表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワールド・ステージ  作者: 桐島 海
7/7

第一章 2―2

カインは、このボス戦攻略会議を開いた本人とデュエルをして見事に勝った。

「これで、俺の実力が分かってくれたか?」

「ああ……それより、なんだあの武器は」

「……ヴァルキリーソード。特殊クエストの報酬だよ」

「特殊クエストだと!?」

特殊クエストの報酬は、さまざまだ。

一つ目は、武器。

特殊クエストで手に入れた武器は、強烈だ。

それはさっき、デュエルで判明した。

二つ目は防具。

この防具も武器同様、強烈なはずだ。

最後に、スキル、又はアビリティ。

特殊クエストで手に入れたスキルやアビリティはさぞ、強烈だかなんだか。

以上、この三つが特殊クエストの報酬だ。

「特殊クエストか……それは強いわ……と、いうことは、戦ったのか」

「ああ……」

この特殊クエストは、最後に必ず大型モンスターと戦わなくてはならない。

それがあのナイト・オブ・モンスターだ。

他にもたくさんいるみたいだが、例にあげるならコイツだ。

「戦ったからわかるのか……聞かせてくれ、お前の意見を」

「わかった……簡潔に言うとだな――」

それから、カインはナイト・オブ・モンスターとの戦いのことを話した。

「なるほど……直撃で四割も……」

「そうなんだ……だから、ボス戦は、もっと強いと思う。ダメージも直撃で八割くらい行くんじゃないかと……」

「わかった……まずは防具を整えながらボス部屋を見つけよう……全員、解散!」

広場にいた人たちは解散した。

「それにしても……よくそんなやつを二人で倒せたな」

「お陰で二十個くらい買ったポーションがパーだけどな」

あの戦いでポーションがすべて消費されてしまったので、後で買いに行かなければ……金には困ってないけど。

「それより、君たちには先にボス部屋を探してもらいたい」

「なんで俺たちなんだ?」

「君たちは強いからな。ボス部屋までは、そこそこ強いモンスターが出るだろう」

「だから、アイツを倒した俺たちに……か」

確かに、この島の広さでまだ、三割ほどしか探索されていない。

まだ未知の場所に行くなら強い方がいいってことだ。

「こっちも防具を整えたいんですけど……」

「そうだな、ルナ言う通りこっちも防具が……ん?」

「どうしたの?」

「……たしか、クエストリストに……」

カインはなんかぶつぶつと言い始めた。

「……それ、受けるわ」

「えっ!?どうして?」

「クエストリストに何個か防具があったからな。ボス部屋探しのついでにやるかと思って」

「そういうことね……」

「つー、わけで、ボス部屋は、俺たちが探す。そっちは防具を整え、レベルを上げててくれ」

「わかったが……君たちはレベル上げをしなくていいのか?」

「?あれ知らないの?ルナはレベル7、俺は10。それに探索中に上がるだろ」

会議を開いた本人は驚いていた。

自分のレベルは高いと思っていた。

だが、カインのレベルは、自分の倍あるのだ。

デュエルでヴァルキリーソードを使わなくとも自分には勝てたということを思い知った。

「当分は、ステータスアップのやつ取るかー」

「私も貯まってるから何か取ろーっと」

二人はまず、商店街に向かった。

特殊クエストのせいで、アイテムが消費されたからだ。

「金、どんくらい?」

「んーっと……一万くらいかな」

「一万か……ポーションを二十個くらい買っとけ。あと、防具を買うぞ」

「クエストで手に入れるんじゃ……」

「鎧と籠手だからな。他は買う」

道具屋でルナはポーション二十個、カインは三十個買ったせいでポーションは売り切れになった。

ちなみにポーションの持ち歩き可能限界個数は三十個だ。

次に、防具屋に行き、靴とズボン、そして腰を買った。

防具は全部で六種類ある。

鎧 籠手 腰 ズボン 靴 そして盾だ。

何故か、このゲームは、兜がない。

盾は二人とも装備しないので買わない。

あと、盾を装備しても防御力は上がらない。

ただ、敵の攻撃が防げるだけだ。

