Ⅲ 蘇芳家⑧
俺が父親の弟夫婦の家にやってきてから、二週間が経った。俺は相も変わらず隔たりのある態度を取ってきたが、彼らは特に憤る様子はなかった。寧ろ、喜んでいるようにさえ感じた。一方で彼らの一人娘であるいとこはと言えば、何故か飽きもせず、毎晩のようにして俺の部屋にやって来るのだった。
彼女は必ず、夕食が終わった後の時間帯を選び、こっそりと戸を開けて入ってくる。この時間を選んだ理由を訊いてみても良かったのだが、訊くタイミングを逃してしまい、今に至る。
どうせというのもなんだが、俺と仲良くしている姿を両親に悟られたくないのだろう。それが何故かということに関しては、俺がこの家にやってきた初日の、彼女の態度を思い返せば分からなくもない。恐らく、バツが悪い、という事なのだ。こんな言葉を率直に口に出せば、彼女は忽ち目を吊り上げて俺を罵倒することだろう。
俺としては、別に罵られたところで大したダメージを受けることはない。加えて、彼女が話すことは至って些細な事ばかりで、聞いても何かを得られるような重要な情報が含まれているようなことは特になかった。詰まるところ、俺には彼女の話を聞く理由がどこにも無い。もっと言えば、早いところ彼女を部屋から追い出して、より有意義な時間を過ごすことだってできるのである。
だが俺はそれをしなかった。逆に、素直に彼女の口から零れだす由無し言を、そこはかとなく聞き続けているのである。
不思議と、彼女の訪問を煙たいとは思わなかった。土方と初めて会った時に感じた苛立ちや焦燥感などは、何処かに捨ててきてしまったのではないかと思うくらいに、綺麗さっぱり現れてこないのである。まぁ、土方との出会いの場合は、状況が状況だったからそのような気分にさせられたのかもしれないが。
要は、好奇心とは何と恐ろしいのかという話なのである。実際に恐怖しているわけではないが、予想外の事態に自分自身で驚いている事は否めない。ただ、その好奇心を彼女に悟られるのは些か癪だったので、フェイクとして毎晩パソコン画面を開く事だけは徹底しておいた。
今日も、吐き気がしそうなほどの夕食を取った後、俺の部屋にいとこがやってきた。彼女は断りもなくベッドの縁に座り込み、暫く呆然と部屋の中を眺めた。俺はその間、無言でパソコンを起動させる。
「……新しい学校には、冬休み明けから行くらしいね」
唐突に、彼女はぽつりと呟いた。俺はパスワードを入力し終えてから、頭を動かさずに返事をする。
「らしいな。お陰で、長い冬休みが得られたわけだ」
「長い冬休みって。まだ秋だよ?」
「秋と言っても、もう十一月の下旬だろ」
「それでもまだ秋だよ」
外耳の向こう側から、布団の空気が勢いよく抜けていく音がした。いとこがベッドに寝っ転がったらしい。ベッドの低い柱がぎしぎしと嫌な音を立てた後、静寂が戻ってくる。
取り留めのない会話が、尚も平坦に続いた。
「佑磨はいつもパソコンに向かってるけど、飽きてこないの?」
「あんたらが携帯情報端末機から目が離せないのと同じようなものだろ」
「それって、女子高生にありがちな携帯依存症の事を言ってる?」
「違うのか?」
俺はタイピングの手を止めずに訊き返した。少女が、短く息を吐く。
「少なくとも、『あんたら』って言葉で一括りにされたくない。私はちゃんと節度を持って使ってるから。……それより、今の話からすると、佑磨がパソコン依存症だって話になるけど」
シーツを引っ張るような、布の擦れた音が鳴る。おおよそ、仰向けから寝返りを打って、うつ伏せにでもなったのだろう。俺は画面をスクロールしながら答えた。
「パソコンは媒体に過ぎない。俺が依存しているのは、好奇心の解消の方だ」
