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ふしぎな、ふしぎな。

作者: アーク
掲載日:2026/02/23

我が家に起きた不思議な体験談

『我が家は、遡れば神職の家系なのだ』


お父さんの親族は、それはそれは由緒正しい家系なのだと誇っていたけれど。我が家は分家も分家、神職の「し」の字も付かない仕事をしていた。


私が知る限りでは、曽祖父は旧日本帝国陸軍の軍人だったし、おじいちゃんは漁師でおじさんは土木系の仕事をしていたと記憶している。

お父さんは、道路にある縁石とかを作る仕事だったかな。


小さい時に住んでいた家は、元々お父さんの個人部屋だったものに居間をひとつと台所と風呂が同じ場所にあると言う謎空間を付け足した掘っ立て小屋に毛が生えた程度の家で、夏は風通しが悪いせいで扇風機を回しても生ぬるい風しかこなくて暑かったし、冬は毛布や掛け布団を5、6枚被って漸く寒さを凌げる様な感じだった。


せめてエアコンでもあれば、少しは違ったかもしれないけれど。お父さんは稼いだお金を下戸で禄に呑めない癖に好きなお酒に使ったり、「息抜き」と言って賭博(ギャンブル)に使っていたので、我が家にそんな余裕は無かった。


案の定、体調を崩した事は何度かある。


夏場に、現代なら「重度の熱中症」と言われる症状で40℃以上の高熱を出して入院したり、冬にはインフルに罹って5人家族のうち3人がダウンしたり。


それが一般的な家庭だと思っていたので、当時はそんなに気にした事は無かったりする。


さて。


そんな神職の「し」の字とも無縁な我が家ではあるが、偶に。


たまーに、不思議な経験をする事があった。


まず、お父さん。


まだお母さんとふたりだった頃、青い顔で夜に飛び起きたので、どうしたのか、と聞くと


「同僚が夢に出て来た」


と言ったそうだ。


それくらいで?と思ったが、小さい頃、お父さんから


「亡くなる前の人間は影が薄くなる。色が抜けて見える」


と言った感じの話を聞いた覚えがある。尚、お母さんからどうしてお父さんが同僚が夢に出て来て怯えたのか、と聞いたところ


―――前日に、その同僚は自ら人生に幕を下ろした、と言う事だった。


お父さんは、亡くなった同僚に助けを求められたのかもしれない。


そんなお父さんはまだ私が学生の頃に事故で亡くなっていたりするんだが、亡くなる半年程前、


「夢を見た。自分は先が長くないと思う」


とお母さんに言っていたと、後から聞いた。


次に、お兄ちゃん。


お兄ちゃんは何を思ったのか深夜、海に出掛けたらしい。我が家は目の前に海があったもので、休日に遊ぶ、と言ったら専ら海で「イイ感じの枝」を拾って冒険ごっこやチャンバラをしていた。


その日、お兄ちゃんは深夜の海でおばあさんを見たらしい。


ひとつ言うと、我が家の隣りに住む老人、となれば私達が小さい時におばあちゃんに先立たれたおじいちゃんだけ。


ご近所の誰か、とも一瞬思ったけど


「発光するババァは人間じゃない」


とはお兄ちゃんの談。


懐中電灯を持っていたのかも、LEDライトが、と言う人の為に説明すると、当時は平成中期。


海のおばあさんは体の内側から青白く発光していたらしい。


まあ、怪異でも、人間でも、深夜の海を徘徊するおばあさんは怖いし、そもそも、深夜の海に行こうと考えたお兄ちゃんも怖い。


それから、私。


あれは、小学校に上がってすぐ、だったかな。


入学してからはじめての下校で、通学班の班長と副班長に連れられて、家まで残り僅かなところまで着いて来て貰っていた。


「ここまでくれば、ひとりでも大丈夫だね」


「うん!」と私は元気良く返事をした。我が家に入るにはちょっとした坂道がある。坂道を登った先に、おじいちゃんの家と我が家が並んで建っている。


るんるんで坂道を登ろうとした私。


「ギャアァァァァァ!!」


坂道の中腹をゆっくりと、白く光っている大蛇がするすると動いていた。


ただ、悲鳴を聞き付けて様子を見に来た上級生の目にはその大蛇は見えなかったらしい。


私の話で他にあるのは、夜中にお手洗いに行こうと目を開けた時に、ザンバラ頭にボロ布の服、伸び放題の髭をした謎のおじいさんと目があった事だろうか。


不審者かもしれない?…不審者ね、目が合った瞬間に霞を掻き消すみたいに消えたりはしないんだよ。


怖い体験をした時は、取り敢えずお母さんの傍に行った記憶がある。


ウチのお母さんは、複数の占い師から


「いるだけで大抵追い祓う」


体質らしい。無意識に、「お母さんといれば安全だ」と理解していたのかもしれない。


私とお父さんで共通した体験は、夜になると我が家の周りをくるくると回る足音が聞こえていた事。


―――我が家の周り、背丈程ある草が生い茂っていて、人間が歩くスペースなんて無いんだけどな。


「煩いよなあ、あのおっさん…」


と、お父さんも私も思っていたけど。




―――私も、お父さんも、足音の主は見た事無いんだよね…


どうして「おっさん」と断定出来たのかは、今も分かっていない。

幼少期のお母さん

「子供会で参加した肝試しで、あそこの木の下にいた女の人が一番怖かったー!!(半数程同じ事を言った児童がいる)」

大人達

「そこ、誰も配置してないんだけど…」

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