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つまり  作者: 石本公也
29/126

つまり、……………夏か 5ページ

「……………」

俺が固まっていると、燕は恥ずかしそうに俯いて

「変じゃないか?」

と言ってきた。

「いや、…驚く程似合ってる」

燕が着ている浴衣は、深い黒の色の生地に、赤いラインが走っている。それでいて振袖のトコに白も入ってるから、まんま燕だ。

「これどこにあったんだよ?」

俺が聞くと、高梨先生が答えた。

「それね、なんでかこの学校にあったやつなの。さぁ、貴女のもあるから着てみましょう。ちょっと待ってね」

そう言って奥の部屋に消える高梨先生。なんでかこの学校にあったやつって、不気味じゃね?そう思っていると、燕が耳打ちして来た。

「高梨先生少し怖くなった」

どーでもいい報告だ。

そうしてると高梨先生が布を持って帰ってきた。

「さぁ、試着するから、着てる物全部脱ぎなさい!」

……………は?

俺は固まった。

「え?先生なんて?」

「着てる物全部脱いでって言ったの。浴衣は素肌の上に着るものだから。さぁ、自分で脱げないなら……身ぐるみ剥ぐ事になるわよ」

そう言うやいなや、先生は俺の制服(念の為に言うが、今は女だ)に手をかけた。

「あの…先生?何を…」

「せいっ!」

「⁈」

「測定の時も思ったけど、やっぱりね」

「服!服を!」

「あ、ごめん。っと」

「?、え?え?」

「やっぱり可愛いわぁ」

本の数秒で、俺は浴衣に着替えていた。高梨先生の変な特技を知ったな。確かに怖いや…。

俺が着ている浴衣は、よくある紺の生地に綺麗な花が描かれている物だ。

「……燕、どう?」

高梨先生の後ろに薔薇が見えた気がしたので、俺は燕に聞いた。

「うん。凄い似合ってる」

燕は笑顔で言った。……なんか恥ずかしいな。

「…………照れてる?」

「なっ!」

「照れてるのか、可愛いよ~似合ってるよ~」

「やめい!恥ずかしい」

「顔赤らめちゃってまあ」

俺達が妙にきゃぴってると、高梨先生が俺達に向かって言った。

「二人ともお祭りに出るんでしょう?その浴衣あげるわ」

「「え⁈」」

俺達は固まった。この浴衣、学校の物じゃなかったか?

「貰っても大丈夫なんですか?」

燕が言ったが、今の言葉は貰いに行ってる気がした。

「大丈夫よ。倉庫から出て来た物だし、ここは男子校だから、着る人いないもの。遠慮なく貰って頂戴」

そう言って微笑む高梨先生に向かって

「「ありがとうございます!」」

俺達は頭を下げた。高梨先生はまだやる事があるでしょうと言った。俺達が首を傾げると、先生は笑って言った。

「じゃあ、着付けを覚えてね」


三十話めです!

思えば投稿し始めてもうそろそろ一ヶ月。

なんか嬉しいです!

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