「なら、世の中の女子高生だって、携帯を媒体にしているに過ぎないよね。あの人たちの目的は、友達と繋がることだから」
ははは、と俺は思わず笑っていた。笑ってから、はたと奇妙な感覚に陥る。
何故俺は今、笑ったのだろうか。
面白かったから。
これ以外の何物でもないのだが、どうも気持ちが宙吊りになって、馬鹿みたいに彷徨い続けている。俺は首を傾げ、暫く停止した後、軽く頭を振った。パソコン画面に視線を移し、未だに悪戦苦闘している暗号解除に意識を引き戻す。
何分、何十分、何時間経ったかは知れない。執拗に高速なタイピング音が鳴り響いている部屋の中が、唐突に明滅し始めた。まるで事切れる直前の何かであるかのごとく、蛍光灯は危うげにオンオフを繰り返す。白昼色の光がチカチカとして、目に痛い。
数分して、部屋は暗転した。代わりに、パソコンの光が室内をぼんやりと照らし出す。
俺も彼女も、動こうとはしなかった。パソコン画面からの光だけでは目を悪くしてしまう事を、知識としてだけは知っている。それでも、今からわざわざ階下に降りて、再び彼女の両親と顔を合わせるよりかは幾分かマシだった。明日になれば嫌でも居間に赴かなければならないのだから。
いとこも同じことを思っているのか、はたまた面倒なだけなのか、俺のベッドに横たわったまま、微動だにしない。彼女からしてみればただ寝っ転がっているだけだから、部屋の明暗はさして問題ではないだけなのかもしれない。
どうであるにせよ、状況の変わったこの部屋を、俺たちは放置しておいた。それ以外は、大して変わったことは起こらなかったからである。
「ねぇ、佑磨。『セイ』って知ってる?」
弱い光で全体的に青っぽく光る部屋の中、彼女の声がぽつねんと解き放たれた。俺は即座に「知らない」と返した。すると彼女は、「だろうねぇ」と面白そうに小さく笑った。
「だって、それが話題に上がったのは、七年以上も前の話だから。佑磨はその時……一歳か。知ってたら逆に引くよね」
「何が言いたい」
皮肉のこもった言葉に、俺は不満の意を示す。彼女は軽く笑っただけで、簡単に受け流されてしまった。俺はますます眉根をきつく寄せる。
「うーん、何が言いたいっていうかなんというか。佑磨があまりにもパソコンに嚙り付いているものだから、ちょっと思い出しちゃっただけ」
いとこは「ただそれだけだよ」と重ねて言う。
「……じゃあ、その『セイ』って言うのは、一体何なんだ?」
「調べれば出てくるんじゃない?」
「何で俺が調べなきゃならないんだ」
「得意分野なんじゃないの、そういうのって」
俺の歯ぎしりする音が聞こえたのか、彼女はクスクスと笑った。
「冗談だって。そんなに怒らないでよ。……『セイ』はね、結構有名なハッカーだったんだ。今ではそんな噂、ぽっくり途切れちゃってるけどね」
「……ハッカー?」
「そう、ハッカー。って言っても、善良なハッカーだったんだよ」
俺は漸く手を止め、体の向きを百八十度方向転換した。薄暗い部屋の中、俺の許可もなくベッドに寝そべっているいとこの姿が目に入ってくる。
彼女は楽しそうに、唇を左右に広げていた。
「それを言うなら、ハッカーじゃなくて、クラッカーだろ」
「突っ込むところ、そこ?」
「素直に突っ込みたくなかっただけだ」
いとこは「そこは言っちゃいけないところ」と苦笑した。
「『セイ』はね、不正を働いた奴に次々とハッキングして、その情報を公のもとに晒していったんだ。まぁ要は、世のため人のためってやつだよ。幼いながら、私でもちょっと、カッコいいって思っちゃったもん」
「だが、犯罪者には変わりないだろう」
