つまり、取るに足らない他愛も無い日常 4ページ
寮に帰り、制服から着替えると、俺達はリビングでまったりとしていた。俺は窓に結露した所を拭き取ったりして遊んでいた。
「ところでさ、かかりはチックリしたっけ?」
そんな時、これまた燕が話しかけて来た。
「チックリ?」
俺は振り返って聞き返す。燕はお正月の時に食べ切れなかったお餅を食べながら、ソファに座っている。
「予防接種でさ。チックリしたかって、ほら、子宮頸癌の」
「してないよ……ってか、なんで今そんな話題を?」
「お正月に家帰ったら色々とあってね」
燕はケラケラと笑って最後の一口を喰らう。
「お前、正月凄く忙しがったんだね…」
ふぅ、と息を吐いて、俺は言葉を続ける。
「でもさ、予防接種って、普通子供の時にやっておくんじゃなかった?年齢的に駄目なんじゃ…」
「高校一年生がギリギリだって。…でも後二日チックリしなきゃいけないんだよね」
「三回すんの?……注射……」
「そういえば………注射駄目だったね。…感情的に」
「この寮って、考えたら一つの部屋が大きいな」
先ほどの会話から暫くして、俺は独り言の様に呟いた。早く学校が終わってしまい、とても暇なのだ。
「そう?リビングとお風呂と物置と部屋。………あ、確かに大きいね」
俺と同じ様に横で暇している燕が苦笑する。
「一人一部屋ってしないのが不思議だよね。今更だけど」
「一人一部屋にすると生活がズボラになるからって聞いたけど?」
「あぁなんか分かる気がする。『どうせ自分しか食べないんだから』とか言ってずっとカップラーメン食べたりしそう」
そう言って俺は、この学校に入学して三年。ようやく寮が二人組の理由を理解した。
時計を見て、ふと、俺は立ち上がった。燕はどうしたのかと思っているかの様に俺を見上げる。俺は燕の方を見て、
「さ、部屋少し片付けておくよ」
と言った。
「え?どうして?」
「そろそろ……そろそろ暇するのに飽きた奴らがやって来ると思うから」
俺の説明を聞いて、燕が「あっ」っと短く声を上げたと同時に、玄関の方から音がする。その後、リビングの扉が開き、男子四人が部屋に飛び込んで来た。
「暇だぁ!遊びに来たぞ!」
和樹が声をあげる。
「はいはい」
俺は適当に菓子でも出そうと、キッチンに向かう。後ろからギャーギャーとした音を聞きながら、俺は溜息を吐いた。
だが、なんだろう。この雰囲気は不思議と落ち着く。そう。いつもと変わりない、ただの日常なのにーーーー
おまけ?
「ところで、コップってこれでいい?」
「え?飾、だしてくれんの?そうそう、それでいいよ」
「えーっと、いーちにーのサンマのしいたけゴボウが六本七面鳥、白菜 キュウリ トマトっと」
「あれ?その数え歌って、いーちにーのサンマとしいたけゴボウのロケット七部海、奴らはここの盗賊だ。…じゃなかった?」
「かかり、盗賊は無いと思うぞ」
「あっ、優太」
「でも、いーちにーのサンバのショー見てござるが六人七変化。蜂がくるから遠くに逃げろ。だったような……」
「数え歌って、色々あるんだね」
あけましておめでとうございます。
今年もどうか、彼等を見て楽しんで頂けたら光栄です。