表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

第四話 お父様の魔術講座・父視点

結構書いていた原稿を消してしまった時のあの絶望感・・・。

四年近く前、私に子供ができた。


妻マリアによく似た、それはもう可愛い可愛い女の子だ。


娘は変わった子だ。


赤子の頃には、あまり泣かない変わりによく声を出していた。いや、声を出す練習と言った方がいいかな。


そしてはいはいができるようになるとすぐに壁を持って立つ練習を始めた。


私たちの様に喋ったり歩いたりできるようになりたいのだろう思う。無理ばかりするものだから本音を言うと辞めさせたかったけど、過保護になるのもよくないし何も言わないで見守っていた。


そのかいあってか普通よりも早くにできるようになっていた。


この時期に喋ったり歩いたりできる子供は殆どいないという話しをすると、私の両親はレインを天才と持て囃し、マリアもこの子は特別な子かもしれないと言った。


天才と言われた時のレインの表情は、微笑んではいるのだがあまり嬉しそうではなかった。


教えたことなどないというのに、まるで天才という言葉の意味を理解しているかのような、実に子供らしからぬ反応だった。


私が初めてレインに違和感を覚えたのはその時だ。


二度目は彼女が単語だけではなく文章で話すようになった時。


それは、つっかえながらではあるが敬語だった。


普通ならいつも一緒にいるマリア、もしくは私の口調を真似るだろう。


しかし、私も彼女も普段敬語は話さない。


この家で敬語を話すのは、一人だけ雇っているメイドだけ。しかも彼女は無口で殆ど口を開かない。


つまりレインが敬語を聞くことの出来る機会は殆ど無かったはずだ。


にもかかわらず、レインは片言とはいえ正しい敬語を使って見せた。


その日から、私はレインが本当にただの子供とは思えなくなった。


そして三年目に入ってから、私の母親が急に家に押しかけて来てレインに貴族としての習い事をさせるように言ってきた。


天才だから今から習わせても大丈夫だろうと思ったらしい。私はその理屈がよく分からなかった。


そして毎日礼儀作法の先生やら社交ダンスの先生やらたくさん先生がくるようになった。


どの授業も失敗ばかりとはいえ、きちん先生の言われたとおりのことをしていた。


レインにとっては初めて目にするものばかりのものだというのに、まるで既に何度も見たことがあるかのような反応ばかりだった。


礼儀作法に至っては完璧だ。


一回の授業でそこいらの貴族の大人よりよっぽど礼儀正しくなった。


母は、礼儀作法には驚きを隠せないようだったけど、他のものでは見るからに落胆していた。


あれ以上の何を求めるのだろう。


そして最近では、レインはマリアと一緒に本を読むようになった。


でも、この子は学ばなくてももう知っている気がする。


現に、一度だけ読み聞かせてもらっただけの本をほぼ完璧に音読している。


マリアは全く気にしていないようだが。


せいぜい偉いと褒める位かな。


そういえばレインは魔法のことは知っているのだろうか。


前にレインが頭を怪我したとき、流石にこれは治さないととマリアが治癒魔法を使ったのだけど、全驚いたりこれは何かと尋ねてきたり全くしなかった。


最近レインとあまり会話もしていないし、いい機会だ、色々確かめてみよう。


「レイン、魔法を覚えてみるきは無いかい?」


レインに何かを教えてみたいという気持ちも多少あるし。


この子に教えられることなどないかもしれないけど。


「教えて頂けるのですか、お父様」


満面の笑で答えてくれた。


やはり知っていたか。


魔法という言葉自体彼女も前で発した覚えはない。


本で知ったという可能性もあるけど、彼女が現時点で読んだことのある本の中に魔法という単語は一切でてこない。


マリアは魔法教育は私に一任しているので、彼女の性格上教えたとは考えられない。


とりあえずカマをかけてみることにしよう。


「では、外に出ようか。魔法は家の中で使ったら危ないからね」


