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つまり  作者: 石本公也
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つまり、そいつは転校生。8ページ

今更だがこの清涼学園には、学生食堂が存在している。寮に隣接された施設で、自炊が面倒、と言う人、時間に追われてる大学部の人なんかに人気の施設だ。

はっきり言ってしまうと、自炊をする生徒のほうが珍しいので、寮に住んでいる生徒の七割がこの寮を利用している

「食堂全体を見渡すなら、この席が一番良いと思うよ」

その食堂の壁際のテーブルを指差して、燕が言った。俺は早速その席に座り、周囲を見渡す。成る程。座る人にもよるが、確かにここなら、食堂全体を見る事が出来るな。

「食べないと、冷めるよ?」

「ああ、そうだな。いただきます」

周りにも、食堂で夕飯を食べている生徒が何人もいる。でもその中に、伊坂の姿は見えない。

金がかからないと言う理由で頼んだあったかうどんを啜りながら、俺はそう思った。あの軽く引くくらいの美少年なら、どこにいても目立つと思んだがな。

「聞いてはいたけど、食堂って結構メニュー豊富だよね。それに美味しいし。やっぱりこの味は何年も経験だけで料理して来たおばちゃんにしか出せないのかな?」

こちらはこちらでパスタを食べている燕は、フォークを持っていないほうの手を顎に当てて唸っている。

今でも十分、美味い料理が出来てると思うんだけどね。時々やらかしてるけど。

「それは違うんじゃないか?確かに、何年も料理して来た腕ってのはあるだろうけどさ 。

……でもまさか、パフェまで揃えてるとは思わなかったが」

そんな風に考え込んでいる燕の、パスタの皿の隣に置かれているいちごパフェ。そこまでボリュームがある訳では無いが、よく頼んだなと思ってしまう。

「よくそのパフェを頼んだな」

せっかくなので聞いてみた。食堂に伊坂が現れそうも無いので、一気に暇になった気がしたのだ。

「だってせっかく食堂に来たからね。猛も食べる?美味しいよ?」

「いや、まだうどん食べ終わって無いし……」

やや呆れながら燕に向かってそう言うと、燕は「そっか」と呟いてパフェを一口食べた。燕もまだパスタを食べ切っていないのだが、よく食べれるな。

何となく、もう一度周囲を見渡してみる。やっぱり伊坂はいない。

……本当に、俺はなんで伊坂を探しているんだろうな。頭の中で警報が鳴っているからなんだろうけど、少し警戒しすぎな気がする。

それに、警報が鳴っているからって、なんで伊坂を探すのか。警報の原因が伊坂と分かっている訳じゃない。だのに、視線はあちこちに向いてあの軽く引くくらいの美少年を探している。

「ふぅー」

長い溜息を吐いた。目の前のうどんはほとんどなくなり、残ったつゆから湯気が出ている。

……あの人に相談してみようかな。不本意だけど、詳しそうだし、分らなくても、なんか色々と説明してくれそうだし。

「ごちそうさま」と短く呟いて、箸を置く。その時、後ろから声を掛けられた。

「あっ、神鎌君と山瀬さん……だったよね?」

頭の思考が一瞬だけ停止する。俺の後ろには、伊坂が立っていた。

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