Mother Crasher
これはグレートマザーを殺した狂ったプログラマーの人生。
最近、とみに文字ミスが多い投稿作品が多くなった。
そのわりには似たり寄ったりなつまらないセカイ系ばかり。
もう80年代ジャンプのような熱い作品には出会えないのだろうか、と絶望に陥ってしまう夜がある。
「でも、あたしはあなたを信じているわ。あなたならきっといい話を掘り出してくれると信じてくれるから」
2年前から付き合っている愛人はこういうが、ついにセックスの快楽より徒労感を感じることが多くなった。
いつからこんなしんどい時代になったのだろう。
その頃、家電業界はあるシンギュラリティを迎えていた。
高度に成長した業界には浸透と拡散という終わりのスタイルがある。
鉄道、工業、車…あらゆる工業製品にはそういうデッドエンドな部分がある。
そしてその開発部にいる彼は狂っていた、本当に人を救う気でいた。
何処かの古い謡唄いじゃないが、確かに狂っていたのだった。
時は巻き戻して1960年代。
のちの歴史には「高度成長期」といわれるこの時代、歴史の裏側では若者が共産主義という正義に狂っていた。
熱い、今思えば青春の大いなる勘違いに過ぎないこの思い、しかし、その頭のなかは実際の感情とは乖離した空虚な理論で一杯であったのである。
そして、その勘違いの罠に気づかぬまま、彼ら彼女らは歳を重ね、ついに定年を迎えることになった。
愛人なら誰でも持っているピルを飲むと突然喉の奥が熱くなった、これは毒だ!
「あう、うぐ、ぅ、ぅ、ぐっ…」
泡のようなものに気管支がいっぱいになり、その泡が口の奥から吹き出るような不快感、同時に首を絞められているような嫌な感覚もある。毒というのは昔の時代にはありえない複数の恐怖を兼ね備えているものなのだ。
それを見て彼はびっくりした、本当に薄々自分が望んでいたことが実現したからだ。
これは運命なのか、宿命なのか、それとも神という存在に選ばれたのか、彼の頭は混乱した。
他にも彼女に恨みを持っている男がいるのか、もしかして薬を貰っているブローカーに裏切られたのか、彼女の裏事情を知らない彼にはわからないセカイの侵食。
しかし、彼にすら予想もつかない言葉が出てきた。
彼にとってはよくわからない哲学のような理論の羅列、もしかしてこれが時代の呪いなのか。
彼はふいに直前の打ち合わせを思い出した。
一見普通の打ち合わせに見えるが、打ち合わせ内容を覚えようとすると、頭の後ろから「死ね、死ね、死ね」と甘ったれた気持ち悪い声が湧いてくる、本当に湧いてくるのである。
あまりの気持ち悪さに怒りや憎しみを目の前の営業マンにぶつけたくなるくらいの不快感。
そうか、あの時から彼は狂っていたのである。
過去の亡霊たるグレートマザーなる存在に、多分それは自分の母に似ている。
しかし、まさかそれが愛人であることには時間がかかった。
最初に会ったころの優しくて慎ましい感じのイメージが頭から抜けきれなかったのである。
なかなか死ねないのか、彼女は苦しみと死のボーダーを行き来し、必死に口の中を開けようとする。
なんだか、地獄の入り口でもがいている悪人のようだ。
とりあえず気を失わせるためみぞおちを何度も蹴り倒した。
15発くらいキツく叩くと彼女はぐったりとしてしまい、身動き一つしなくなった。
さらにトドメを刺すために首をキュッと絞めた。かろうじて身体の体裁を保っていた頭がもたりかけて、だらりとして重力にのし掛かった。
すると、幻聴は収まりしんとした空気に包まれた。
さて、この死体どうしようか。
人ひとり死んでも、彼女の世界のなかで彼女の記憶は残り続ける。
いつかは忘れられるかもしれないが、この記憶はなかなか抜けないような気がする。
とりあえず、彼女の手帳やスマホをみて協力者がいないか探す事にした。
こんなけ怨まれている人間だ、誰かは同意してくれるだろう…
私なりに枕営業をテーマにして描いたら、こんなになりました




