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Gaillardia・Coral   作者: 海花
花の国
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◆薔薇の国、ロッゼンティへの道中③

「紅夜の日……?」


「ダンジョン崩壊の警戒令が出て冒険者が日の出と共に打って出て騎士団が護衛する住民の避難を行う時間を稼ぐ決死の作戦決行寸前の夜に突然空が紅色に輝いてダンジョンがあったはずの場所が更地になって起こるはずだった魔物の大侵攻(モンスターパレード)は影も形もなくなってた。みたいな話でダンジョン崩壊自体がデマだったって説が有力ですが、実は秘密裏に処理した奴がいるって話が都市伝説として語られて来たはずです?

まさか、マジの話だとは思わなかったですが、それが【黒月の女王】だって言うんです……?」


キョトンと首を傾げるナツに自分が聞いた話を口にしつつライムに確認するように問いかけるゐぬにライムは肯定するように頷いてからさらに重ねる。


「正確には漆黒ディービィがひとりでやらかした。ですが、概ねその通りです」


「ど、どういうこと……?」


ライムの言葉に魔物の大侵攻(モンスターパレード)はかなりやばい。と言う知識はあるナツが訳が分からないよ。とばかりに首を傾げる。


「その街で楽しみにしてたお菓子が買えなくなって怒り狂った漆黒ディービィが有り余る魔力で戦術級魔法を乱発しながら暴れ回った結果ですね。

私と琥珀アンブルの2人がかりで街への余波を防いだ結果、拡散しなかった漆黒ディービィの魔力で空があんなに禍々しくなってしまった、という訳です」


「都市伝説の真相はお菓子が買えなくて癇癪を起こした魔法使いの仕業、ってコト……っ!?」


ライムの説明を聞いたキーがドン引きしつつも場を和ませようと一時期流行ったアニメの口調を模倣するが場は和むどころか、癇癪で都市伝説級の異常事態を引き起こした自分達に会いたくないと言う魔法使いにこれから会いに行くんだよな、と言う絶望感でお葬式のような重苦しい空気が馬車内に充満する。


「あー……言いにくいのですが、ロッゼンティ領主館が見えてきましたよ」


馬車の中の空気に若干気まずそうにしつつ、《黎明の黒翼》のガリウスが声をかければ逃げるようにナツが外に顔を出す。


「……あれ?」


そして目に映った違和感に首を傾げる。


「どうした、勇者?」


「……なんか、あの辺だけ普通……?」


ナツの反応に不思議に思ったセンも反対側から顔を出して外を見る。

そしてキーとゐぬも顔を出してライム以外の全員が外の景色へ目を向ける。

示された進行先には石畳などこそないが、きちんと踏み固められた道が存在し、荒地となり、隠れられるような障害物の無かったこれまでの道と異なり、それなりに手入れされた生垣の緑や、人が問題なく住めそうな建物が無事に残っている。

まるでそこだけ世界から切り離されて居るかのように、戦争の最前線とは思えない程に"普通の村"があり、その向こうに影のように真っ黒く、他よりも大きな屋敷が見える。

普通であるが故に異様な空間にどういう事。と言いたげな顔で外を見る面々はそれぞれに顔を見合わせる。


「……壊す以外もできたんですねぇ」


皆の様子に後から外を覗いたライムが成程。と納得げに頷いた後に意外そうな顔で呟いた。

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