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つまり  作者: 石本公也
30/126

つまり、………………夏か 6ページ

「「「「……………」」」」

「なんだよ、ボケーっとしちゃって」

祭りの日、飾達の所に遅れた俺と燕は、息を整えながら聞いた。

一同、固まって動かない。ポカンと口を開けている。人形か。

「まさかここまでとはな」

和樹がしみじみ言う。おっさんか。

「でもスゲーカワイイよ。似合ってる似合ってる」

飾が調子良く言う。チャラ男か。

「いや、やっぱこんな美少女と回れるって俺らついてるな」

「ついてるなって、友達だろうに」

優太が呆れた声を出す。まったくだ。

「とにかく祭りに行こう。今年は花火もやるみたいだし」

俺がそう言ったので、俺達は会場である時計広場に向かう。

「やっぱり歩きずらいな」

歩きながら、俺はぼやいた。すると横にいた修が

「しょうがないだろ?浴衣なんだし。それにその方が綺麗だからな」

と言って来た。カッコカッコとぽっくりの音をたてながら歩く俺。

「小股になるのも歩きづらい理由の一つだけど、何より下着を着ないってのが落ち着かない」

俺は髪を弄りながら言った。そうかと短く答えが返ってくる。修を見ると、普通の顔だ。

全く、からかいがいがない奴だ。

そうしているうちに時計塔広場に付いた。

「やっぱりスゲーよな。これは」

優太が感心している。でもこの祭りは確かに学校で行うレベルじゃないしな。俺も頷いた。

祭り会場は賑やかで、夜店が立ち並ぶ。中等部や大学部の生徒もいるので、かなり混んでいた。俺達は祭りを楽しもうと、夜店を見ている。

「くじ引きやってるぞ」

飾が屋台を指差して言った。目を向けると、中等部の子達がくじを引いている。ゲーム機を狙っている様だ。

俺はハズレ商品を眺めて言った。

「やめよう。ハズレた時に嬉しくない」

「もうちょっと良いトコあると思うぜ」

和樹も言った。二人に否定されて黙り込む飾。

「ねぇ、ヨーヨーすくいしよう」

ふいに燕が言って来た。俺は燕に向かって

「すくった後ヨーヨーって邪魔じゃない?」

と言って流そうとした。しかし

「夏らしいからいいじゃん。ほらいくぞ」

と言って俺の腕を引っ張る燕。お前、今までもの買う時、役立つかどうかとか考えてから買ってたじゃんか。夏らしいからって…どうした燕?

「おっちゃん。二回分」

そう言って小銭を渡す燕。まあいいか。俺もおっちゃんから道具を貰った。










「やっぱ暑いなぁ」

せっかくの祭りにこの言葉は興醒めだ。俺は綿菓子を食らいながら思った。

横にいる燕は、飴細工で作られた蝶を食べている。和樹は焼きそばパックを大量に買い込んでいるし、修は射的で取ったトランプとゲーム機を持ちながらポップコーンを持っていて、飾はチョコバナナとかお好み焼きとか、食べ物類を買っていた。優太の手には焼き鳥だ。

「見事に食べ物ばっかりだなぁ」

綿菓子をつまみながら俺は言った。と、飾が、

「この後花火だろ?少し離れて見るから買っといたんだよ」

と言った。しかしこの量は多過ぎるだろ……

ふと見ると、手元の綿菓子が無くなっていた。

「なぁ、花火が始まるのって、何時だ?」

花火が始まる前に、もう一本、綿菓子を買っておこう。


すみません!

昨日同じ話を二回投稿していました。

三十話はこちらでした。

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