き声猫かよ...。


私に米俵を担ぐように抱かれて恥ずかしいのか、背中をバシバシと叩く。

痛てえ。


「...ぁんだよ。」


校舎からは見えない影に来て、柊を降ろすと真っ赤な顔をしてこちらを睨んでいる。


「...どうせなら...」


ギュッと拳を握り、眉間に皺を寄せ、俯く。


「どうせならお姫様抱っことかが良かったわっ!」


むむむ...と言わんばかりに不満そうに私を見つめる。


▶︎馬鹿にする

しょうがないからお姫様抱っこしてやる。

お姫様抱っこしながらベロチューおもっくそする。


...決まってんだろ。


馬鹿にする

しょうがないからお姫様抱っこしてやる。

▶︎お姫様抱っこしながらベロチューおもっくそする。


これだろ。


そう決めてから、柊の肩を左腕で抱き、右腕を膝辺りにつける。


「肩に腕回せ。」


そう言うと、柊はおずおずと私に腕を回す。


グン、と柊の体を持ち上げる。

こいつちゃんと食ってんのか...?かるすぎだろ。


「...うわぁ...なんか...いいわね、これ...んんっ!」


チュウ、と柊の唇を少し吸いながら舌をナチュラルに入れ込んでいく。


「...ふっ...ん...。」


気持ち良すぎて、らしくない声を出したが、そのまま柊の口に舌をねじ込む。


「はっ...まって...んんっ!あ...んっふに...ゃ...あ...。」


甘ったるい声を出しながらグイグイと胸を押し付けてくる。


嫌味か。私が胸ないの知ってての行動か。


「...はぁ、今日は子猫の気分か、柊。そんなに吸い付いてきて。」


「...そう...ね...?」


(さっきの仕返しの)嫌味だと気づいてないのか、ボーッとしなが言う。


「...そんなに吸い付いてきてミルクのご所望ですか?」


やっとここで気付いたのか、はっとして顔を先程よりずっと真っ赤にした。


「...あ...んたねぇ...今言うそれ!?」


私の腕の中で怒りながら、私の頬を無理矢理つねる。


「いひゃいっいひゃ...ごえんなひゃいっ、いひゃ!」


外に弾くようにつねった手を離し、バチンと瞬間的な痛みが頬に伝わる。


「...降ろしてっ!」


ふんす、と鼻を鳴らして拗ねたようにそっぽを向いた。


「ほんっとに自由気ままな猫だなぁ。」


はぁ、と一息ついてからもう一度、唇を重ねるだけのキスをして、少しの間、お互い目を合わせて黙っていた。


「...好き。」


沈黙を破ったのはそんな単語。沈黙を破った、そんな怒りはぶっ飛んで、体の真ん中に火をつけられたように体が熱くなる。


「...そういや...まだ...だったな...。」


キスしといてなんだそれって言われるかもしんねぇけど、私達はまだ付き合ってない。

告白もしてねぇし、好きとも言ってねぇ。


第一こいつから好きって言われるとは思ってなかった。


「...早く。」


「...っ!好きだ...付き合って...くれ.....。」


頭がクラクラするくらい熱くなり、耳から火が出そうだ。


猫のようなくりくりしていて、少しつった目で私をマジマジと見つめ何も言わない。


ここは私からこの沈黙を破ってはいけないと分かっているのだが、どうしようもなく恥ずかしくて、こんなに頭がおかしくなるほど焦る沈黙は人生で初めてだ。


柊はクスリと笑ってから、柔らかい声でこう言った。


「しょうがないわね。よろしくね、狼さん。」


...全く、どこまで好きにならせれば気が済むんだこの猫は。


「...うるせぇよ...バカ猫...!」


そう言って、またキスで沈黙をつくった。



そのときたまたま2人の重なった影が、狼か猫か、どちらにも見える形をしていたのはこの物語を作った猫又しか知らないのであった。ฅ•ω•ฅニャー

気晴らしに書いたのですが、ゆるいなぁポカポカすんなぁ、とか思いながら1人でぽつぽつと書いてました。


見て頂いた方やいつも私の作品を見て頂いてる方、本当にありがとうございます。凄く嬉しいです。ガチレズ教師や、ただ可愛なども見て頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