森の中のあの木の開けた場所でいいかな。




「レイン、取り敢えず魔法についてはどの位知ってる?」


「えっと・・・。空中に魔法陣を描く・・・ことくらいです。あ、後何か呪文を唱えたり?」

マリアの治癒魔法を思い出しているのだろう。


やっぱりあれを魔法と認識していたか。


元から知っていたということだろうか。


「そうだね、概ね正解だよ。厳密には魔力を使って描くんだ。呪文はただ想像力や集中力を高めたり気合を入れたりするためだけだから、人によって違うし無くても問題ない。と言っても、呪文なしで魔法を発動出来る人なんて王様の護衛レベルじゃないとお目にかかれないくらい珍しいんだけどね。本当、彼らは天才だよ」


一度共闘した時のことを思い出す。


私も限りなく無詠唱に近いことは出来るのだが、流石に完全には無理だ。


それができる彼らを私は尊敬している。


それでも、このレインのほうが凄い気がする。


何となく思うのだが、この子はもうすでに魔法を使えるのではないだろうか。


ふとした時、一瞬だけ彼女から底の見えない程の魔力を感じることがある。


驚いて彼女の方を見ても微笑んでいるだけで何を考えているかさっぱりわからないけれど。


「お父様、魔力で魔法陣を描くとは、厳密にはどのようにして行なうのでしょうか?」


あれ、知らないのか。


それとも知らない振りをしているだけなのか。


・・・少し試してみるか。


「いい質問だね。まずは魔力をこんな風に指先に込めて・・・」


言いながら魔法を実践する。


大きめの攻撃魔法で木々を燃やすとどういう反応をするだろう。


「それからこの指で図形を描くんだ。正確に描かないと威力が弱まったり発動しなかったりするんだよ。そうなると、描くために使った魔力が無駄になってしまうから気をつけてね」


ゆっくり丁寧に描く。


私は魔力は多いが魔法陣を描くのが遅い後衛タイプだ。


個人で戦うと魔法を使う前にやられてしまう。


やっと魔法陣が完成し呪文を唱える。


「ファイヤー」


魔法陣から発射された炎は凄い勢いで木に向かってき、ぶつかると大爆発を起こした。


爆風で身体が軽いレインは簡単に吹き飛ばされ、後ろの木にぶつかった。


・・・少しやりすぎたかかな?


私は治癒魔法が苦手なんだけど仕方がない。


と思っていたら、いつの間にかレインの傷がきれいさっぱりなくななっていた。


魔法を使ったのだろうか。


けれど、彼女が魔法を使った気配などなかった。


そのままレインは何事もなかったかのように立ち上がった。


「どうするのですか? お父様」


もう一度彼女に魔法を使わせてみよう。


「私は水魔法が苦手なんだ」


まあ嘘なんだけど。


苦手でもないけど得意でもない。


破壊力はそれなりにあるけれど魔法陣を描くのに時間がかかりすぎる。


完成する頃には森の3分の1程度が火の海になっていることだろう。


「ふう・・・」


レインが溜息をついた。


私に呆れたのかと思ったけど、どうやら自分を落ち着けるためだったらしい。


こんなレインの顔を見たのは初めてだ。


驚いて見ていると、一瞬レインの前に魔法陣が見えた気がした。


刹那。


彼女から洪水のように溢れ出て、あっという間に私の魔法を消し去ってしまった。


・・・いったい、何をしたのだろうか。


今のは本当に魔法なのだろうか。


私は魔法使いとして決して弱い方ではない。


魔法の規模や攻撃力だけでいえば国のトップレベルだったりする。


それを彼女は何でもないことかのように消してみせた。



やはり、この子は普通ではない。




なんかお父さんが凄い人になってる・・・Σ(ー□ー;)こんなはずじゃあなかったのに・・・。そしておばあちゃんが嫌な感じに・・・。お母さんはなんかアホな子www ってか主人公もアホの子っぽく・・・。

キャラが濃くない人たちって書きにくいな。主人公にしても。ぶれまくる。

そのうちすごく濃い子を出す予定。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