つまり、他校交流会? 3ページ
バスから降りた俺達は、目の前にある大きな建物を見上げた。白い壁には汚れが見えず、城の様な門を構え、庭はとてつもなく広い。
「……なんっつー所だよ……」
もう感嘆の声しか出てこない。同じ私立でも、ここまで差があるのか。温華女学院。
俺達は、そのまま会場の中に入って行った。
会場内は外見に劣らない程豪華で、眩しいくらいに輝いている。壁に一列に並ぶウェイトレス。そして、俺達が入って来た入り口の向かい側に、このイベントの相手、温華女学院の生徒達が、ずらりと佇んでいたのだ。
瞬間、固まる清涼学園の生徒達。なんかピシッって音が聞こえて来そうだ。そんな中、両校の先生が、中央で互いに挨拶をしている。その中にいた会場の管理人だろうか?が、マイクを持って喋りだした。
「えー、温華女学院の生徒の皆さん。清涼学園の生徒の皆さん。本日のパーティーを楽しんでいって下さい」
管理人の挨拶が終わると、会場内に音楽が流れ出る。音楽が流れるだけで、雰囲気がちがうな。
俺は固まっている男子達を放っておいて、近くのテーブルに行った。すると温華の生徒も動きだした。
段々騒がしくなっていくパーティー会場。気が付くと、男子達もテーブルに食べ物を取りに来ていた。
「なあ、あの女の子可愛くないか?」
俺がテーブルから美味そうな肉料理を取り寄せていると、飾が話しかけて来た。飾が指差した方向を見ると、遠くの方に、ボブカットが似合う女の子がいた。その子は友達と話している様で、時々見せる笑顔が可愛らしい。
「気になるなら話かければ良いじゃんか。交流会なんだし、変に思われないだろ」
「そうは言ってもよ~」
飾はおどおどしている。ヘタレめ。
俺はもう一度その女の子の方を見た。温華の長いワンピースの様な制服が似合っている訳ではないが、それは明るい色をした髪のせいだろう。
食べ物を口に運びながらその子を見ていると、その子の周りにいた子達がこちらに気付いた。変な空気になりそうな気がして、とりあえず手を振る。すると向こうも手を振りかえして来た。俺はポテトを取ろうとしていた左手を止め、飾の襟を掴んで女の子達の所へと歩いて行った。
この物語を書いて一ヶ月。
作中では七ヶ月。
とんでもないスピードだ…
次回は、話してみましょう。
おったのしみに