「ははは、だから、『ハッカー』なんだよ」
「意味が分からない」
溜息を吐いてから元の作業に戻ろうとした矢先、彼女は呟いた。
「でね、その『セイ』のトレードマークは、金木犀だったんだ」
戻りかけていた体が、瞬時に停止した。油の切れたロボットのように、ぎこちなく首を傾ける。視線の先で、いとこは両手で頬杖をつき、意味深に顔をニヤケさせていた。彼女の瞳の中に、無機質なパソコン画面の四角い光が映り込んでいる。
俺は即座に画面に視線を戻した。猛スピードで下までスクロールし、そこに何が描かれていたのかを再度確認する。
金木犀のイラスト。
緩やかなテイストで描かれたそれは、まるで俺を嘲笑うかのように、そこに鎮座していた。俺は引きつりそうな表情筋を抑えるために、強く歯を食いしばる。
「はは、一杯食われてたんだね、佑磨」
すぐ後ろからアルトの声が聞こえてくる。俺は暫く硬直状態から抜け出すことが出来なかった。漸く抜け出せても、言葉は絞り出すようにしか出せなかった。
「お前……、一体、何を知っている?」
「何も。……ただ、佑磨が大っ嫌いなだけだよ」
「なら何故、毎晩此処にやってきたんだ」
「嫌いでも、顔を合わせて会話するくらいはできるよ。佑磨だってそうじゃん。うちの両親に対して、私と同じことをしてる」
言い返すことが出来なかった。つまり、彼女は打ち解けていたのではなく、猫を被ったまま俺と接し続けていたという事なのだ。
何のために?
俺は振り返ることを躊躇ってしまった。今振り返ることは得策でないと、頭の中の何かが訴えかけてくる。
「それにしても、本当に繋がってるとは思ってなかったなぁ。ちょっと残念。これでも私、『セイ』には憧れを抱いていたんだよ?」
問いかけるもなく、彼女は勝手に話し続ける。
「でも、佑人にぃの言う事は正しいもんね。間違ってるわけなかったか」
弾む口調で第三者の存在を口にする。佑人と言えば、父方の伯母の一人息子である。俺の母が殺めた、あの伯母の。
彼は確か、医者には興味が無いと言って、高校を卒業してすぐに蘇芳家を去っていったという話を聞いたことがある。それから彼が何をしているのか、俺に知る術はない。第一、彼とは一度も顔を合わせた事がない。
しかし、今すぐ後ろにいるいとこよりも彼の名前を鮮明に覚えてしまっているのには、ちゃんとした理由がある。もしかすれば言うまでもないかもしれないが、その原因となっているのは、父方の親戚たちだ。
彼、彼女らは口を揃えて、「佑人のようにはなってはならないよ」と俺に対して何度も注意をしてきたのだ。特に祖父母の重圧は凄まじかった。勿論、俺には柔和な態度を取っていたが、父母にはこれでもかという程厳重に注意していたのを覚えている。
それが何故かと問われれば。彼、佑人について言ってみれば多少は分かる筈であろう。俺も聞いただけで実際に見たわけではないから、大見えを張って言うことは出来ない。取り敢えず親戚のものどもが口にしていたことを鵜呑みにして言えば、彼の性格は大層傍若無人であったらしい。
成績優秀でスポーツも割と出来て、医者の道を行くにはこの上ない人材だった。体力のない俺と比べてみても、彼の方が断然蘇芳家の跡取りとしては相応しかったであろう。
ある一点を除いては。
彼も父と同様に、医者というよりは学者肌だった。しかし、彼が研究していたのは医学に直結するようなものではなかった。寧ろ、その真反対、もっと言えば対立するような分野を研究していた。
オカルトの研究だ。
