つまり、忘れていた事と後付けと 3ページ
「そうだ。学校って事で思い出したんだが……」
飾が、ふと思い出した様に言い出した。
「何だ?また質問系か?」
俺はジュースを飲みながら、ぶっきらぼうに呟いた。
「ああ、お前ら、いや燕は、体育の単位とれているのか?」
「あー、一応ね。先生がソコントコ取り計らってくれてるよ」
「ふーん、成る程」
一旦おさまる会話。暫く、無言の時間が流れる。
「あ、そうそう、俺も今更な事をききたいんだが……」
今度は、優太が挙手をする。
「はい、優太君」
「猛でもかかりでもどっちでもだけど、性転換する時のあの靄って何?」
……質問としては、さっきよりマシである。だが問題は、返す答えが、「俺達も知らん」しかないと言う事だ。そして何より、
「五月に言えよ、その質問」
ほんとうに今更過ぎる。
「でもよ、気になるだろ?あの靄」
「確かに気になる。だけど、医者や先生もお手上げって言ってたからね」
そういいながら俺は、茶をすする。
ふぅー、と一息吐いて、改めて目の前に座っている五人を見てみる。五人共、話題を探している様で、視線があちこちに飛んでいる。
雰囲気としては重たくなったが、これはこれで見ていて楽しい。さて、誰が最初に話題を見つけるのだろうか。無理して探した話題は、基本つまんないぞ。
「ふと、思ったんだけどさ……」
最初に話題を見つけたのは和樹の様だ。俺も思ったんだけど、お前らが話始める時ってだいたい「ふと、思ったんだけど」だよな。
「なんだ?」
続きを促してみる。
「考えたらお前ら、制服代払って無いよな……」
「は?しっかりと払って……」
「女子制服の事。お前ら、受け取ってから払ったか?」
「「……………」」
黙り込む俺達。でも大丈夫だよね。夏服受け取った時、業者の人、「代金は前払いで受け取っております」って爽やかな笑顔で言ってたし!た、多分大丈夫だよ!
慌てて言ってみるが、実際不安だ。卒業間際に、いきなり学校から請求されたりしないかな?……まぁ、年間860万かかるこの清涼学園に子供を通わせる親達なら、制服一式ぐらい簡単に出しそうだが。
「……ねぇ、こんな話するんだったら、明日みんなでどこか行かない?」
ふと、燕が声を上げた。俺達は、一斉に燕を見る。
「あっいや、何と無く言ってみたんだけど……」
一斉に注目された事に驚いたのか、どもる燕。
「そうだな。せっかくの春休みだし、何処かで遊ぶか」
誰かが納得した様に言った。
今回は、春休みの事を少しは書きたいなって思って作ったんです。そしたら段取りも話し運びも決めないでやっちゃって、結果色々と後悔してます。
ただ、これ書いているとき、お気に入りが増えたんです。凄く嬉しくて、「よっしゃ!」ってなってるんですが、どうして今回上がったんだろう?と、首を捻ってます。
さぁ次回は、進級するよ
お楽しみにー