箱根観光もなかなか良かったぜ。
さて、慰安旅行も最終日だ。
朝は泊まった箱根小涌谷温泉ヴェルデの森WLCの食堂で和洋折衷のバイキング。
「ん、このローストビーフうまいな」
桜田さんは刺し身を食べてる。
「お刺身も案外いいわよー、意外と新鮮なのね」
「結構小田原から近いしな」
食堂からは小田原や相模湾も見えるし、箱根は良い景色の場所が本当に多いな。
チェックアウトしたら強羅まではシャトルバスで向って箱根登山ケーブルカーにのり、ロープーウェイにに乗り換える。
ロープーウェイは登山鉄道やケーブルカーと違って空中を移動するから、空から見える景色はこれまた別格。
富士山や東京タワー・東京スカイツリーまで見えたりする。
そして一度大涌谷駅で降りて大涌谷を見物する。
大涌谷はあちこちで白煙が立ち昇る、小涌谷とはまた違った迫力満点の温泉の光景はなかなかだ。
そしてここの名物は黒たまご。
「黒たまごを食べると寿命が延びるんだってな」
桜田さんが両親を見てから言った。
「じゃあみんなで食べないとね」
黒たまごは温泉卵の一種なのだが、温泉のお湯で1時間位茹でると殻が真っ黒になるらしい。
割ってみると中身は普通に白いけど。
「ん、なんとなく元気になった気がする」
「本当になんとなくだよね」
そう言って笑いあったと、またロープーウェイにのって終点の芦ノ湖の桃源台駅て到着し降りれば箱根海賊船の桃源台港に到着だ。
「芦ノ湖といえばやっぱスワンボートと海賊船だよな」
オーナーがうなず来ながら言う。
「まずは海賊船に乗って芦ノ湖を遊覧しようか」
チーフがうなずく。
「涼しげだしいいんじゃないかな」
そんな感じでまずは海賊船にのることになった。
派手な外観と塗装で海賊気分を味わえる豪華な遊覧船の箱根海賊船は芦ノ湖の桃源台港、箱根町港、元箱根港の3つの港を結んでいており桃源台港から箱根町港・元箱根港へは30分、箱根町港と元箱根港は10分の船旅だが芦ノ湖の湖面に映る逆さ富士なども美しいし、湖を吹き渡る風が涼くて気持ちも良い。
「こういう大きな船の舳先に来るとタイタニックごっこがしたくなるわよね」
「いや、流石に縁起悪いしやめといたほうがいいんじゃないかな」
「うーん、それもそうよね」
元箱根港までの船旅を楽しんだら箱根神社へ向かう。
箱根神社は箱根観光で必ず立ち寄りたい場所の一つで、強力なパワースポットなのだな。
子宝安産のご利益のある安産杉をはじめ、出世運、恋愛運、健康運など様々なご利益がいただける名所なのだ。
オーナーなども真面目にお祈りをしてる。
「どうか 、これからも家内安全でいられますように」
桜田さんも一生懸命祈ってるな。
「これからもずっと一緒にいられますように」
俺も祈ることにする。
「料理がもっともっとうまくなりたいです!」
俺がそう祈ったら桜田さんが笑っている。
「いやあ、流石に料理の腕までは面倒見てくれるかなぁ?」
「面倒見てくれたら嬉しいんだけどな」
そしてバスで箱根園へ向かう。
ここには水族館があって淡水に生息する珍しいバイカルアザラシを見ることが出来るのだ。
早速見に行くと黒くて目がでかいバイカルアザラシは結構可愛い。
「ねえ、あそこに陸上で仰向けのまま寝てるこがいるよ」
「ほんとだ、危ないとか思わないのかな」
「のんきなのですね」
桜田さんや笠羽さんにはなかなか受けが良いみたいだがまあ分かる。
水族館を楽しんだら伊豆箱根バスで小田原までおりていく。
で昼ごはんはわらべ菜魚洞という海鮮のお店。
アブラボウズの煮付けは脂が乗っててうまい、旬は冬らしいけど深海魚だからか夏でも十分な美味しさだ。
「うまいけど食べ過ぎ注意ってな」
「食べ過ぎるとお腹壊すらしいわね」
アブラボウズの身はワックスが多い。
マグロのトロよりも多いそれは多量に摂取すると脂を消化しきれず下痢などを起こすことがあったりもする。
「シンプルだけどアジフライも美味しいな」
「そうだね父さん」
「北条鯖の刺身もいいですよ」
みんな好きなものを頼んで食べているが安くはないのが玉に瑕かもな。
そして小田原の観光名所と言えばやっぱり小田原城。
小田原駅から徒歩で15分位とかなり駅からも近い。
最近天守閣などがリニューアルされたばかりで綺麗だし、シアターが設置されていたりして、戦国時代の後北條家の歴史や、小田原城の歴史などもわかりやすく解説されてる。
さらに天守閣の最上階からの360度の展望はまたいいんだ。
「箱根のときとまた違う綺麗な景色だな」
天守閣から観る相模湾は近いだけも綺麗な風景だ。
小田原城を見てあとは小田原から横浜に帰るだけになった。
東海道本線を使えば一時間ほど。
流石にみんな疲れていたので帰りは寝て危うく乗り越すところだったけど、なんとか無事に横浜で降りることができた。
「意外と小田原から横浜では近かったわね」
「そうだね、芦の湖からから小田原までのほうが時間がかかったくらいだし」
そしてオーナーからの声がかかる。
「明日からまた営業再開だからみんな頑張ってくれよ。
じゃあ解散だ」
「はい、お疲れ様でした」
二泊三日の慰安旅行、なんだかんだで忙しないところはあったけど楽しかったな。