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メリークリスマス!

作者: 雨月 照琵

いつか、このマフラーを彼に渡すことができたら


彼は私のことをちゃんと見てくれるだろうか・・・


女の子としてちゃんと見てくれるだろうか・・・



「うぅっ寒い〜」

そういうと加藤雫は手をこすり合わせる

吐いたため息は白い

「ちょっとこないだまであんなに暑かったのに・・・。」

青い冬の空を雫は見上げる、静かに目を閉じる

「クリスマスまでには告白したいなぁ」

そう言って、同じ部活の思い人を思い浮かべる・・・、少し前まではただの友達だと思っていた。雫もそう思い友として接してきた

だけど・・・・数ヶ月前・・・



「と・・・とどかないっ・・・・」

その日、雫は部活の片づけで棚に物を置いているところを綱木優治が見ていた

「ゆうちゃん?なぁに?」

棚に物を置き雫は優治のほうへ向き直る

「いや・・・、微笑ましいと思って」

「どうせ、私はチビですよっ」

雫は身長148cm、身長174cmある優治を見上げるような感じでみている

優治は微笑み雫の頭を撫でる

「女の子はちっちゃい方がかわいいよ」

「そ・・・かな・・・?」

横のほうから友人の相川香澄が口出ししてきた

「雫!そいつにだまされちゃだめよ!でも、高1で身長が150ないのもねぇ」

「香澄ちゃんまで・・・」

「でも、かわいいからよしっ」

香澄は雫をキュッと抱きしめる

「はぁ、この高さちょうどいいのよね」

雫は顔が赤くなったのを香澄で隠した





「誰に?」

本人である優治に話しかけられ、雫は飛び上がる

「きゃぁっ、びっくりしたぁ」

「・・・・・」

「な、なによ・・・」

優治はじっと雫を見つめて、通り過ぎる

「今日もちっちゃいなと思って」

もうっとため息をつき優治を追いかける

「で?誰に?」

「だっ誰でもいいじゃない」

「ふーん」

―あっぶないなぁ・・・。今度からは気をつけよ・・・




「ただいまぁ」

玄関を開けると、母が迎えてくれた

「あら、おかえりしーちゃん。毛糸買っておいたわよ」

「ありがと」

ふふっと母は少女のように笑った

「な、何?」

「男の子のためにマフラー編むなんて・・・。青春ね♪」

「うんっ、青春っていいね」

そういい残し、雫は階段を上って自分の部屋に入った

「よしっ、編むぞー」



そして、12月23日

雫はマフラーを見つめ、ため息をつく

―渡せたら、なんか変わるのかな・・・?

