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つまり  作者: 石本公也
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つまり、他校交流会? 1ページ

十月はごくごく普通に過ぎ去って行った。テストに追われ、衣替えをして、ハロウィンをする事無く、十月は平凡に普通に何事も無く平和だった。だが周りの男子達のテンションは日に日に高くなっていった。制服をオシャレに着こなそうとしていたり、普段何もしていないのにワックスで頭を固めたり、ソワソワしっ放しだ。まぁこれも、仕方の無い事なのだろう。何故なら、この後にあるのは二学期最大の重要イベント。温華女学院(おんかじょがくいん)との、交流会があるのだから。








「俺はこの時をずっと待っていた」

真面目な顔をして和樹が言った。因みにこの交流会は高校からなので、中等部(ちゅうとうぶ)を男子のみで過ごして来た連中が思い上がらない訳がない。

「待っていたってなあ。俺は知らない人と話せる位にしか思わないな」

俺は椅子にもたれ掛かりながら言った。

「ハン!お前はそんな心意気で女学院のお嬢様方を落とせると思っているのか?しっかり狙いを定めてだなぁ」

「そんな心意気で行ったら引かれそうだな」

熱弁(ねつべん)する和樹にそう言って、俺はクラスを見渡した。もう十一月なのに、なんか暑い。

「皆楽しそうだね」

燕が笑いながら言った。

「お前は楽しみじゃないのか?」

優太が疑問に思ったのか、燕にきいていた。

「あぁ。先生に止められて、なんでも男子校なのに女子がいると問題になるとか…」

その答えをきいて俺達は納得(なっとく)した。燕は元が男子だから清涼学園にいるが、この事を知らない第三者(だいさんしゃ)には、おかしく見えるのだろう。半年でセミロングからロングになった燕の髪を見ながら思った。

「そりゃ残念だな。お前の分も楽しんでやるよ」

伸びたと言えば修もそうだ。身長が確か174cmから177cmまで伸びている。俺は変わっていないと言うのに……ノヤロウ。

「女学院のお嬢様かぁ。どんな人達なんだろう」

飾が頭の中で何かを広げているようだ。そっとしておこう。

「今こそ!俺等のなかに眠ったモテる才能を解き放つ時だ!高校生だというのに、女子と触れ合えないのは拷問だ!この一年に一度しかないこのイベントで、死んでも彼女ゲットするぞー‼」

「おおー‼」

教室の中央で雄叫(おたけ)びを上げる男子達。俺は彼等を横目で見ていた。

交流会でどんな人達に会えるのだろうか、学校で会える同年代の人を、俺は頭の中で思い浮かべていた。

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