つまり、レク大会だよレク大会。5ページ
「それじゃ、この料理を、あっちのテーブルに、しっかりやれよ」
土曜日。モノクロ調で、フリフリしたものがたくさん着いた服。いわゆるメイド服と言うものを着て、俺等は学校の一教室にいた。
「分かった」
料理を作っている生徒会の人から料理を受け取り、振り返ると見えるのは、席に着いて、ガヤガヤとしている中等部三年。
「『分かった』じゃないよ。『分かりました』ね。テーブル着いたら、『お待たせ致しました、ご主人様』ね。笑顔でヨロシク」
「……かしこマリまシタ…」
「笑顔が引きつってるよー」
そりゃ引きつった笑顔しか出来ないよ…。悪い事した訳じゃないのに、こんな小っ恥ずかしい格好でいなきゃいけないんだからね。
ともかく、俺は料理を持って、指定されたテーブルへと運んでいく。テーブルには、中のよさそうな、人の良さそうな五人組が座っている。
「お待たせ致しました」
そう言いながら料理を置いていく。すべての料理を置いて顔を上げると、まっすぐに、何かを待っている目線を俺に向けてくる中学生。じーっと。
「……そ、それでは、お召し上がり下さい。……ご…主人…様」
あーもーふざけてるよこの学校!恥ずかしくてもう駄目だ。俺はすぐさま反転し、テーブルを離れる。そう言えば、燕はどんな風にしているのだろうか?気になって辺りを見回すと、近くのテーブルで、中学生と話している姿を見つけた。
「燕先輩!このコーヒーに美味しくなる呪文を!」
「良いけど、どうしたらいいのかな?教えてっ」
「こうやって『美味しくなぁれ♡』ってやってください!」
「了解。ちちんぷいぷい美味しくなぁれ」
「どうしてお前はノリノリでやってるんだよ!」
「あ、かかり。どうした?」
明るい顔で振り返る燕。やはり胸があるからなのか、俺よりメイド服が似合っている。
「お前…良く恥じらいも何もなくやれるよね」
「かかり、貴重な体験と思って楽しみなよ。面白いもんだよ。ほら、あの子のオムライスに美味しくなる呪文をかけてあげようよ」
「あの子って?」
燕の指さした方向を向くと、ノリの良さそうな男子が数人座っているテーブルがあった。オムライス乗ってるし、多分あれだろう。
テーブルに座っている一人と目が合うと、目があった中学生は大きく手を上げて、
「かかり先輩!お願いします!」
大声で言って来た。
瞬間、俺に集まる大量の視線。
やるしかないか。はぁーっと深く溜息を吐いて、俺は顔が赤くなっていくのを感じながら、恥ずかしい行動をしにテーブルに向かった。
今回の話は、文章はいつもよりめちゃくちゃでした。読書の皆様には、迷惑をかけてしまいました。すみません。
1ページを書いている時は、かかり達にメイドをやらせる事なんか考えていなかったし、関門すらその場の思いつきです。どうしてこんなになったのか。不思議なもんです。
さて、次回は、
クラスの土下座。
お楽しみに。