当然周囲は、何馬鹿な事をやっているのだと非難することだろう。実際、相当な非難を浴びせられたようだった。それでも懲りずに続け、彼は高校を卒業すると同時に姿を消した。恐らく、誰にも何も言われないところで研究を続けたかったのだろう。そういうわけで、蘇芳家の跡取りが俺の方へと移行してきたわけである。
それが八年前の話。俺が生まれるよりも以前の話だったというわけだ。俺が彼を知らないのも、無理はないのである。
しかし、だ。今後ろにいるもう一人のいとこは、当然のことながら彼の事を知っている。それなりに歳は離れているけれど、彼を兄として慕う程度には、自我は芽生えていた筈だ。否、芽生えていたのだろう。
今でも連絡を取り合うくらいには。
俺は図らずも口角を上げてしまった。首筋に熱気のようなものが近づいている事に気が付いたが、それ以上に、俺の好奇心をなめて貰っては困ると思った。
俺は勢いよく椅子から飛び降り、机に立てかけてあった黒い傘を手に取った。薫に持って行けと言われると同時に、手の届く範囲においておけと言われていたから、そこに立て掛けておいたのだ。
竹刀を持つようにしてその傘を構え、先端を少女の眼に向ける。彼女は驚くことも、怯えることもなく、ただ薄い唇を長く広げて俺を見据えるだけだった。
「その傘、護身用だったんだ。部屋に置いてあるからおかしいとは思ってたんだけど」
彼女は表情を変えずに言う。俺は傘を強く握りしめ、呼吸を整えた。
油断をしてはならない、第六感なるものがそう告げていた。俺が彼女よりも小さくひ弱である事も一つの理由であろうが、それよりもこの現状があの時一度だけ体験した、この世のものでないような空間に似通っていた、と言うのが一番の理由になるのだろう。
生唾を呑み込み、瞬きをするのも忘れて少女の視線に対抗する。しかし、彼女は余裕たっぷりの笑みを向け、優しく首を傾けた。ストレートの黒髪が、艶めかしく零れ、揺れ動く。
「……あれは諦めじゃなく、嫉妬だったのか」
「嫌だなぁ。嫉妬だなんて、そんな下等な。私はあんたを羨ましいって思ったんじゃない」
ははは、と乾いた声で笑う。それまで俺を虚ろに映していた彼女の瞳の中に、俄かに侮蔑の色が現れた。薄い唇を広げ、楽しそうに囁く。
「憎いって、思ったんだよ」
全身の身の毛が弥立つような思いがした。相手が母親の時も、得体の知れない「何か」であった時にも、このような事は起こらなかった。このどれにも共通して殺意なるものを読み取っていたにもかかわらず、俺が恐怖することなどなかったのだ。その代わりとでも言える好奇心が、恐らくそれらの感情を上回っていたせいなのだろう。
ならば何故、俺はこれほどまでに恐怖しているのか。
いつも以上に思考が速く回転する。速度が音速を通り越した際に発生する衝撃波のように、思考が思考を悉く滅茶苦茶に破壊して回る。
そのせいと言ってもいいのかは知れないが、俺の表情筋は弛緩していった。無表情に戻そうとするも、神経が上手く機能してくれなかった。
俺とは反対に、少女の表情は固まっていった。次第次第に、漆黒の瞳が血のような赤へと変色していく。俺は初め、充血しているのかと思った。そう誤解してしまう程、彼女は目を剥き出しにし、瞬くことを止めていたからだ。
だがそれが間違いである事を、この時の俺がどうして分かり得ようか。
「だから私は、あんたが嫌いなんだ」
彼女が普段よりも低温の声で呟くや否や、目にも留まらぬ速さで俺に襲い掛かってきた。俺が構えていた傘は無残にも薙ぎ払われ、先程仕留め損ねた俺の首筋を片手だけで掴む。その瞬間、俺は酸素の供給が途切れた感覚を味わった。彼女の指と爪が、容赦なく喉元の皮膚に食い込んでくる。俺の口から出てきたのは、残念なことに呻き声だけだった。
薄れゆく意識の中で、俺は必死になって少女の姿を見た。
