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つまり  作者: 石本公也
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つまり、落ち着きました。 4ページ

朝のホームルームも始まっていないのに、疲れた体を休める事なく、俺は叩き起こされた。

眠い目をこすり、周りを見ると、俺が起こされた原因であろう人物が目に付いた。

原因と思った理由は、中の上に入るであろうその顔が、見ているだけで腹が立つ笑顔をこちらに向けていたからである。

俺は立ち上がるとそいつの前に立って----

「君かい?このクラスでおぶぅっ!」

鉄拳を顔に叩きいれた。殴られた男は、そのまま仰向けに吹っ飛ぶ。

「おいかか・・・猛!いきなり殴るなよ」

飾が言った。倒された男は、周りに起こしてもらっている。

「なんかつい・・・」

俺は頭をかいた

「とりあえず、起きたんなら女になっとけ。変だから」

飾るに言われて俺ははっとした。それはやばいな。

「えぇっと、大丈夫ですか?」

燕が俺が殴った男に聞いた。男は相変わらず腹が立つ笑顔だ。

「大丈夫だよ。それより二人に、お願いがあるんだけど・・・」

男が笑顔のまま言った。こいつが最初に言った”このクラスに女子がいる”って言葉から、俺と燕に用があるようだ。

「お願い?」

「そうだ。君たち、美術部まで来てくれるかい?」

「嫌だ」

男が顔をあげたまま言ったのが気に食わなかったので、俺は即答で答えた。すると燕が

「お前顔殴っちゃったんだから、拒否するな」

なんて言ってきた。お前いつか後悔すんぞ。

ただ、殴ってしまったことは事実で、殴った理由も起こされたからでは、明らかにこちらが悪い。

少し考えて、俺は言った。

「どうして美術部に行くんだ?教えてくれ」

お願いを一瞬で拒否された事にダメージがあったのか、男はしばらくボーっとしていたが、何回か声をかけると元気を取り戻して

「それは君たちにえのモデルになってもらいたいからさ!」

拳をグッと握って言った。

「えっ?モデル?」

燕が驚いている。俺はさらに質問した。

「そのモデルってのは、なんの絵のモデルだ?」

「申し遅れた。僕は佐久間さくま修一しゅういちだ」

俺の質問を無視し、この男、佐久間が言った。

「僕が君たちにお願いしたのは、今日の朝にビビーっときたからさ。雨がしんしんと降る中で、君たちを見つけた。僕は驚いたよ。傘を持って雨の中を歩いているだけなのに、心に来るものがあったんだから!でも何か足りない。僕はそう思った。そしてきずいたのさ!あれでさらに手前にアジサイがあったなら、素晴らしいものになると!だがこの学校にはアジサイがない。けれど大丈夫!僕が所属している美術部の部員たちなら、君たちをモデルに最高の絵を描いてくれるから!」

非常にながったるしい文章を語ってくれた佐久間少年は、そう言って俺らの腕を掴んで歩きだした。

「「ふわっ!」」

俺と燕は、突然引っ張られてよろけるが、佐久間少年はお構いなしだ。

まぁ、あの話では、変なこともないだろうが。

どうでもいいが、俺と燕の腕をつかみ、強引に連れ歩いているこの佐久間少年に、鉄拳を与えてもいいのだろうか?

実はゴールデンウィークと今回の話は、当初物語にありませんでした。

でも最初の形で進めると四月の後、七月に…


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