勤務延長中に昇格(昇進)できるのか
国家公務員の場合、定年延長は組織に対する制度であって、個人の場合は勤務延長が正しい。勤務延長は定年は迎えたが、退職(退任)を延期している状態を指す。本文では直感的にわかりやすいように、職務延長と表現している。
昇進と昇格は厳密には異なるが、本文では同意に扱っている。
検事長が定年延長で検事総長になるのではないかと、騒いでる連中がいる。しかし、本当にそんなことが可能なのだろうか。
国家公務員法にあるのは定年の延長はなく、職務の延長である。但し書きや事例等もついているが原則、職務延長(勤務延長)中に人事異動などはできないことになっている。異動できるのは組織変更で該当するものが無くなった場合、同等の官職で異動でき、その場合は定年が新職に準じる。
問題は、東京地検の検事長と検事総長が同一職かという点だ。定年も異なるし、扱う事件も異なる。つまり、職務延長の大義名分である職務の継続が、異動によって困難になる。
前任者が指名するという慣例をやめ、検事総長は内閣が指名するという法の記述を押したとしても、定年を迎えてしまった検事長が上級職につくためには組織の改変で現在の職が無くなるか、再雇用(再任用)の道しかない。それともまだ、官邸にはさらなる閣議決定という隠し玉があるのだろうか。
野党も警戒するなら、事前に道を塞ぐぐらいのことはできないものだろうか。常識の通じない相手である。後追いではいくらでも逃げられる。相手がまだぼんやりと寝ぼけているうちに、行く手を塞ぐことが大切である。脱法、脱法と騒いでいるが、刑務所では脱獄されれば監視が不十分ということだ。脱法させないためには、先回りをして常識の網を張り巡らせておくことも必要だろう。