序章
ローランの瞳からふる涙の大雨が止んだ頃、僕はローランと共に、トレミとアネラの元へ向かった。
二人は宿屋の前で喋っていた。外の天気は晴れだが、ローランの心はまだ曇りだろう。
アネラとトレミは少し病んでいるローランの顔を見てひどく心配した。
「あなたがローラン君ね。話はこの子から聞いたわ。
私の名前はアネラ・クリスタル。こちらが、トレミ。
よろしくね」
ローランは鼻をすすり、明るく答えた。
「おう!よろしくな!」
僕は複雑な気持ちになった。ローランは無理をしているのでわないかと。
「でさ、ゾロア。こんな手配書配ってたんだけど、これ昨日アネラに暴力加えたた男じゃない?」
トレミは手配書を見せながら言った。
確かにその男はアネラに暴力を加えた男で、装備は検問所で見せられた窃盗団の手配書の男達装備と同じだった。
「でさ、この町ではもう目撃されてない見たいだから恐らくこの町に一番近い町……<モア>に逃げたと思うんだけどさ、そんなに早くモアに着けるはずないし、今日から追いかければ、アネラの親を捕まえれると思うんだ。さっき聞いたんだけど、アネラは日常的に暴力を受けてたみたいだから……懸賞金もかけられてるし、行方を追わない?」
トレミの発想は少し大胆だった。
十歳の子供三人と、十二歳の子供で窃盗団を捕まえるなど、普通ならば無理だ。
確かに僕はそれなりの魔法を使えるし、ローランだって剣術が使える。
トレミにしては、<弓使い>と自分から言ってたし、戦力は充分かもしれない。
手配書を見る限り、相手の装備はさほど強くない。
今回の案件に関してはなんとかなりそうだが、アネラの心境を考えると、親が捕まるのだから少し心が痛んでいまう。
しばらく悩んだ末、僕は答えた。
「よし。僕はトレミと一緒に窃盗団を捕まえる。ローランとアネラは来たい?無理しろとは言わないけど」
「楽しそうな事を俺にするなってか、そりゃ俺からしたら無理だわ。俺も窃盗団を捕まえる」
ローランは立ち上がった。
「私はどうせ独り身だし、皆と居た方が楽しそうだから……それに、回復魔法だったら多少は使えるし、戦闘にも参加できるから私も行く。お父さんにも会いたいし……」
アネラを体育座りをしながら言った。
「じゃあ今日は資材集めだね。で、お昼には資材を集め終わって、馬車に乗せて、明日の朝出発!」
僕は楽しくなって大きな声で言ってしまった。
ようやく旅らしくなってきた。
ここで沢山お金を使っても報酬金でお金を貰えるし、まだゴブリンの長の革も売ってないからお金の心配はいらなそうだ。
僕達四人は立ち上がり、太陽を見上げた。
第5話をお読み下さりありがとうございます。
僕はラノベ小説の挿し絵に対して余り良い印象を持っていなくて、小学生の頃、挿し絵が露出が激しい水着姿の少女の絵で、みんなの前で、「うわ!エロ本読んどる!」とからかわれて死にかけた事があります。
少ないですが、お許しを…。
ありがとうございました。