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つまり  作者: 石本公也
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つまり、取るに足らない他愛も無い日常 2ページ

昨日降っていた雪は、一面に積もる程降らなかったらしい。俺と燕は、寮から校舎に伸びる一本道を歩いていた。

やはり外は寒い。幸い今日は風が吹いていないので、凍える事は無いが、それでもやっぱり肌寒い。

「おーお二人さん。今日から三学期ですなぁ」

うしろから、ノリの良い声が聞こえて来た。振り返ると、和樹、飾、修、優太が立っていた。これでいつもの六人集合だ。

「三学期かぁ。楽しみだった様な、来て欲しくなかった様な…」

「俺達高等部には入学も卒業も関係無いからな。面倒ごとが無くて気楽だ」

「そうだな修。卒業式練習とか、新しく入ってくる子達に、とかないから気楽だよ」

修の意見に優太が同意する。

そうこうしているうちに、俺達は校舎にたどり着いた。建物の中に入っても、まだ下駄箱だから寒いもんだ。

「今日体育館だから、上履き要らん気がするな」

下駄箱で靴を履き変えながら飾が言った。

「確かにね、体育館で鬱陶しい話聞くだけなのに、わざわざ教室行くだなんて」

と優太が同意すると、

「提出物とか、色々あるんだろ?仕方ない事だと思うけどな」

と和樹。そこに燕が

「始業式って無駄に視線集まるから、本当に嫌になるよ」

と溜息を吐く様に言った。そして俺は…

「で、かかり、上履きは無事に取れたか?」

「もう……少しっ………よしっ取れた」

下駄箱と格闘していた。






久しぶりー久しぶりと、教室からは色んな声が聞こえた。その中には新年のあいさつも含まれている。

俺、飾、燕は四組の教室へと向かった。

「さすがにこのクラスは慣れてるね」

隣で燕がぼそっと呟いた。まぁ、その意見には同感だが…

「やー姫君達、あけましておめでとう!」

俺たちに気づいた宮田が、なぜか敬礼しながら挨拶してきた。俺達も挨拶を返し、教室の中に入っていく。とその時後ろから

「や、や、皆。時間的にはまだ早いが、席に着け―」

四組の担任。地理の先生、上田先生が入ってきた。

「先生早すぎない?」

「体育館には九時半に行くんだろ?」

「まだ九時になったばっかだぞ…」

あちこちから声が上がるが、皆席についていく。教室が落ち着いてきたところで先生は

「生徒の集まりが予想より早く集まったので、始業式を繰り上げるらしい。じゃ、今から廊下にせいれーつ」

と言った。

どうして生徒の集まりが早い事に気が付いたのだろうか?普通は生徒が何人きたか、とか、分からないと思うんだが…

取り敢えず、皆廊下に背の順で整列し、先生の後ろについて体育館に向かった。

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