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つまり  作者: 石本公也
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つまり、忘れていた事と後付けと。1ページ

日常的、多分この物語の売りみたいな物なんでしょうが、日常的と言うか超日常ってぐらい事件性が無い。

日記じゃ無いんだからもうちょっとさぁ…

なんて、脳内のキャラにも呆れられてます。

だって、猛達が遠出した回数って、三回ぐらいですよ?

「……っふぁあ~」

春休みのとある一日、俺は心地よい日差しを浴びて、大きく伸びをした。学校が無いってのは、気分的には素晴らしい。

「うーん、起きるか」

布団の中でもう少しまどろんでいたかったが、流石に九時までには起きないと、とその気持ちを抑え、俺は布団から這い出した。

「あー今日は女か」

目に掛かる黒髪を確認して、欠伸をする。着替えるのが面倒なので、灰色のスウェットままリビングへ向かう。と、

「あ、かかり、おはよ」

リビングにいた、やや顔色の悪い燕が俺に話しかけてきた。

「お早う。ちゃんと鉄分摂ってんのか?今にも倒れそうな顔してるぞ」

背中を掻いて、俺は燕の横を通り過ぎる。そして窓辺に向かおうとしたら、燕が後ろから覆いかぶさってきた。

「かかりは生理現象とは無縁だからなーこの苦しみは分からんよ」

「燕、重いぞ、おい!」

「男の時も女の時も……あ、だから胸が小さいのか」

「オイコラ、早く退いて……っがっ」

「ふわっ⁉」

燕の重さに耐えられず、体制を崩した俺はそのままカーペットの上に倒れ込んだ。だが、それでも尚燕は俺に乗っかっている。

「いきなり倒れるだなんて……驚いたよ」

「お前が乗っかって来るのが悪い」

「む、そんな冷たい反応しないでよ。……こうしたくなるから」

「っ!燕!お前どこさわっ……っく!…ハァ…」

「へぇー、生理現象は無くても感度はあるんだ」

「だあああああ!はなれろぉ!」



ピィンポォン ピーんポーン。



リビングで俺達が組み合っていると、玄関の方からインターホンの音が聞こえてきた。

「……誰だと思う?」

「……高確率で和樹達」

燕の問いに、俺は答える。

燕は更に質問してきた。

「……パジャマじゃまずいよね」

「当たり前だ。……でも何も言わずに待たせるのも悪いからな、顔だして来る」

まず燕に退いてもらい、俺は立ち上がった。その後捲れ上がったスウェットを直しながら、玄関へと向かう。

「それじゃじゃ着替えておかないと」

後ろから燕の声が聞こえる。

「和樹?」

玄関に来ると、俺は扉を開けず、扉の向こうに話しかけた。

「おお!よく分かったな。春休みって結構暇でよ。優太とかも居るぞ」

すぐに返事が帰って来る。やっぱり和樹達か。俺は頭をガシガシと掻いた。外の連中は「早く開けろよー」と言って来る。

「五分待て!」

扉の向こうにそう言って、俺は着替えるために自室に向かった。


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