◆フロッティーナハイル、王城最寄りの教会①
「……これは……」
「想定より酷いですね……」
センやキー、騎士団も合流し、配給の決定している食料や医療品を馬車に乗せ、手始めに訪れた1番マシだという王城最寄りの教会の戸を叩いたガリウスとライムは何日も体を洗われていない人間の汗や皮脂の酸っぱいような臭いに、血の鉄のような生臭さ、傷口が化膿して腐りかけているようなすえた臭いが混ざり合い思わず胃の中身がせり上ってくるような臭いに顔を顰める。
「……また、怪我人ですか……?」
戸が開くとより強くなる匂いの向こうから疲れ切りバサバサの艶のない髪も適当に纏め、薄汚れた肌と目の下に濃いクマを作ったくたびれた女性が覇気のない声とともに光のない瞳でライム達を見る。
「もう、寝かせる所なんて……」
「いえ、今日は慰問と食料や医療品の配給に伺いました、怪我人も病人も居ませんよ」
目を伏せた女性に同情気味な顔を浮かべたガリウスがそう告げるとえ、と驚いたような顔でガリウスを見上げた薄汚れた白衣の女性の疲れきった瞳が聞き間違いかな、と言うような顔でガリウスを見つめ返す。
「勇者様一行が手配して下さったのです、私達はもう少し命を長らえる事が出来そうですよ、ユフィー!」
「王女殿下……!」
ライムとガリウスの後ろから顔を覗かせたサン王女の言葉にユフィーと呼ばれた疲れきった女性は大きく目を見開き慌てて臣下の礼を取るがすぐに、楽にして。と言うサン王女の言葉に、どういう事ですか……?と問いかける。
「ローゾッドの北東に位置するロッゼンティの黒薔薇の館の主人である私の古い友人に魔王討伐の旅のお願いする道中に立ち寄らせていただいたのですが、昨日慰問した我々の勇者様がこの国の現状に酷く心を痛め、伝手を使ってこちらの国で保管されていた種子のオイルを1瓶でこちらに物資を融通してくださったの
今、城のみんなてんてこ舞いよ」
臣下の薄汚れた元は白く美しかった頬を労わるように撫でたサン王女の茶化すような笑顔に見開いた目からポロリと1粒の涙がユフィーの頬を転がり落ちる。
「頑張りましたね、ありがとう。
ユフィー、貴女は私の自慢で誇りよ
最大の友達で、最高の侍女だわ、今日までよく耐えてくれました……!」
本当に苦労をかけてしまった、とくたびれ果ててしまったサン王女の侍女であったユフィーをめいいっぱい背伸びして力いっぱい抱き締めたサン王女も感極まったように涙ぐんだ声に許されたようにユフィーは膝から崩れ落ち、共に膝をつくサン王女と抱き合って2人して子供のようにわんわんと泣き出した。
突然来た晩秋に相方共々風邪引きました。
読者の皆さんは夜は十分に暖かくして寝てください(´・ω・`)




