◆首都コービィへ
「ところで、どうして首都に向かうのですか?」
センの両親を説き伏せて、というより強引に押し切ったセンと言っても聞かないだろうからせめて危険がないように見てなさい。と両親に言い含められたキーの2人がナツとライムに次の行き先としてコードウィガルド王国の首都コービィへ向かう事を提案してきたのは出立の前日。
特に明確な目的地のない2人は二つ返事で了承したが、馬車を拾う為の道中ふと気になったらしいライムがセンに話を振る。
後方でナツとキーがゲームの話で盛り上がっているのか時折楽しそうな笑い声が響いている。
「んー……、冒険者達に何か魔王について知らないか聞いたんだけど全然いい情報がなくって。
その代わり、コービィに腕のいい情報屋が居るからその人なら何か知ってるかもって言ってたから、
特に行先も決まってないならその人を当たってからでもいいかなって」
「なるほど、情報屋ですか。
あまり使ったことはありませんが、情報屋はどうやって情報の売り買いをしているのですか?」
センの言葉に魔王城は暗黒大陸にあると聞いたことは有るんですけど、それがどこかまではよく分からないんですよね。と溜息をついたライムが情報屋のシステムについてセンに訊ねる。
「基本的には欲しい情報を提示して、情報屋がそれに見合うと思う金額を提示して両者が合意したら契約成立って感じかな。
あとは……情報屋が欲しがる情報をこちらが提示できるならその情報と欲しい情報を交換するって事もあるけど、基本的にはお金での取引になるね」
逆に情報屋に情報を売るとお金が貰えることもあるよ、と告げたセンは情報屋を使い慣れているような雰囲気がある。
「なるほど、冒険者組合や宮廷では基本的にクエストに関わる情報と言うのは命に関わる事なので無料公開されていましたから、勉強になります」
「あ、もしかして
ライムはグリモノワール魔法学校の卒業生?」
情報屋について接点がなかったので、と言うライムに宮廷魔導師なのに冒険者組合?と首を傾げたセンがあ、と言う言葉の後にポンっと手を叩いて当たりでは?と言うような表情を浮かべる。
「はい、私はグリモノワール魔法学校の卒業生ですが、よく分かりましたね」
「いや、宮廷魔導師で冒険者組合に出入りしたことがあってある程度年が近いってなったらそうかなって思っただけなんだけどね」
センの言葉に意外そうな顔でぱちくりと瞬きをしたライムが首肯を示せばセンがグリモノワール魔法学校は冒険者銀ランクの取得が卒業資格のひとつなのは有名な話だからね、と笑って見せる。
その言葉にライムは後方で最近発売されたモンスターをテイムして育成するRPGについてキーと盛り上がっているナツを見てなんでこう、同じ貴族なのに、と小さくため息をついた。




