つまり、落ち着きました 1ページ
「はい、ではこれでよろしいですね?」
昨日まで降っていた雨も上がり、まだ所々に水たまりがあるが、それでも久し振りに良い天気だ。すっかり緑になった桜も、太陽の光を浴びて生き生きしてる様に見える。
「はい、ありがとうございます。」
気温が高くなって来たが、まだまだ暑くは無い。それよりは、湿気が気になって来る。
「おーい、燕~届いたよ~」
俺は今受け取った荷物をリビングに運んで、燕を呼んだ。すると風呂の方から燕が濡れ髪を拭きながら出てきた。
「届いたって、何が?」
燕が髪を拭きながら聞く。俺は届いた荷物を解いて、燕に見せるように蓋を開けた。
「夏服。」
今は、六月だ。
「へえ夏服かぁ。もう届くんだね。ところで、箱が三つあるのは?」
燕が箱わ覗き込みながら言った。リビングにおいてある箱は、燕の言うとうり三つある。
「俺のと私のとお前のだと思うよ」
ゴールデンウィークから現在までの約一ヶ月。普通に日常は進んでいた。そりゃ、学校の方で色々あったりしたが、大したじゃない。
大した事と言えば…
「じゃあさ、取り敢えず着てみよう。サイズ合わせてあるかどうか確かめるよ」
「その前にお前変わっておいた方が良い」
この身体、実は自分の意思で男でいるか女でいるかが決められた。ただ徹夜した時は相変わらず変わる事が出来なかった。では徹夜しなければほとんど男ですごせるかというとそうではなくて、どうやら男で過ごした時間と女で過ごした時間のバランスらしいのだが、
詳しくは分からないでいる。
取り敢えず俺は女の体だ。
シャツも半袖になると雰囲気違うなぁと思っていた時だった。
「おーいお前ら元気してるぅー?」
和樹がドアを開けて飛び込んできた。
俺らは夏服に着替えてる最中で、その格好はーーー
「やあああぁぁぁああ‼」
俺の横で悲鳴が上がり、俺は部屋にやって来た男子に向かって拳を勢いよくぶつけた。
「なにもここまで…」
普段着に着替えた俺らの横で、和樹が倒れている。修は、和樹のほうをチラッと見ながら言った。
「しょうがないだろ?着替えの最中にいきなり入ってこられたら、元男子でも動揺するよ」
燕は下を見ながら言った。
俺は考えたら手を出す理由が思いつかなかった。反射的に不届者を殴っていた。
だがこの不届者も悪いワケで、気にしないでおこう。
「でももう夏かぁ~まだ四月に感じるな」
修が麦茶を眺めて言う。氷の入って無いコップの中で、麦茶は残り半分くらいだろう。その残りを一気に飲み干して、
「そういやお前らテストどうだった?」
ぶらっきぼうに嫌~なことを言った。
「お前、なんで今そんなことを……」
修を見ると、悪気がなさそうな顔をしている。そう、なさそうな顔だ。
実際あの状況でテストの結果が良いやつはいない。突然自分が女になって、そしたら今度は友人を女にして、家族に説明しに行ったら女物の服を買い、一段落と思ったら本当は自分の意思で身体を変えられますってなって、テストで良い成績なんか無理と言うものだ。
俺が愚痴っていると、燕が
「何言ってんの、お前結果貼り出された時ちゃんと名前書かれてたじゃん」
睨んで来た。
「でも二十点落としてんだよな」
「普通あり得ない事が起こったのにちゃっかり勉強して、二十点しか落とさないやつはいないとおもう」
睨み続ける燕を無視して、俺は夕飯の準備に取り掛かる。
不思議と落ち着く、ただの日常だ。
段々文章力がなくなっている気がします。
何とか立て直したいです。