表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
つまり  作者: 石本公也
60/126

つまり、里帰り。2ページ

まぁお年玉だから可愛いイラストがはってあるんだけど、

「みんなぁ、ほらお餅焼いたよぉ」

そう思っていると、キッチンから祖母がお餅がたくさん乗ったお皿を持って出て来た。まだ背筋がピンとしてるから、長生きしそうだ。

そう思いながらテーブルに近づき、置かれた餅に手を伸ばす。と、

「やぁ、皆、明けましておめでとう」

玄関から複数の人が入ってくる。その中には

「陽君!」

もいた。陽のおじさんおばさんに挨拶して、お年玉を貰い、翔を見ると、陽に話しかけていた。その様子をしばらく見ていると、翔が陽に耳打ちをした。そして

「え?猛がお姉ちゃんにもなる⁈」

陽が驚いた様子で言った。しかも大声で。

その瞬間、空気が固まった。俺ら家族は翔を凝視していたし、親戚一同聞いてはいけない言葉を聞いてしまったように動かない。そんな中愛香は、

「……えっと…そうゆー趣味?」

と、遠慮がちに聞いてきた。

「早とちりしないでくれ。今説明するから」







「男にも…女にもなるか…成る程ね」

口頭の説明だけで、愛香は納得した。不思議だな。普通納得しないよ。

「いや、でもあり得ないし…」

陽の叔父さんは普通の反応だ。俺は取り敢えず周りから見えていそうな場所に移動して、目を閉じ、大きく息を吸った。息を止め、一瞬身体の感覚がなくなったのを確認し、目を開く。視界に映るのは、驚きで目を見開いている親戚の顔だ。

「………………」

皆口をあんぐりと開けている。うちの両親は笑いをこらえてる。

「さっき翔が言ってたのは、こういう事です」

固まった空気に耐えられなくて、俺は口を開いた。それに反応したのは愛香で、俺の目の前に立つと、色々と質問して来た。

次に動いたのは両親で、おじさんおばさんに早口で何かを言って、リビングの外に出て行った。おばあちゃんは鼻歌交じりに料理を作って居るのがキッチンから聞こえてくる。

で、今リビングに居るのは子供達。四人だけだ。

「えっと…その…猛?」

陽が戸惑いながら言った。なんだろう。今までこんなに普通の反応ってなかった気がする。今までの反応って確か

「タッケ可愛い顔してるね。良いなぁ羨ましいなぁ。あ、ねぇねぇ、せっかくだからオシャレしない?」

こんなだった気がする。

そんな事を考えていると、愛香が正面から俺の服の裾を掴んでいた。

「?どうした?服になんかついてるのか?」

気になって話しかけると、

「取り敢えず、この男物の服は脱いじゃって!」

「ひゃぁ⁈」

「「なっ⁈」」

愛香はガバッとお俺の服を脱がしにかかった。その後ろで陽と翔が突然の事に驚いて居る。

「ちょ…ちょっと後ろ!」

「後ろ?……あんたら、女子高生の着替えを

堂々見る気?」

愛香がそう言って睨むと、二人は慌ててリビングを飛び出した

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