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最終話 終わりよければなんとやら




1950年、中国人タマリンは新天地を求め、息子のチョンミンとイランを訪れた。


タマリンは中国で事業に失敗し、イランで薬剤師としてやり直した。


しかし、仏経徒であるタマリンをイスラム教徒たちは迫害する。


勤めていた薬局は破壊され店主からお前のせいだとクビを言い渡される。


父はそれに怒り薬局に5人の人質とともに立て籠る。


父が立て籠ったことを知ったチョンミンは現場へ向かう。


すると観衆から疫病神と罵られリンチにあう。


しばらくすると父は人質をつれ外へ出てきた。


「私がお前らに何をした。俺はこの国に馴染みたかったのに、貴様らその権利まで奪うというのか」


それを聞いた観衆や警察は深く謝った。


その声を聞き、タマリンは銃を降ろした。


すると警察と観衆は笑い出した。


「騙されたな。お前らなんか死んだほうがいいんだ。」


観衆に横たわるチョンミンは捕まったタマリンとともに薬局の壁に立たされた。


「おまえらが死んでも何も世界は代わらない。むしろお前らみたいに余所者がここにこないようにみせしめにしなきゃな。」


警察と観衆や銃を抜き、まずタマリンを撃ち殺した。


イランの民を睨み付けるチョンミン。


チョンミンは自分の死を悟り父のポケットに入った薬を取りこう示した。


「俺はここで殺される。だから……おまえが俺らの代わりにこいつらを殺すんだ。そうだな。じわじわと苦しみながら中毒を持たせて殺すんだ。この裏切りものどもを……」


……理不尽で横暴な銃殺刑は二人の遺体と共に幕を閉じた。









1980年、中国のチュンキンにすむ、女子高生サラムはアルバイトで料理屋に勤めていた。


サラムは好きな男がいた。


それは同じアルバイトで働くカリルだ。


カリルはイケメンですごくモテる。


でもカリルに思いきって告白してみた。


まさかの付き合うことができた。


その後も付き合い続けたがカリルは心の闇を抱えはじめた。カリルの親が借金苦で自殺した。


「父と母が僕を置いて死んだ。僕は裏切られたと思った。良かったらあの世へ一緒に行ってくれないか」 


サラムは自分の理想とかけ離れたカリルに昔のように戻ってほしかった。


その想いを自分のノートに書いた。


(私と楽しい人生を過ごす)


