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――夢のような薬が開発された。
服用すれば、身体能力を極限まで上昇させ、さらにその薬への適応率が高ければ体内のエネルギーを魔力に変換し、異能力を発現させることができる、といったものだ。
開発から約二十年が経過した。
薬は誰でも簡単に入手できるものとなり、様々な生活場面に取り込まれていった。医療や産業の技術も向上し、日本は非常に暮らしやすい国となった。長く続いた不況からも脱出し、海外からの移住者も激増。たちまち世界一の経済大国となった。
そんな変革の一つに、このようなものがあった。
身体能力が上昇した学生たちを戦わせるバトルトーナメント――『鳳龍杯』を開催する。
