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Gaillardia・Coral   作者: 海花
花の国
105/105

◆薔薇の国、黒薔薇の館、応接室⑤

「うん、僕自身は魔法相性の関係で使えない魔法だけど、理論も機動陣も理解はしてるし……何より長年よく見た魔法だからね」


真顔のライムに褒められるに違いないと言う上機嫌な顔で肯定する漆黒ディービィの言動にライムは今度こそ頭を抱えてソファに座り込む。

その様子をセンとキーは港で自分の所属する船団に置いていかれた船乗りと一緒だ。と密かに考えたが、ナツはライムが振り回されてる……、とびっくりしてライムを凝視する。


「貴女が色んな意味でオカシイ事は分かってたつもりですけど、ここまでとは思いませんでした。

昔はもっと常識的だったと思うんですが……」


深すぎる溜息をついて恨みの籠った声で呻くライムの言葉に予想と違った。と言わんばかりの顔で首を傾げた漆黒ディービィは昔より暇だからね。となんて事ないような声音でライムの常識的だったと言う言葉を否定する。


「戦争の最前線をほぼワンオペで維持して暇とか言ってるの世界で貴方だけですよ……頭おかしいんですか……?」


「だって僕だからね。

何も考えずに向かってくる有象無象を皆殺しにするだけなら全然片手間で事足りるよ」


はっきりと悪態をつくライムに紅金剛級だよ?と肩をすくめる漆黒ディービィにライムはあなたはそういう人でしたね……。と深い溜息を吐く。


「最前線だから魔物素材は困らないし、作った魔道具も魔法も試し打ちし放題!

辺境のクソ田舎に飛ばされた時は皇国の貴族連中を根絶やしにしてやろうかと思ったけど……

今は殺さないであげようって思ってるよ」


そんなライムの様子すら楽しむように笑みを浮かべる漆黒ディービィのセリフに一歩間違えたら勇者たち根絶やしだった……?と気がついたナツの顔が青ざめる。


「さすがに災厄の煉獄姫と名高い漆黒ディービィ殿でも皇国の様な巨大国家の王侯貴族を根絶やしにするのは難しいでしょうからものの例えですよ」


そんなナツの様子に気がついたガリウスがそれくらい怒ってた、って事で実際に殺すつもりは多分ありませんよ。となだめようとしたがそんなガリウスとナツの顔、流れを見守るセンやキー、ゐぬの様子を順番に見た漆黒ディービィがますます笑みを深めて面白がるように目を細めて口を開く。


「できるわよ」


「えぇ、漆黒ディービィなら3日もあれば1国の王侯貴族を暗殺する事くらいわけないでしょうね……。

身分関係なく無差別に皆殺しなら1晩で国を滅ぼせるでしょうね」


漆黒ディービィの言葉を受けてライムも感情の整理をつけたのか、或いは考える事を辞めたのか落ち着いた顔で肯定する。

ぎょっとする部屋のメンバーを見回した漆黒ディービィは満足そうにゆったりとした瞬き満足気に笑う


「それができるのが紅金剛ルビウス・ディアマンテ級よ」


「それができるから、災厄の2つ名を冠しているのですよ」


ライムと漆黒ディービィが同じ意味の言葉を紡いで、ライムは頭が痛い。とばかりに頭を抱え、漆黒ディービィは周囲の反応を愉しむように目を細めて嗤った。

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