つまり、俺は女になったのか 5ページ
キャラが何人もいるのに、掛け合いが少ないなとかんじて反省。
この後どうするときかれても、返す言葉にこまるワケで、俺は何かやる事がないか考えて、ある事を思いつき、優太に言う。
「そうだな、一昨日も昨日も病院だったから風呂に入ろうかな」
この言葉を言ったら優太が突然ブっと笑った様な音をだし、顔が赤くなったり慌てたりと、なんとも不思議な行動をしていた。新手の神様への祈り方だろうか。
俺が変な物を見る様な目をしていると、
「お前、結構落ち着いてるんだな」
優太が逆に俺の方を不思議なものを見る目でみていた。
「落ち着いてる?」
「いや、お前女になったのに取り乱したりしてないから……」
「そんな事はない。トイレの仕方、後ろで跳ねる髪、鏡に映る別人。戸惑ってるさ」
「いや、でもそれって『行動の仕方』が変わった事に戸惑ってるんだろ?もっとこう……根本的な事、性別が変わった事自体には、お前戸惑ってねぇじゃねぇか。えっと……あ、かかり」
「……そう……か…」
いきなり、突然女になった事。それは世間の常識ではあり得ない事。なんだよなぁ。
「ま…まぁ、お前が風呂入ってる間に、俺はメシでも作ってるよ…」
優太が何故か頷きながら言う。
「ああ、ゆっくり入って、少し考えてみるよ。明日は多分男なんだろうけど、俺はこの身体になって、何がどう変わったのかを」
「え?あぁ、そうだな……あっじゃあなんかリクエストあるか?」
いつもは言わないような事を言う優太。
こいつは、きをつかっているのか?優太に目を向けてみると、……目が、少しばかりイタズラっ気に光った気がした。そして俺は、豆電球に明かりがついた。
「リクエストは肉じゃがと炒め物。後はきんぴらかなぁ。あ、あと佃煮なんかも欲しい」
「な!お、おい!なんで手間の微妙にかかるもの要求すんだよ」
優太が慌てる。どうしてかって?
「お前、覗こうとかって思ってないか?」
その瞬間、優太が固まった。フフ…どうやら図星の様だな。
「やらしい事は考えないで、美味しい料理を作ってくれ」
俺はそう言って風呂に入った。成る程、性別が変わると、こう言った事も起きるのか。
しばらく固まっていた優太は、フーッと長い息を吐き出し、料理に取りかかった。
冷蔵庫や棚から素材を出し、包丁などの器具を用意して、彼は料理を始めた。
別に適当に作っても良い筈なのだが、リクエストを取ってしまったという理由で、彼は肉じゃがを作るらしい。
彼がジャガイモの皮を剥こうとした時、
「なぁ優太」
風呂に入ってるかかりの声がした。
「なんだ?」
作業を始め様とした手を止めて、彼は聞いた
「女の子って、どうやって髪を洗ってるか分かるか?」
質問の内容は、以外と重要なもので、しかし、男子中学から上がって来ている男子生徒をやや驚かせてしまうものだった。
「わわわわかるわけねぇよ‼」
言葉が震えていた。
「風呂入ったはいいけど、髪の洗い方がわかんねぇや。
それに髪って濡れると張り付くのな。なんか気持ち悪いから身体の前に持ってってみたけど…やっぱ変な感じが「だああぁぁああ‼実況しなくていいから黙ってろ!」
俺が風呂に入ってる間に、食事の準備はできなかったらしい。その後俺もてつだって、本日の夕飯は完成した。夕飯を食べている時、優太の顔が少し赤かったが、どうしたのだろうか?
……………なんか話しづらい。
静かな食事は悪くないが、なんか重たい雰囲気で食べていると、食べ物の味が分からなくなる。だのに、空気が重たい。
こういう時は、時間に任せるのがいいと思ったが、
「ゆ…優太」
あまりの気まずさに、俺は話しかけていた。
「なんだかさっきから[空気が]変な感じなんだが」
「へ?変って?ど…どんな」
「なんか[雰囲気が]重たいし、[安易に]動けなくて…」
「お前大丈夫か?……あっじゃあサッサと寝ろよっ。うんそれがいいそうしよう。」
優太は一気にそう言うと、俺を二段ベットに押しやった。俺はまだ眠いワケじゃないが、 別に何かやる事も無かったので、そのまま寝る事にした。もしかしたら、優太の奴は、まだ気を使っているのか?
そんな事を考えてから、仰向けに寝て目を閉じると、疲れていた訳でもないのに、俺はすぐに寝てしまった。
自分の小説を、読んでくれている人がいると分かって超感動。その夜枕が湿っぽくなりました。
さて次回から、かかりと猛のことに触れてこうと思ってます。
おたのしみにー