夕方の食材調達も兼ねて午後は渓流でニジマス釣りだ
さて、温泉へ入って心身の疲れを癒やした後、食事処で釜飯など食べて昼も過ぎたら車でつるつる温泉を後にする。
この後は一度キャンプ場を通り過ぎて、日の出町自然休養村さかな園でニジマス釣りにチャレンジだ。
ここはキャンプ場の横を流れてる平井川の流れを利用した渓流釣りだけでなく釣り堀や手づかみでのニジマス釣りもできる。
キャンプ場の脇の川の流れでも深いところでヤマメやニジマスなんかは釣れるらしいけど、ここは釣り券を3,500円でかえばニジマスを10尾放流してくれるという親切な場所なので、釣れなくて悲しい思いをすることもないはずだ。
さらにここなら仕掛けのついた竿などを借りて、餌もイクラかブドウ虫を選んで売ってもらえるし。
ここにはバーベキュー場や宴会場、食堂などもあって釣ったニジマスをお金を出して焼いて食べることもできるみたいだけど、俺達は釣ったニジマスは持ち帰って自分たちで調理する予定だ。
「ニジマス釣りかぁ、小学校の頃に釣り堀で釣った覚えはあるけどずいぶん久しぶりかな。
オーナーとかチーフはどうするんです?」
「僕たちはのんびり釣り堀でつるとするよ」
オーナーは笑ってそう言っている。
「俺はせっかくだから渓流釣りにチャレンジしてみるぜ」
チーフは自信満々にそういった。
「チーフは釣り得意なんですか?」
「いや、やったことはないけどなんとかなんだろ」
なんとかなる……のかな?
「じゃあ、俺も渓流釣りにチャレンジしてみます」
「せっかくだしそれらしい雰囲気も味わいたいしな」
「確かに、せっかくなら川で釣りたいですよね」
オーナーは奥さんと、笠羽さんはチーフと、桜田さんは俺と一緒にコンビで行動することになった。
俺は渓流釣りの釣り券を買って、貸竿とタモ網、魚籠などを借り、エサとしてイクラを買ってあとは実際に釣りにチャレンジ。
「桜田さん俺がニジマスを引っ掛けたらタモ網で水からすくい上げるの手伝ってくれる?」
「了解だよー、まかせて」
全体で見れば結構な人数が釣っているが、渓流を大きめの石で区分けしていて、その石で区分けされた部分にニジマスを放流してくれるのでたぶん釣れるはずだ。
「じゃあ、挑戦してみますかね」
桜田さんはタモ網をもって手伝う気満々だ。
「頑張ってね」
早速釣り針にイクラを付けて仕掛けを渓流に投げ入れてみた。
「それにしても結構家族連れも多いんだね」
桜田さんが周りを見てそういう。
確かに親子連れも多くて小学生くらいの子供とかも結構釣りをしてるし、そういった子供もちゃんと釣り上げてるようだ。
「小学生でもちゃんと釣ってるんだし、これで釣れなかったらちょっとやばいな」
などと言っていたら浮きが”くん”と水の中に引きこまれたので俺は慌てて釣り竿を上に上げた。
「おし、かかった」
実はそこまでここの渓流釣りの水深は深いわけでもないので、ニジマスの姿自体はちらっと見えたりする。
なので、いる場所へ仕掛けを投げ込めばちゃんとつれてくれるようだ。
あまり無理に引っ張りすぎず、暴れるニジマスをいなしながら、ゆっくり竿を上げていってニジマスを岸に寄せる。
「桜田さんお願い」
「了解」
岸に寄せたニジマスを桜田さんがすくい上げてくれたので釣り針を外して魚籠の中に入れてやる。
大きさは20センチ位かな?
これくらいだとまるごと揚げたりしたら美味しいかもしれないな。
ニジマスは一般的には40センチ前後で、湖に棲むものなどは1メートルの大きさになったりする場合もあるみたいだけど、養殖して一年くらい育った状態でこのくらいの大きさらしい。
「さてさて、どんどん行こうか」
「そうしましょう」
こういった場所に放流されるニジマスは放流される前は餌抜きの空腹状態にされるので、割と簡単に釣れるらしい。
なんだかんだで2時間で20センチから40センチくらいの大きさのニジマスを10匹釣り上げて元はとったよ。
「よし、無事10匹釣り上げたし、そろそろここも終わりの時間だし戻ろうか」
「そうね、そうしましょう」
借りたものを返却し、釣り上げたニジマスを持ち帰るために、匹数を数えてもらい、その後エラや内臓をとってもらい、塩を振ってもらったビニールに入ったニジマスを渡してもらう。
しばらくしてオーナーやチーフもやってきた。
オーナーは6匹、チーフは10匹釣ったみたいで、大きさはやっぱり30センチ位だな。
「たまにはこうやって魚をのんびり釣ったりするのもいいものだね」
「そうだね、父さん。
早速キャンプ場に戻って調理しようぜ」
ニジマスは割と色々な調理ができる食材だし腕がなるぜ。