防御するなら、剣よりましだ。

「買うもん買ったし……あとは、クエストか」

二人はクエスト館に向かいクエストを二つ受けた。

二つとも、討伐クエストだ。

討伐対象はビービートルとキラーウルフ。

ビービートルのほうはいいのだが、問題はキラーウルフだ。

キラーウルフは攻撃力が高くすばしっこい。

それに、三〜四匹まとまってるため非常にキツイ。

「さて、行くか」

「まずは……北に向かう?」

「んー?」

カインはルナが広げている地図を見た。

「……一番北にあるこれが気になるな」

遺跡迷宮。

集めた情報によると、遺跡迷宮は、遺跡の中が迷宮になってるらしい。

なんとも、その奥には何かがあるとか……

「何があるか気になるし、そこ行くか」

「あっ……その前にクエスト」

「……そうだったな……」

完全に忘れていたようだ。

「まずはクエスト!遺跡は、そん次!」

二人は町を出て、北に向かった。



森は、やはり危険だ。

最も迷いやすい場所は、森だろう。

なので――

「うー……ん……またか」

「えーっ……と……?」

「迷った!」

カインはまた迷った。

二回目である。

「また……なの?」

「うん、また」

「………………」

あきれた顔された。

「とりあえず……どうする?」

「うーん……あっ」

「…………?……あっ」

「「地図!」」

そこには地図の存在を完全に忘れていた二人の姿があった。(俺たちなんだが……)

「これがあったじゃないか!」

「これがあったわ!」

二人は地図を広げた。

マップエラー。

地図が表示されない。

「……とりあえず、行くか……」

森の探索を続けた。

モンスターが出てこないはずはなく、ちょくちょく倒しながら進んでいく。

「この辺は楽だな……となると……さらに奥か……」

探索を続ける。

早くゲームから出るため。

一時間、一分、一秒でも早く出るために。

「腹へったな……飯にでもすっか」

二人は近くの木陰に腰を下ろした。

カインは、アイテム画面からパンを取りだしルナに手渡す。

「ありがと。このパン、ゲームなのに美味しいのよね〜」

ルナは貰ってすぐにかぶりつく。

見た目がハムスターみたいだった。

……ひまわりの種を与えたら食べるかな?と考えるが、後で殺されると思いやめた。

「……蜂……いねえな……」

「なんだっけ?ビービートルだっけ?」

「虫なのか蜂なのかわかんねえやつだよな」

虫ではなく、カブトムシである。

その事をまだ、二人は気づいていないほどバカだった。

「何匹倒せばいいの?」

「十匹だ。十匹倒せばクエストクリア」

「十匹……って……多い?」

「さあな……少なからず、新しいクエストだったからそこそこ強いんじゃないか?あいつらにとっては」

あいつらとは、攻略会議にいた人たちだ。

あのなかで一番レベルが高かったのは、会議を開いた本人、名前は、たしかクラフト……だったはずだ。

何を手工芸するのか知らないが。

そのクラフトが5くらいで、みんなは4とか3だった。

「ま、それにしても、十匹だ。全部倒せばレベル1くらい上がるだろ」

「そうだね。全然いないけど」

「……あっ、なぁルナ、索適スキルは今何レベ?」

「えーと……3かな……」

「ちょっと使ってみてくれないか?」

「……?わかった」

そう言ってルナは、索適スキルを使った。

「……あの大群は……なに?」

「やっぱりいたか……」

「やっぱりって?」

「この辺、蜜の臭いがするんだよ。だから」

「あぁ〜確かにするね」

「んで、お前に頼んだわけ。俺も索適スキル上げないとかなー」

索適スキルは便利である。

遠くが見えるし、そこにモンスターがいれば、何のモンスターかも分かる。

「早速やるぞ。あの数だからな、ソードスキルで何匹か蹴散らすからフォロー頼む」

「了解!」

ルナはパンを食べながら剣を抜いた。

「……まだ食ってたのか」

「……ゴクン。今、食べ終わったとこ!」

「まぁいい……行くぞ」

二人は駆け出し、蜂の駆除に向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