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バレンタインデーにチョコを貰えるのはやっぱ嬉しいな

 さて、後期の筆記試験と技術考査を無事クリアして卒業制作展示についてのメニューやレシピもおおよそ決まった。


 そして2月になればやっぱりバレンタインデーだよな。


 今まではまともに本命チョコレートとか貰ったことなかったし今年は期待していいよな。


 母さんとか妹から家族チョコはもらってたけどな……とほほ。


 だからといって桜田さんに直接チョコくれるの? とも聞きづらいし、今回は笠羽さんに聞くのもどうかと思う。


 結局そわそわしながら当日に期待するしかないわけだ。


 ・・・


 一方その頃桜田かがりも悩んでいた。


「んー、どういうチョコとかプレゼントを送るのが良いかなー」


 12月のクリスマスから付き合いが始まったが、実のところその後の進展はあんまりない。


 クラスメイトのときと恋人になった後の自分の扱いには、あまり大きな差がないように思えるのが彼女の大きな悩みだった。


「これだから料理馬鹿は困るのよね」


 もっと情熱的なハグとかKissとかあってしかるべきな気がするんだけどとおもいつつ、流石にそれは自分からねだるのも恥ずかしいという乙女心は複雑であった。


「なんかわかりやすい物を送ったほうが良いのかな?」


 あんまりガツガツ来られたらそれはそれでヤダ、でもあんまり淡白なのもヤダ。


 それなりにきちんと恋人としてかまってほしいというのが彼女の本音であった。


 元旦デートはそれなりに楽しかったけど。


「とすると、メッセージ性の強いプレゼントがいいわよね」


 ネットなどもいろいろ見て回って探し出したのは「Ciappuccinoチャプチーノ」のバレンタインスイーツ」。


 チャプチーノは、ブラウニー、ウーピーパイ、ベイクドカップケーキ、チーズケーキ、ニューヨークバーをメインとして扱うスイーツのメーカ。


 学校のある蒲田の最寄り駅の駅ビルであるグランデュオ蒲田店があるからそこでてにはいりそうだ。


 バレンタイン向けにのセットには、「ウーピーパイ」と「ベイクドカップケーキ」にハートやキスマークをあしらったバレンタイン特別仕様のスイーツが用意されているらしい。


 駅ビルにはゴディバやメリーチョコレートなども入ってるのでチョコはチョコとして買うとして、別プレゼントにはいい感じに思える。


「早めに買っておかないとなくなっちゃうかも?」


 そういうわけで早速チャプチーノへやってくる。


「うん、ハートのウーピーパイとか良いわね。

 これください」


「はい、二千円になりますがよろしいですか?」


「はい」


「ラッピングも出来ますがどうなさいますか?」


「あ、自分でちょっと手を加えたいからそれは良いです」


「では商品はこちらになりますね」


「ありがとう御座います」


 後はチョコレート。


「わかりやすくモロゾフとかゴディバ、ゴンチャロフがやっぱり良いのかしら?」


 やはりブランドと言うのはそれなりに重要な気もする。


 最も手作りシフォン大好きという彼だから、ハンドメイドのほうが良いのかもしれないけど。


「うーん、トラットリアの娘としてはやっぱりハンドメイドチョコにするべきよね」


 用意するのはクーベルチュールの板チョコ・生クリームココアパウダーにラム酒。


 まずはチョコレートを刻んで溶けやすくして、生クリームを鍋に入れ、中火にかけ沸騰直前まで温め、それを刻んだチョコレートを入れたボウルに一気に注ぎ、そのあとは放置して湯気が出なくなるまで冷めるを待ってから、ラム酒を加えたら泡立て器でチョコレートが完全に溶けてなめらかなクリーム状になるまで混ぜる。


 十分混ざったら後はハート型に流し入れて冷凍庫で十分冷やし固める。


「んふふ、ちゃんと出来たわ」


 後はウーピーパイやハートチョコの表面に生クリームで”Kiss Me”と文字を入れれば完成ね。


「ここまでやればちゃんと分かるでしょ、せめてこういうイベントのときくらいは、ね」


 後はラッピングすれば準備完了。


 ちゃんと喜んでくれるわよね?


 ・・・


 さて、バレンタイン当日はやっはりなんとなく空気がそわそわしている。


 当然俺もそわそわしてる。


 最初に俺にチョコをくれたのは笠羽さんだった。


「はい、いろいろお世話になったので義理チョコですよ」


「わ、ありがと、義理でも嬉しいよ」


 そして桜田さんからも貰った。


「はい、本命チョコなんだから味わって食べてよね」


「うん、ありがとう、明けてみていい?」


「もちろん」


 丁寧にラッピングされた箱の中にはKiss Meと生クリームで書かれたハートチョコだった。


「これスイートチョコかな?」


 パクっとかじるとほのかにラムに香りも漂ってくる。


「うん、美味しい」


「それでビターだったら嫌がらせよね」


 そう言ってクスクス笑う桜田さんはちょいちょいと唇を指さし目をつむったたのだ。


 俺はそっと桜田さんと唇を重ねてしばらくしてそれを離す。


「キスの味はチョコ味って感じかな?」


「うふふ、そうね」


 桜田さんの機嫌が良くなってよかったよ。


 そしてキスをしたことで仲も少し深まったのかな?

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