出会い
朝起きたら、喉が痛かった。
頭もなんだか重い。
「あが・・・あー・・・」
手元の腕時計を見ると、10時をまわっていた。
喉が痛いのは、ゆうべカラオケで歌いすぎたせいか。
頭が重いのは、昨夜飲みすぎたせいか。
それとも二つとも、一晩中つけっぱなしだったクーラーのせいか。
「・・・・・。」
横には諸悪の根源が、すやすやと気持ちよさそうに眠っている。
あたしはちょっとムカついて、布団をはがすと、その諸悪の根源を蹴っ飛ばした。
「ええいっ、起きろっ!!ってい!!」
「・・・・んんー・・・。」
起きる気配が無いっ。図々しい奴だっ。
「起きろーっ。起きろっ。もう朝だいっ。」
「・・・痛いー・・・。」
しぶしぶ起き上がってきたのは、髪の長い、元、美少女。すっぴんだからね。
あたし達は昨夜、一つの布団で寝た。別にそんな趣味は、ない。
ベットが一つしかないからだ。
「ベッドが一つしかなーい!!」
昨夜3時過ぎに部屋に来た奈緒が、ドアを開けるなり言った。
「当り前でしょっ。一人しか泊る予定が無かったんだからっ。」
「あー、でもベッドがセミダブルだー。なんでー?さては吉川君とー・・・」
「ち・が・うって、何度言ったら分かるのよっ。シングルはセミダブルのベッドしかなかったのっ。
あとはツインになっちゃうのっ。」
「ふーん・・・・?」
酔って若干目の座った彼女があたしをじろっと上目遣いで見ると、そのままスタスタと部屋に入った。
そして当り前のようにベッドにドスンと腰かけた。
「なーんかあやしーけど、まーいっかー。さー、ねよっかー。」
「え・・・何?一緒に寝るの・・・?」
「当り前でしょー。だって、一つしかないじゃーん。あ、それとも綾香、床に寝るの?」
「なんでそうなる??何故、あたし?」
「だってあたしはお客だもーん。ねー、綾香の部屋着貸してー。着替えたーい。」
・・・・・ダメだ、諦めよう。相手は酔っ払い。
あたしが投げてよこしたTシャツとスウェットに奈緒はサッサと着替えると、当り前のように布団にもぐりこみ、
「おおーい、早くおいでよー、綾香。うわー、あたし、吉川氏になった気分だわ。」
「・・・あんた、ほんとに、帰れば??」
「やだよー。綾香が殺人者になるのを止めるんだもーん。彼が来ないように見張るんだもーん。」
「だから、来ないって!!!」
「あ、二人一緒の布団なんて暑いから、クーラーは消さないで。」
と言って、寝てしまった。
・・・・いいかげんに、しなさいよ?
しょうがないから私はクーラーをつけたまま(本当はクーラーで寝るのって大っ嫌い。)彼女の隣にもぐりこみ、
明け方に何回か、寝返りを打った彼女に殴られ、落とされ、
・・・・今に、至る。
「・・・おはよー。今何時ー?」
「・・・10時。」
「あ、ほんと?よく寝た。」
彼女はケロッと起き上がると、スタスタと洗面所の方に歩いて行った。
「朝ご飯、どうするー?」
顔を洗う音がする。
あたしは着替えながら、声を張り上げた。
「一泊の恩を返して。奈緒がコンビニで何か買ってきてよ。」
「はあ?私はパシリかい?」
「あたし、シャワー浴びたいもん。宿代、ちょーだい。」
「へい、へーい。」
スッキリさっぱり、すっぴんのたまご肌で奈緒が来た。
「あたし、おにぎりね。シャケ。お茶と、あとなんかヨーグルト。」
「はいはい、お嬢様。」
あたしの化粧水を勝手にパシャっと付けると、乳液をポンポンっと付けて、彼女は立ちあがった。
「じゃ、行ってきます。」
「え?その格好でいくの?」
「ああ、ブラつけんの忘れてた。」
「顔は?すっぴん?」
「地元で気張って化粧してどうする?朝ごはんのコンビニの為に?」
そう言うと、奈緒はブラだけ付けて、あたしの部屋着(Tシャツにスウェット)で、行ってしまった。
ま、いいんならいいんだけどね。
さて、シャワーでも浴びるか、と私が立ちあがったら、さっき閉まったばっかりのドアが、ガタガタ揺れた。
誰かがドアを開けようとしている。
誰だろう、と思って覗いてみると、奈緒だった。
「・・・どうしたの?財布もってるでしょ?」
「王子!!王子!!!」
彼女はすっかり興奮して、部屋に戻ってきた。
「・・・・八王子?」
「バカっ!ボケるなっ。王子がいたのよっ。廊下にっ。部屋に入ってった!!」
「・・・王子って、誰??」
「昨日の!!ほら!!道を聞いてきた、白馬のアイドル!!!」
ああ!!思い出した!!あの正統派アイドルの彼、ね。
「すっごい偶然!超、ラッキー。朝からかっこよかったよー。爽やかだわー。」
「へー、彼がいるんだあ、このウィークリーに。一人で?」
「知らないよ、そこまで。でも一人で入ってったよ。」
「ふーん、長期滞在するんだねえ。一人で、この田舎に。・・・何者だろうね?」
「・・・人の事、言えないでしょ、あんた。」
ああ、そう言えば、そうね。
「で、おにぎりは?」
「えー、スッピンで王子に会ったら、困るぅ。」
奈緒がわざとらしく、ぶりっ子をして見せた。
ちなみに彼女の性格は、ぶりっ子とは真逆。正反対。
「・・・何それ。気味悪いから。奈緒はメイクしてなくても充分可愛いじゃん。お肌もつるつるだし。」
すると奈緒はうーん、と考え込んだ。
「・・・確かに、追っかけにメイクは不要よね?」
「そう言う問題なんだ?」
「機動力が一番。よし、行ってくる。」
追っかけに?