携帯を手に取り香澄に電話した


「もしもし?どうしたの?」

「かすみぃ、どうしよ〜?」

「どうしよって・・・。私が誘い出してあげるからしっかりやりなさいよ」

「うん、ありがと・・・」

「もしも、あんたを泣かせたら私が承知しないから。じゃあね」

「うん。また明日ね」

雫は、期待と不安をかかえて眠りについた


部室棟の裏に香澄に呼び出してもらうことにした

「で?話しって何?」

―急にどきどきしてきたぁ

後ろで持っているプレゼントを握り締める

「あのね、私ゆうちゃんのことがすきなの。だから・・・・」

続けようとしたら優治がくすくすと笑い始めた

「冗談だろ?まじめにどきどきしちゃったじゃねえか」

雫は目を見開く

「え・・・?あ、うん。冗談に決まってるじゃない」

涙を隠すように笑った

「はい、これ。どうせあんたにプレゼントあげる人なんて居ないんだから。あげる」

差し出したプレゼントを優治は受け取った

「さんきゅ。」

「うんじゃあ、またね。」

雫は早くその場から離れたくて走った

「〜〜〜〜〜〜っ」

涙が後から後から流れてきた、走ってきた雫に気付いた香澄が呼び止める

「雫!?どうしたの?だ・・・めだった?」

わけもわからず雫は香澄に抱きつく

「―――――――っ、冗談だろ?って言われちゃった・・・」

「何それ・・・。雫〜落ち込んじゃだめだよ男なんて星の数ほどいるんだから」

香澄は優しくなだめるように雫を撫でる

「うん・・・。」

「今日ちょっと用事があるから先に帰ってて。ごめんね」

そう言って、雫を離した、雫はうなずく

「うん、じゃあまたね」

雫と別れた香澄は優治のもとへと向かった

「あ、いた。おいっ綱木優治!」

「相川さん!?どうしたの?」

「冗談だろってどういうこと!?どんな思いで雫が告白したかわかる?」

「え?冗談じゃなかったの?」

「あたりまえじゃないっ、最低!冗談だったらプレゼントなんて渡さないわよ!」

香澄は一息して静かに続ける

「とにかく、ちゃんとあやまりなさいよ」

「わかった・・・・・」


雫は母親の声でおきた

「しーちゃん、起きてる?部下行かないの?」

泣いて腫れた眼をこする、心の痛みのように痛かった

「こんな顔で行きたくない・・・・。休む・・・」

母からは返事が来ないしばらくしてから

「そう・・・、わかったわ」

「部長には自分でメールしておく」

「ふぅ、しょうがないわねぇ。せめて朝ごはんは食べなさいよ。私はもう行くから」

布団のなかから返事をする

「はぁい」

母親が階段を下りたのを確認して、ため息をついた

「目ぇイタい・・・。あのあとそのまま寝ちゃったんだっけ?」

部長にメールしようと携帯を開くと香澄からメールが来ていた

「メール来てる・・・。昨日の10時じゃん」

とりあえず部長にとメールをうつ


体調が悪いんで今日は休みます


了解しました。自主練だし、気にせず休んでね


部長の優しさが胸に突き刺さる

「こんな顔だし、第一あいつに会いたくないし・・・」

会ったらまた泣いてしまう・・・そう思っていると携帯がなった

優治 着信中

雫は少しためらって電話に出た

『もしもし?加藤さん?』

「おはよう、どうしたの?」

『・・・・・昨日はごめん・・・・。』

「・・・・・」

『そのことで話しがあるんだ。今晩会えないかな?』

「いいけど・・・・」

『じゃあ、5時に迎えに行く』

「わかった、またあとでね」

『うん』

「・・・・部活がんばって」

『!? ありがとう』

電話をきって、ベッドから起き上がる

「話しってなんだろう・・・・。まぁいいや着替えよ」

約束の時間になり、玄関のチャイムが鳴る

「はーい。あら!?優治君?どうしたの?」

「いえ、ちょっと雫さんに用があって。借りてもいいですか?」

「えぇ、どうぞ。ちょっと待っててね。しーちゃーん。優治君が来たわよー」

雫はコートを羽織、部屋を出た

「おまたせ。」

優治はニッコリと笑った

「じゃあ、行こうか」

「うん。お母さん、行って来ます」

「いってらっしゃい。あんまり遅くならないでね」

家から出て、二人は歩き出した

「どこ行くの?」

黙っているのがイヤで雫は優治に話しかける

「ん?内緒」

「ふぅん・・・」

結局、それっきり黙ってしまい優治の目的の場所へついた

「・・・・綺麗・・・」

雫はほうっと感嘆の息をもらす。雫の目の前には無数の電飾で彩られたイルミネーションが輝いている

「だろ?」

そして、少し間をおいてから雫の目の前にたち。ふかくお辞儀をした

「ど、どうしたの?」

優治は顔を上げて申し訳なさそうな顔をした

「昨日はホントにごめん。あんまりにも急だったからあんな答えしか出来なくて」

「・・・・」

「でも、俺本当はお前のこと好きだったんだ・・・・。もう、遅いかな?」

雫は自分が泣いていることに気付かなかった

「加藤さん!?どうした?」

「え?」

頬に触れて初めて泣いているんだと気付いた

「わかんない。なんでだろ?うれしくてかなぁ?」

「じゃあ、OKってこと?」

優治がパッと顔を輝かせた、雫はうなずく

「そうだ、マフラーありがとう。すごくあったかいよ」

「よかった・・・」

「俺からもプレゼントあげなきゃなぁ。目閉じて」

言われたとおりに目を閉じる、冷たい優治の手が頬に触れあったかくてやわらかいものが雫の唇に触れる

「ん・・・・」

すこししてそれがはなれる、目を開けると優治が微笑んだ

「メリークリスマス」

白いものが視界に入る

「雪・・・?」

「ホワイトクリスマスだな」

「うん。最高のプレゼントだね」

そして、優治と顔をあわせて微笑んだ


「メリークリスマス!」

クリスマスにむけてぱぱっと仕上げてしまったものなんで、キスシーンとかべたですね・・・・。

お恥ずかしいです。


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― 新着の感想 ―
[一言] 作品拝見しました。 すいませんが展開が速すぎてどうにもついていけませんでした。 前ふりもなく「誰に?」ときても何を問いかけているのか… それとどこまでが数ヶ月前のお話なのかわからなかったので…
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