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つまり  作者: 石本公也
36/126

つまりは文化祭! 6ページ

ーーーーーさて、

この後も長々と練習風景を描いたってつまらないだろう。実際ただの日常風景を描いていくのとおんなじだ。登場人物がおかしい性格の人たちならそれでも楽しいのだろうが、ここにはそんな人はいない。従って、夏休みを全て素っ飛ばすことにする!





てなわけで、二学期の頭。

教室はもうすぐそこまで迫った水連祭に向けて熱気が溢れている。燃えているのは学園全体なんだが。なんせ中等部から大学部まであるもんだから当然一日で回れる訳がない。従って、水連祭は保護者観覧が二日、生徒のみの日が一日、計三日行う。

「もう文化祭はすぐそこだ!緊張で今まで練習して来た事をわすれるなよ!」

加藤の声も力が入っている。おおっ!と盛り上がるクラス。

「今日は放課後。みんな倉庫のところに行く事!」

加藤がそう言った瞬間、教室中にあった熱気が一気に冷めた。みんなが考えている事が手に取る様に分かる。なんで倉庫のところに行かなくちゃいけないんだと。

そう思いつつも、始業の鐘が鳴ったので、俺らは授業の準備に移った。





放課後。

言われた通り倉庫の前に来た俺たちに、加藤は笑顔で待っていて、それを見た俺たちは、全員回れ右をして今来た道を引き返した。

「ちょ、ちょっと待った!この倉庫の中にあるのは劇で使う衣装だ!」

その言葉で、引き返す足は全員止まる。そして倉庫へと突進して行った。

「どれどれー!」

「うわっ!この騎士の服かっけえ!」

「この男の格好も良いな」

「おい!女の子の衣装だ!」

「なにぃ?早く燕かかかりに着せるんだ!」

最後の言葉は何と言った⁈

このたった一瞬の現実逃避をしていたせいで、俺は気が付くとクラスの連中に囲まれていた。不敵な笑みを浮かべながら近づいて来る連中。と、ドンと何かが背中に当たった。振り返ると燕がいる。顔が青くなっていたが、落ち着け、これは衣装合わせだ。その時俺はある事を思いつき、顔を上げて前を向いた。

そして、少し腰を落とし、両手を口元に持って行き、大きく息を吸ってーーーーー




ーーキャァァァァアア!!ーー




できる限りの悲鳴を上げた。

すぐに後ろからドタバタと音がして、他クラスの連中がやって来た。

「なんだ今の悲鳴は!」

「お前ら学園の花になんて事を!」

「お、俺らは衣装合わせを…」

目の前で始まる乱闘。普通に受け取れば良かったのだが、

まぁいいや、し~らねっ!

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