彼を追っかけることなく無事に(?)帰ってきた奈緒は、朝ご飯のサンドイッチを食べた後、メイクをしながらあたしに言った。
「507号室だから。覚えといて。」
「え?507?何が?」
「だーかーらー。王子よ。507号室。ウィークリーに泊ってるなら、向こうもしばらくいるんでしょ?
お近づきになりなさいよ。」
「えー、なんでよ??」
「何言っているの。心機一転するんでしょっ。思い出ばっかに浸って枯れているヒマがあるんだったら、
前を向けっ。チャンスを掴み取れっ。」
な、思い出に浸ってばっかりなんて、失礼なっ。まだそれほど浸ってないわよっ。
自分を見つめなおす為に必要な儀式よっ。
「そんなに興味があるなら、奈緒が行けばいいじゃん。」
あたしが少し膨れて言うと、彼女は当り前のように言った。
「あたしは今の追っかけ仕事だけで忙しいし、いい男は観賞用だし。一緒にいたら疲れるだろうし。」
・・・なんだか、ねえ・・・・。
「綾香、チャンスの女神は前髪しかないって言うんだよ?せっかくの偶然、モノにしなくちゃー。」
「・・・はあ・・・?」
「パンクした自転車は乗り捨てて、走り出すのよ!」
「・・・なんの例え?」
「青春っぽいでしょ?」
美少女完成。鏡の前の小悪魔日本人形が、にこっと(ニヤッと?)こちらを振り返る。
その時、あたしは、ある事を思い出した。
「あ、思いだした。あの人。」
「何?」
「昨日、一次会のレストランで見かけた男の人。ほら、一人でランチ食べてた。」
「ああ、あのホストっぽい秘書ね。吉川君がやたらと引っかかってた?」
「うん?(そうだっけ?)あの人、昔に会った事があるのよ。」
あたしはその時の光景を思い出した。
「あたしが、小学校5,6年生ぐらいだった時・・・多分、6年生かな?助けてくれたんだー。」
「え?助けて?どういう事?」
「あのね、自転車に乗って、随分遠くの市民プールに行ったの。夏休みに。で、あたしだけ塾か何かに行かなくちゃならなくて、
一足先に帰っていたの。そうしたら、タイヤがパンクしちゃって。」
「ふーん。それで?」
「それで、バイクに乗ったお兄さんが通りがかって。どうしようもないからって、自転車屋さん呼んでくれて、
家にも電話入れてくれて、タクシーで送ってくれて、あとから自転車屋さんが自転車を届けてくれた。」
「・・・すっご。何それ。メチャクチャいい人じゃん。」
奈緒が感心したように言った。
「でしょう?それが、あの人だと思う。あんな感じの顔をしていた。そう言えば、名前も藤田さんだった気がするし。」
「ちゃんと覚えておきなよー。そういう、人から受けた恩は。」
奈緒が、至極まともな事を言う。
あたしはちょっと恥ずかしくなった。
「だって、十年も前の事だもん。子供だったし。親に聞けば、名前くらいは分かると思うなあ。」
「ふーん・・・。カッコいい上に、いい人で、バイクかあ・・・。
10年前からバイクに乗ってるんなら、今はもう結構いい年してるよね?いくつなんだろうね?」
「さあ・・・?でも、10年前は、学校の制服着ていたよ?白いシャツに、黒いパンツの、
いかにも学校の夏服ってカンジ。」
あたし達は頭の中で計算をした。スクーターでなかったので、18で免許を取れるバイクと仮定して・・・
「10年後だから、今28か。6つ年上ね。いいね、中々。」
何がいいんだか。奈緒は顔が良ければ何歳でも、いいんでしょ?