口裂け女のように薄気味悪く開かれた口からは、およそ人間のものとは思われない鋭さを持った犬歯が覗いていた。日本人形のようにさらりとした黒髪の隙間からは、かっぴらいた瞳が――その虹彩は、色素を失ったかのように血の色だけを映し出している。
今目の前にいる彼女を表す言葉があるとすれば、最早あれしかないだろう。
悪魔。
若しくは、悪魔に魂を売った、何か。
俺は微笑を止めることが出来なかった。それが彼女の怒りを増幅させている事を知っていても、なお。さらに強められた圧力が首筋にかかってくる。俺は息を吸う事も、吐く事さえも、許されなかった。ただただ、苦しい思いをしなければならないだけだった。
せめて事切れる前に、と俺は思う。俺の中から、既に恐怖が払拭されていることは、確認するまでもなかった。寧ろ、それが手のひらを返したように好奇心へと転換し、俺の中でその感情が、恐怖以上に膨張しつつある事も分かっていた。俺の脳内を支配するそれは、ただ一つの事だけを切望していた。
俺が彼女に対して、恐怖を抱いてしまった理由が知りたい。
少女が俺を放り投げた。俺はされるがままに壁に激突する。背中と後頭部が強く打ちつけられ、圧迫された肺から最後の息が漏れ出た。気道が解放されたことにより、肺が酸素を求めるようにして呼吸を促す。
苦しさが和らいだところで、俺は顔を上げた。少女は変わらず悪魔のような佇まいをしている。首を絞められていた時には見えなかった体全体も、ここで漸く把握することが出来た。
彼女のか細い腕の一体どこに、俺を投げ飛ばすほどの力があるのだろうかと、そんな事は考えるまでもなかった。両腕の肘の辺りからが黒く変色しており、その先には、五本の鋭利な鉤爪揃っていた。俺はそんな化け物のような腕で首を掴まれていたのかと思うと、些か生きた心地がしなかった。同時に、それ以上の興味も抱いていた。
何と言っても。
彼女の背からは、闇色をした蝙蝠のような羽が生えていたからだ。
俺の好奇心をよそにして、少女は俺への攻撃を再開した。甚振るようにして俺の両頬を、肋を、腹を、横腹を、背を、殴り、蹴った。元来体力事には不向きな俺が、ドーピング的な作用を施した彼女に敵う筈もなかった。
殴られ、蹴られて、痛くない者はいないだろう。俺も同じく相当な痛みが脳内を支配しつつあったが、それでも好奇心なるものの勢力が衰えることはなかった。血を吐き、立てなくなっても尚、俺の口角は不敵に笑みを浮かべていた。
それが気に入らなかったのか、彼女は攻撃の手を強めた。俺が動けなくなっている事が分かっていても、無心になって暴力を振るい続けた。ここまでくると、さすがの俺でも限界が近づいてきていた。最初に首を絞められていたのも相まって、意識が揺らぎ始める。
最早何度目かになるか分からない回数蹴られた時、近くにあの黒い傘を見つけた。今更拾い上げたところでどうこうなるとも思わなかったが、俺の本能はそれを掴むことを選択したようだった。頭上から俺の行動を嘲笑う声が聞こえてくる。俺でさえも、自分で自分を嘲笑したかった。
死ぬ間際になって、俺が生を渇望していたことに気付くなどとは。
血みどろになった左手で、俺はその傘を掴んだ。出来る限りの握力を込め、立ち上がろうと奮起する。
刹那。
俺の手から、否、正確には手元から、ねっとりとした黒い煙のようなものが舞い上がった。それは一瞬にして部屋中に広がり、俺の視界を遮った。勿論、此処で何が起きたのか、俺が理解できたわけがない。ただ、それが黒い傘に付けられた、銀色のプレートら辺から出てきたことだけは把握できた。
それ以降の記憶は、俺の中には無い。




