腹も膨れたし川遊びを楽しもう
さて、昼飯が終わったら皿や調理道具を洗って片付けを行い、遊びの時間だ。
実のところ海水浴に比べて、川遊びをやったことは殆ど無かったりするので結構楽しみだったりする。
遊べるような川が家の近くにあれば夏の自然遊びとして普通にやるんだろうけど、なかなかないよな。
海での海水浴ができる海水浴場は、監視員やライフセイバーも常駐していて、海で安全に遊べるようになってるが、川遊びが明確にできる場所は分かりづらいし、監視員やライフセイバーもいたりしないしな。
去年の江ノ島に比べて山の中だからか体感温度はいくらか涼しいとはいえ、まだまだ夏の真っ盛りであるから、十分暑い。
川遊びをするためにまずは俺とチーフが水着に着替える。
パンツを水着に着替えて長袖のTシャツを羽織って、ビーチサンダルに履き替えようとしたらチーフに呆れたように言われてしまった。
「おいおい、ウォーターシューズ買わなかったのか?
川じゃビーチサンダルはすぐ流されて、危ないからスニーカーにしておいたほうが良いぞ」
その聞き慣れない言葉に俺は首を傾げた・
「ウォーターシューズってなんですか?」
「ああ、ウォーターシューズとかアクアシューズ・マリンシューズなんて言われたりする専門の履物だよ。
海や川なんかの水にに入るときに履く靴で、軽くて脱げにくく乾きやすいんだ、後は岩場なんかで足を切ったりしないように靴底は意外と厚くなってるんだよ」
チーフが買って来たらしいそれを見せてもらったけど、確かにメッシュ素材のスポーツシューズみたいな感じだな。
固定のためにはマジックテープが使われてるし便利なもんがあったもんだ。
しかし必要なものをほとんど百均で買い揃えた俺に川遊びのためだけの専門の靴を買うのはちょっと無理。
「じゃあ俺はスニーカーで行きます」
「ああ、そうしておけ。
遊びが終わってスニーカーを乾かしてる間はビーチサンダルでも大丈夫だろう」
「なるほど、そうですね」
おれたちが着替え終わったら桜田さんや笠羽さんたち女性陣の着替えの番。
オーナー夫妻はのんびり森の散策を楽しんでくるそうだ。
「おまたせー」
「ごめんなさい遅くなりました」
桜田さんたちもも着替えてきたけど水着に上にパーカー? やウォーターシューズをはいてるな。
このブルジョア共め。
「ところでパーカー着て水遊びなんて大丈夫?」
俺がそうきくと桜田さんがくすっと笑う。
「これはラッシュガードだから大丈夫だよ」
「ラッシュガード?」
「水着の上から着られる乾きやすい日よけとか擦り傷とかから肌を守るための乾きやすい服なの」
また俺が知らない単語が出てきたぞ。
「へ、へえそんなのもあるんだな」
初めて知ったけどどんなものもあるんだな。
なんだか勉強になるぜ。
「これだから料理馬鹿は困るのよね」
そう言いながらわざとらしく肩をすくめる桜田さんとくすくす笑ってる笠羽さん。
ふたりとも結構ひどいな。
「とりあえず水鉄砲を借りていきましょう」
桜田さんがキャンプ場で用意されてる一番でかい水鉄砲を手にしていうと、笠羽さんやチーフも手にとって行き俺も小さな水鉄砲を2つ手にした。
二丁拳銃って何となく憧れるよな。
そして川へ降りていくために駐車場からキャンプ場に渡った時の橋のそばにある階段を降りていくと川上の方の浅くて岩がゴロゴロしている場所から川下の方の深くて飛び込んだ後で泳いだり、釣りを楽しめそうな場所まであるみたいだ。
木々が多くていかにも山っぽい香りと水の流れるせせらぎの音は本当癒やされるな。
見知らぬ他人がたくさんいた江ノ島のか海水浴場とは大違いだ。
まあ、あれはあれで楽しかったけど。
「じゃまあ適当に遊ぼうか」
俺がそういうと桜田さんが早速ライフル型の水鉄砲のタンクに水入を入れて俺に撃ってきた。
「そうしましょう、いくわよー」
川の水だからかかなり冷たい。
「うお、つめて! やったなこの」
俺も水鉄砲にも図をつめ二丁拳銃で反撃。
「キャーッつめた~い」
そう悲鳴を上げつつ嬉しそうにいう桜田さん。
それを生暖かい目でみていたチーフと笠羽さんもやがて参加してきた。
「それそれー」
「うわ、顔はやめてくださいよチーフ!」
「えーい」
「やったわねー」
まるで小さな子供に戻ったように無人で水鉄砲をうちあうのはたのしかったが、だんだん体も冷えてきたので一度キャンプ場に戻って体を温めることにした。
「楽しかったけどさすがに体が冷えてきたな」
「一回体を温めましょう」
「うん、それは賛成だ」
「そうですね、そうしましょう」
水鉄砲を持ってキャンプ場に上がり、ごろ寝が可能なごろ寝ウッドデッキの真ん中で焚火を炊いてそれに手をかざして温まり、くてっとデッキに横になる。
吹き抜ける風が気持ちいいな。
「焚き火って暖かいなー」
「そうねー」
川遊びを十分楽しんだ後、焚き火を囲んであたたまるのも良いもんだ。