それを書いた後カリルが前のように戻り、楽しい人生を過ごした。


しかしすぐにもとに戻る。


さらにノートに希望を書くとカリルはノートの通りになる。


そしてノートに11個目の願いを書こうとした時だった。


ノートを奪い取るカリル。


そこに書いてあることはすべて最近の自分に当てはまることだった。


カリルも不思議に思っていた。死のうと思ったのに急激に明るい気分になる。


不思議に想い、最近部屋にこもっているサラムを疑った。


「サラム……一緒に死んでくれると思ったのに……裏切り者め」


翌日、ある部屋から二人の刺殺体が見つかった。









オトとジンが呪いから解放されて1年後……  






ヒサシは仕事も順調だった。


父に紹介できる心の優しい女性とであった。


始めてあったのはかつて、知り合いが呪いにかけられたときにお見舞いにきていたのだ。


彼女は去年のミスハバネロ。


去年ミスコンを見に行ったが覚えてなかった。


彼女はとても謙虚で優しい。


本人は昔は性格が最悪だったと言っているがおそらく嘘だろう。そうは見えない。


口癖のように(あなたのことをマグロだと思ってない。あなたはイワシ。だからあなたが立ち直れなくてもイワシのためにがんばる)と言うのだが…………


例えがバカにしてるように聞こえるがすごく可愛くいいひとなんだ。


今度九州に帰るとき紹介しようと思ってる。


でも妙な例えだけは控えさせよう。






ダンベエは仕事を引退した。


息子の継がせようと思ったがあのバカは中目白で暮らすと聞きやしなかった。


代わりに懐かしい男が赴任してきた。


山内という、息子の親友だ。


なんでも、患者にモルヒネを大量に投与しようとしてる人がいたが、警察に連絡をしなかったことでちょっと居づらくなったらしい。


よくわからんが、内科医として頑張ってもらっている。


標準語も昔のように九州訛りに戻っている。


彼なら優しいし面白いから病院を任せても言いと思う。


別に外科医じゃなくても院長にはなれるんだ。彼には頑張って前例をつくってもらいたい。


でも……むちゃくちゃな薬を投与しようとしてる人の味方だけはするなよ。








ナカハルは彼氏ができた。


付き合って一年近いがとても優しくていい人だ。


父がマグロ漁師の癖でよく魚を例えに出してしまうのだが、それだけはやめてくれと言われた。


自分では可笑しいことは言ってないと思うんだけど。


……そんな話は置いといて、今私はミスハバネロの審査員として呼ばれた。


今回のミスコンにはなぜか演技力が追加された。


去年の審査員の一人が演技が好きだったらしい。


様々な演技を見てかつての挫折を思い出した。


ワタシは昔、演劇をしていた。そして大学3年の夏の演劇でヒロインを外され脇役さえもらえなかった。


もう気にしてはいないが、新しくヒロインを射止めたのは新入生だった。


たしか名前は……


(エントリーNo.20  山室夏目さんです)


え……うそ……


「ヤマムロナツメ!あんたヤマナツでしょ!?」







溝谷に子供ができた。


めちゃくちゃ嬉しい。


この子もいつか、オカルトを引き継いでもらいたい。


最近寂しかったんたよね。


仲の良かった同僚の先輩がついに学校辞めてお坊さんになっちゃったし、俺のことをライバルという科学者もウサコという芸人の彼女にフラレて落ち込んで外国へ消えちゃうし……


でも……これでもう寂しくない……


今は科学教師として頑張るけど、いつか俺も母親を追ってビザレ堂を見つけてやる。


そしてそこから母親を連れ戻すんだ……







喫茶店アポロ。


店長は店じまいをしていた。


そこに会いたくはない人が来た。


「由美子さん……まさか……また引っ越し?」


「そうだよヨシトミ。1年前にチョンミンがバカ息子のせいで成仏させられるはエタナレノートは燃やされるわ最悪だ。その後も何人かに売ってやったけど……なんか面白くねえんだ。ドラマがないというか。」


「ドラマ?」


「いいから身仕度しろ!」


「由美子さん、僕いつ解放されるんですか?」


「知るかよ。バンパイオーラをおまえが解放するからだろ。しがない珈琲屋がナルモンスを使えるわけないんだ。あれのせいで解放できなくなったんだよ。」


「わかりますけど……もう少し長く珈琲作りたかったな……」


「心配すんな。あちこち旅すりゃ見つかるよ。バンパイオーラが寄生した人間がさ。」








牛舎村の中に演劇場ができた。


その名も〈動物たちのマスカレード〉


ここの名物はダンシングウーシーのタンタンとウネウネの親子。


そしてそれを率いてる演技クイーンの水雷神オト。


毎日のように開き、いつも満員御礼だ。


かつて色々な動画で驚異の再生回数を叩き出した。

 

それのお陰かテレビ出演が重なり、その収入でこの演劇場を立てた。


まあ、テレビに出たのはほとんどダンナなんだけど。


私は……おなかがこれだから。


でもすごく幸せ。


演劇の世界に身を投げれるのも、ここに嫁いだお陰だもの。一生ここから離れない!








牛舎村の古民家。


かつては人の家だったが、それを貰い僕ら夫婦で住んでいる。


先代のムンさんこと中山ムネジは半年前に亡くなり、僕がここを継いでくれたことを喜んでくれた。


向こうで奥さんと娘さんと仲良くやってよね。



……この牛舎村に演劇場を作ってから沢山のスタッフが来てくれた。


おかけで買っている牛や馬も増えた。


ここを亡くさないですみそうだ。



……その時、スタッフのタカシとナギコがきた。


タカシはなにか封筒を持ってきた。


郵便をもってきてくれたみたいだ。


封筒をあけると……マジかよ。


「ついにきたー!!俺の作品が(ナイス推理賞)取ったんだ!!」


この作品は我ながら傑作だ。


内容は1年以上前から書いていたもので(この子はいつもおもちゃで遊んでいるから)のところに大きな秘密があるんだ。それは……まあいいや。


もう一人のナギコはジンが喜んでいるのをただただ見ていた。


ジンはゴホンと一息つくと用件を聞いた。


「……オトさんが破水してます……」




           終


























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