表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
つまり  作者: 石本公也
16/126

つまり、ごーるでんうぃーく‼ 2ページ

小説執筆場所は主に布団の上です。ふっかふかでないのが残念です

目が覚めた。

俺は思いっきり伸びをし、手櫛で髪を撫でる。それから俺は階段を降りた。そして、

「うわっ!」

驚いた。なんてったって家族揃ってソファーに座り、皆一様にこちらを見ていたからである。

「何してんの?」

たまらず俺は聞いた。だって不思議なんだもん。

「ふむ、これが女の子になった猛か」

父さんが顎に手を当てて言う。しかしその姿は、全く渋く無く、ただの太り気味のおっさんだ。

「これが兄ちゃん?すっごく可愛い顔してるよ」

おい翔、俺は性格もいいだろうが。

「本当に……本当なのね」

母さんだけがまともなのか、未だに信じられないのだろう。

ところがすぐに、

「でも、なんで服は変わらないの?やっぱり戦隊物とかの変身とは違うのかしら」

目で見た物は全て信じ、ヒーロー物のドラマを見ている母親に戻った。ホント色々変わらないな。

「猛。もしかしてあんた、学校でも男物着てるんじゃないでしょうね」

そんな質問朝からするのか。

「まあ、制服以外はそうだな」

俺がそう答えた瞬間、うちの母親は顔を輝かし、ソファーに座っている面子(めんつ)に命令する。

「お父さん車だして、こうゆーのはさっさとやった方がいいわ、猛はさっさと朝ご飯食べて、久しぶりの家だからって、昼まで寝てないで頂戴。翔。ついでにあんたの服も見に行きましょ、みんな早く準備して!………さてと、ポイントカードどこやったかしら」

ともまあ、急に慌ただしく家族が動いた。

「ところで、母さん。車を出すって何処(どこ)に行くんだ?」

父さんが聞くと、

「この娘の服を見に行くの!」

母さんは俺を指差して言った。






やや大きめのショッピングモールで、神鎌家の母親はウキウキしながら服を選んでいる。

今まで家に女の子がいなかったから嬉しいのだろうが、歳考えろ四十後半。

「今日お母ちゃんどうしたの?」

翔が聞いて来る。俺は

暴走(ぼーそー)してんだよ。」

と言っておいた。すると母さんがこっちに手を振っている。俺を呼んでるらしい。

俺が近づくと

「とりあえず、これとコレと此れとこれとコレを試着室(そこ)で着て」

と、かなりの量の服を渡されて試着室に押し込まれた。普段ならあり得ない早業に、俺は呆気に取られた。

「ほら、早くして」

急かすのが早い!

じゃなくて、この服はどうやって着るんだ⁈俺は色々迷った末、なる様になれと適当に着た。その後母さんに怒られて、服を変える度に注意され、着方を直し、また新しい服を渡されてと言う行動が、ずっと続いた。




「はぁ……」

ベンチに座り、俺は溜息をついた。

足下には、色んな服が入ってる紙袋がある。

女になるのは一日起きなので、そんな量はいらないと思ったので、服を色々削ったが、

紙袋はとても重たい。

母さんは、いま翔の服を見ている。翔はまた服が小さくなったらしい。俺はここ数年、服がきつくなったと感じただろうか?

「猛、お前やっぱり、明日学校に戻るのか?」

不意に父さんが聞いて来た。

俺はあぁ、と答えた。

ほんの少し、父子で話した。懐かしい話だ。

「後、時間的に門限間に合いそうにないんだよね」

柱時計を見ながら俺はつぶやいた。母さんはまだ翔の服を見てる、

「母さんには、俺から後で言っておくよ。まだ間に合うんだろ?」

父さんが言った。

俺は立ち上がって

「正月…最低でも正月には、帰れるから」

そう言って、紙袋を持って学校に帰った。

ショッピングモールで、しかも父さんにしかきちんと別れを言えなかったが、また集まれるから、気にしなかった。


二度寝の心地良さはやっぱり半端無いですね

さて、次回は、たしなみでしょうが

お楽しみ、に。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