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プロローグ
――魔王が復活してはや200年。
人間は魔王の軍勢に騎士団をぶつける事で時に奪われ、奪い返し血で血を洗う争いを続けてきた。
それでも、それが徐々に押され始め目減りしていく戦力にようやく焦りを覚えたというように
聖王都の王と各国の王候貴族達は遅すぎる会議を開き、それまでの史実に基づき勇者に魔王を倒させる事を決定する。
勇者にはかつて国の危機を救った"救国の少女"の曾孫にあたる少女、『ナツ』に白羽の矢が立つ。
流石に戦場を知らない年端も行かない少女を1人で旅出させる訳には行かないと
魔法省署長たっての願いで国立魔術学院を黄金世代と呼ばれる年度に主席で卒業したケルト魔法専攻の白魔術師ライムが供に着くことが決定した。
――これは少女達が魔王を倒し、平和を取り戻すまでの物語。
全ては切実なる叫びのような願いの果て、幸せに至る為に。