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つまり  作者: 石本公也
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まず、始まりがの事があって

アニメや漫画などの、「その日は朝から変だった」とか言う感覚があるのなら、俺はあってほしいと思う。

何かが起こると言うのなら、少なくとも心の準備ができるだろうし、いつもと違う事をして、その「何か」を防ごうとしたりできる。


しかし、俺にはそんな事起こらなかった。

変な感覚も無く、急に。

今ーーここで。




「っはぁ~、まったく、今日もだるいなぁ~」

学校の下駄箱からそんなのんきな声がする。

「そんな事言って、今日の授業は終わったぞ、修

(おさむ)」

俺はのんきな声の主に向かって、軽く一言。

「まぁな(たける)。確かにもうだるい授業は去った!今日はもう自由なんだ! うん。なんか気分が軽くなって来たわ」

「んだよそれ。じゃあだるい気分じゃねぇだろ」

全く、この後ゲーセンかカラオケに誘ったら普通にノッて来そうだ。こんなハイテンションで、何がだるいんだか。

そんな事を思いながら、俺は自分の下駄箱に上履きを入れようと背伸びする。

「……しかしなぁ、猛」

膝を折りつつ下駄箱の靴を取り出しながら、修はニヤリと笑みを浮かべ、さらに軽く小馬鹿にした感じで、

「いくらなんでも背伸びして下駄箱を出し入れするってのは、どうかと思うぜぇ?」

なんていいやがった。

「うるさいわっ‼俺の場所が上の方にあるってだけだろ‼」

少し苛立ったので、俺は反論。

俺の下駄箱は一番上なので、普通に取ろうとすると、少し……少し届かないのである。

「だがお前しか背伸びして取るやつはいないぞ?身長158cm」

「うるさいわっ‼人の気にしてるところをっ!」

ウザいとは昔から思っていたが、人の気にしてる事まで言うのならと、俺は修のスネに向かって蹴りを入れーーー

「っだぁ!」

俺の脚は、修に届く前に、俺らに近づいて来た人に当たってしまった。

「あぁっ!スミマセ……あぁ、なんだ(つばめ)か……」

蹴られた足を抱えてうずくまっているやつに向けて俺は謝罪でなく、呆れた声を出す。

「酷くね⁈俺お前に蹴られたんだが!」

燕と呼ばれた男子は抗議声をあげつつ顔をあげるが、

「よお燕、お前も帰りなら一緒に行こうぜ」

「そうだそうだ。今日は折角の午前授業だったんだからよ、どっか行こうぜ」

「……てめぇら、いつか覚えてろよ……」

修も燕の足を気にしない事にすると分かり、立ち上がった。

その時である。

「…………………?」

俺の視界がぐらついた。

それと同時に襲ってくる、抗う事の出来ない眠気。

「? おい、猛どうした?」

「……眠い……」

これから、これから放課後が始まる時。なんの変哲も無い新学期の始まり。そして、ようやく始まった高校生としての日々。

そんな時期の学校で、ここは下駄箱だと言うのに、俺は意識を失った。




これが、高校に入ってすぐ起きた、

災難の始まりだ。


初めての執筆です。

よろしくお願いします

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