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つまり  作者: 石本公也
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つまり、……………夏か 2ページ

電車の中から見る景色は、町の中で、大きなショッピングモールがあったり、散歩しているひとがいたり、中々に面白い。ガタンゴトンと揺れるリズムが、座っていると心地よい。車内に人は結構いるが、今が休みだからだろう。エアコンのおかげで暑くないので、とてもいい気分だ。

「おっ!おいほらお前ら!見えたぞ。海だ!」

優太が外を指差す、建物の奥の方に、海が見えて来た。

「おおっ!」

思わず声が漏れた。

海に太陽の光が反射して、眩しい。俺達は、窓に近いて、海を見ていた。


駅について、ホテルに行って、色々と用事を済ませた俺達の目の前に、綺麗な海がある。

「なぁ」

そんな時でも、こいつらの思考はいつもと同じだ。

「なんでお前、男なんだよ?」

こんな風にな。

「前夜祭とか言って徹夜したからだろ?明日には変われる様になるけど、今日は諦めろ」

俺は笑顔でそう言った。がっくり肩を落とす和樹。俺は言葉を続けた。

「それに、62って言われた俺なんかより、78のあいつの方が目に良いだろ?なっそこのカ~ノジョ」

そう言って俺は少し離れたところにいる燕を見た。パラソルの下で日焼け止めを塗っている燕は、少し恥ずかしそうにこちらを睨んでいる。

「どこのチャラ男だよ」

修が(うし)ろで呟いた。

「お前らいつまで浜辺にいるつもりだ?さっさと泳ぎに行くぞ」

声のした方を見ると、優太が立っていた。と思ったら、優太ががっしりと俺の腕を掴む。そしてーーーー。

「ヨーイ、どんっ!」

「わっ!」

海に向かって駆け出した。太陽の光で熱くなった砂の上を、猛スピードで駆けていく。

ふと、前を見れば数人の男女のグループが見えた。優太はそのグループに向かって、速度を落とさず突進していく。

「ちょ、優太!ぶつかるぶつかるぶつかるぶつかるーっ!」





夏休みに入ったばかりとは言え、海はだいぶ混んでいた。特に夏休みが始まって浮かれたチビッコが多く、砂浜を元気に走り回っている。親の姿が見当たらないが、地元の子だろうか?

「おい猛!あの岩場まで泳がないか?」

まだ足が付くところで、ふと、髪を濡らした燕が提案して来た。ついさっきまで水着が恥ずかしいとかで俯いていたのに、水に入ったら途端に元気を出しやがって。

「いいぞ。あの岩場だな?」

俺は燕に、ゴールである岩場を確認する。ふむ、目測で三百メートルぐらいか…………ながっ!

「よし!俺も参加しよう」

俺の後ろから飾が言った。その言葉を聞くと、燕はニィと笑って、

「じゃあいくよ?ヨーイどんっ!」

スタートを切った。

「あっズルいぞ燕!」

俺も慌てて後を追いかける。









気がついたら、夕方になっていた。

俺達はホテルに戻り、落ち着いている。

部屋は二つ取っているが、俺達は今一つの部屋に集まっている。

流石は私立に四年も通っている家柄だよな。ホテルで割り勘とは言え部屋を二つ取るのだから。

「海、明日も泳がないと」

そんな事を燕が呟いた。

「せっかく海に来たのに泳がないとか、そんなもったいない事はしたくないな」

俺も賛同した。今日泳いでいるが、それが明日泳がない理由にならない。

「じゃあ明日は岩場の方に行こうぜ」

飾が言った。視線は手に持ってるものに集中していて、なにか考えている。

「そういや洞窟みたいに穴空いてたな、あそこの岩場。っとウノだ」

「はいドロー2」

「大丈夫、俺は持ってたからな」

「ドロー2」

「続くね、ドロー2」

「よかった持ってたよ。ドロー2」

「……………」

固まる優太。

「どした?早く十枚引けよ」

ウノを宣言した直後に、誰よりもカード数が多くなって、ダメージを受けた様だ。少し放心状態になってる。

その後、カードを順調に減らして、俺は三位とまた微妙な順位で終わった。

因みにビリは修で、本人は納得いかずに再戦を希望した。

「続きは風呂の後な」

そうして俺達は、高らかに笑いながら部屋を出た。

夜はこうして更けて行く。





第一回レクリエーションはっとか言って起きながらポンポン飛ばすから人気落ちたのかな

…………反省。

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