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Gaillardia・Coral   作者: 海花
花の国
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◆フルール連合国⑪

「あの、漆黒ディービィ様の国、と言うのは……?このあたりは花の国、フルール連合国の1つフロッティーナハイルの支配域のはずですが……?」


ガリウスの質問にライムが一瞬首を傾げたあとあぁ。と言うように手を打つ。


「国、と言っても公式に地図に載るような国境などではなく魔法使いが自分の魔力を馴染ませて広げている縄張りの事です。

大抵は居城や工房……普段長くいる場所を中心にその土地の魔力と自分の魔力を混ぜて縄張りとします」


「たしか漆黒ディービィ様の居城はローゾッドのさらに北部にある地方都市カーリアガンバフローではありませんでしたか?」


ライムの説明にますます混乱したように眉間に皺を寄せるガリウスが唸るように確認すればそうですよ。とライムが何が分からないんだろうか?という顔でそうですと頷く。


「ここまで漆黒ディービィ様の国だと言うなら小国群とは言え数国分を縄張りとしている、という事ですか……?」


「さっきからそう言ってますが……?」


若干顔色の悪くなってきたガリウスにライムがキョトンとした顔を浮かべる。


「……あの、参考までに一般的な魔法使いの方でその、国とやらはどれくらいの範囲で持ってますか……?」


「えーっと……集団で戦ったりするので個で国を持つ魔法使いや魔術師はかなり減ってますけど……一般的には大きめの屋敷、まぁ、自分の私有地ですね、その分程度あれば普通の魔法使い、と言っても差し支えないと思います。

古くから土地に根付き、領主等に抱えられてる優秀な魔法使いでも街一つ程度でしょうか……?」


ガリウスの質問に基準と言ってもピンキリですからねぇ。と言いたげな顔で答えるライムにそれが数国分……とガリウスが呆然と呟く。


「だから同じ金剛級でも一緒にしないでください、って言ったじゃないですか。

漆黒ディービィと一緒にしないでくださいって。

文字通りアレは規格外なんですよ、1部の魔法使い達には人の皮を被った古龍なんじゃないか、なんて言われてますからね」


自分も一般的な魔法使いから見れば十分な規格外である事を棚に上げたライムのセリフに古龍レベル……と呟いたガリウスは漆黒ディービィの居城であるカーリアガンバフローのある方向を畏怖の念の籠った瞳で見据える。


「とんでもない化け物クラスの魔法使いを見て魔法の心得のあるキーさん達はあの顔ですよ。

過保護なまでに手助けされたはずのナツ達は全く気付いてませんけど……

それから先程現れた魔狼も漆黒ディービィの使い魔です、魔狼があの鹿とかの獲物をこちらに追い立ててこちらが捕まえるのを確認して立ち去ってましたし、漆黒ディービィの魔力印も確認しました」


「魔物って高位の魔物使い《テイマー》以外に使役できましたっけ……?そもそも群れの使役なんて聞いたことありませんよ……」


アレに常識なんて通じませんよ、と肩を竦めたライムにそうですか、と肩を落とすように溜息をついたガリウスにちょうど馬で周辺を走ってきたジルとソマリが異常ありませんでした!と報告に現れる。


「……漆黒ディービィ様は本当に人間の味方なんでしょうか」


「あの子はあの子の味方であってそれ以外の誰のの味方でもありませんよ」


違ったら困るなぁっと言う顔のガリウスにライムは何言ってるんですか、と呆れたような顔を向けた。




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