つまり、他校交流会? 4ページ
俺らが近づいて行くと、向こうが会釈をしてくる。こちらも会釈を返し、話しかけてみる。と言っても初対面でどんな事を話したら良いのだろう?
「こんにちは」
とりあえず、挨拶。
「こ、こんにちは」
女の子達も返してくれたが、
「…………」
「…………」
会話が続かない。チラッと飾の方を見てみたが、凍ってしまって使えそうにない。ってか、お前が話したがったんだろう。
「あ、あの…秋永栞です」
何を話そうか迷っていると、ボブカットの女の子ーーーー秋永さんが口を開いた。正直、凄いホッとした。
「神鎌 猛。えっと…よろしく」
自己紹介と微妙なものだが、話題がないので仕方がない。自分のことを伝えて、握手。
「門松飾です。」
解凍された飾が俺の横から手を差し伸べた。秋永さんがそれに応える。
「駒野絢香。こちらこそよろしく」
秋永さんのよこにいた人が言った。
自己紹介が終わると、話題がなくなってしまうので、俺は急いで話題を探した。ふと、自分達以外の生徒が、このパーティーで交流できていない事に気が付いた。さっきからチラチラ見てくる。
「その制服って、どうしてそんなデザインなのかって、分かる?」
声がしたので振り返る。見ると、飾が秋永さんと話している。
「いえ、考えた事も無いですけど、そう言われれば珍しいですね」
秋永さんだけでなく、駒野さんも制服を見ている。確かに制服っぽくないな。
「清涼学園の制服は、ブレザーでシンプルなんだね」
駒野さんが言った。
「ん?あぁそうだな。なんでかこういう所には金かけないからな」
意外にも、飾見つけてくれた話しで会話が弾んでいた。その後も色々話していると、会場の管理人さんが、再びマイクを持って会場の中央に来た。
「本日は時間ですので、ここらでお開きになります。明日、明後日もありますので、皆様、楽しんで下さい」
「あっ、じゃあ、また明日会いましょう」
秋永さんが言った。俺はもうお開きかと思って時計を見て驚いた。あくまで学校の交流会なんだし、すぐに終わると思っていたが、時計は七時をとっくに過ぎていたのだ。
「神鎌ァ。おいて行くぞ」
俺は、先生に呼ばれるまで固まってしまっていたらしい。お陰で恥をかいた。