あたしは苦笑した。
親が心配しているだろうから一回実家に顔を出して、それからまた遊ぼう、と奈緒と約束して二人で部屋を出た時、
同じく廊下の向こうの方で、ガチャ、とドアを開ける音がした。
「あ・・・。」
と奈緒が小さく呟き、クスッと(ニヤッと?)笑う。
どうやら、それは507号室ならしい。
出てきた男性は、あたし達に気付くと軽く会釈をしてきた。
こっちも少し会釈を返すと、彼はニコッと笑って言った。
「あれ?ひょっとして、昨日、僕が道を聞いたコ達・・・かな?」
この、完璧な、爽やかで甘い笑顔は何だろう?(少しタレ目だけど。)
これって、この人の商業用スマイルかしら?
すごく、背が高い人だ。180センチ近くあるのかも知れない。
完璧な、モデル体型だ。黒いタンクトップの上からカーキ色のシャツをひっかけ、
下も同系色のパンツ、首からシルバーのシンプルなペンダントをかけている。
シンプルスタイルが、かえって彼のかっこよさを際立たせていた。
あたしが思わず彼を観察していると、返事をしろ、とばかりに、奈緒が後ろからあたしをつつく。
あたしは後ろを少し睨んだ後、言った。
「あ、はい、そうです。・・・『前浜東中』を捜されていた方、ですよね?あの後、行かれたんですか?」
「ううん、まだ。これから行こうと思って。」
「あ、そうですか。」
にっこり。
・・・会話が終わってしまった。じゃあ、出発しますか。
もっと話せ、とばかりに奈緒がさらに突っつく。痛いなあ、もう。
「あ、えっと・・・(何を話せばいいの?)・・・私達の顔、覚えていたんですか?」
「うん?だって、昨日会ったばかりじゃん。」
「あ、でも、・・・大勢いたし・・・。」
「・・・ああ。別に大した事じゃないよ。俺、会社で営業やってるから、人の顔を覚えるのが得意なんだ。」
ポケットに手を突っ込み、彼はニコッと笑った。笑顔がかわいい。
「君達は、地元の子達でしょ?昨日は同窓会かなんか?」
「あ、はい、そうです。高校の同窓会でした。」
「いいねー、同窓会。楽しいよね。俺も昔、少しだけだけど、ここに住んでいた事があるんだ。」
長めの前髪の下で、彼は綺麗なその瞳を少し細めた。
「・・・じゃあ、前浜東は、母校で・・・?」
あたしの後ろから、奈緒が聞いてきた。すると彼はクスッと笑い、
「まっさかあ。自分の母校を迷ったりしないよ。母校なら、地図に載って無くっても行けるって。」
と、言った。
前浜東中は、10年くらい前に廃校になった後、一部は老人ケアセンター、一部は公園になった。
あたしは、そこに行った事は、ない。
随分昔に、足を踏み入れたっきり。
「確か、綾香の実家があった所の近くじゃなかった?」
奈緒があたしに言った。
あたしはなんとなく、返事を渋らせてしまった。
「うん。・・・まあ・・・・。」
あんまり、いい感じがしない。
「え?そうなんだ?君、あの辺りに住んでいたんだ?」
彼が少し驚いたように言った。
「あ、はい・・・・。」
「僕も、ちょっとはずれのほうなんだけど、同じ学区内に住んでいたよ。・・・そっか。
僕が引っ越さなければ、同じ学校出身だったかもしれないね。」
人懐っこそうにニッコリと笑う。
爽やかだなあ。カッコいいなあ。
これで、拓也とおんなじ女ったらしなのかなあ。そうなんだろうなあ。これだけかっこよければなあ。
あれ?あたし、なんかムカついてる?
「ねえ、こんな事聞くのは図々しいとは思うんだけどさ、君達、これから何をするの?」
彼は言葉とは裏腹にちっとも恥じらいもなく、申し訳なさそうでも無く、
明るい笑顔を向けてきた。
「僕、これからその中学校とかに行きたいんだけど、随分小さい頃に越したから、この土地に不慣れなんだ。
地元に明るい人が途中まででも案内してくれると、すごく助かるなあ、と今、思ってしまって。
2、3時間しか、手間はかけないから。どう、ですか?・・・・って、これ、完全にナンパだな。」
少し困ったように、クスッと笑う彼。甘い、それでいてキラキラした雰囲気。
・・・この人、完璧、これで人生乗り切ってきたはず。断られた事はないはず。
ああ・・・なんか、容姿は全く違うのに、自分がモテる事を自覚している男の雰囲気、拓也を彷彿とさせて
なんか、・・・・ムカつく・・・・・。
今更あいつには未練がないけど、同じ手合いの男を見ると、成敗したくなってしまう・・・・っ。
あたしは彼に、右手の手のひらをバッ差し出した。
「・・・・?」
彼と、そして多分、あたしの後ろにいる奈緒の目が点、となる。
「・・・えっと・・・・・?」
困ったようにビックリする彼に、あたしは毅然と言った。
「名刺!名刺下さい!!人を誘うんだったら、その前に名前を名乗ったり、自分の身分を明かすのは礼儀でしょう!?
普通の会社員なら、名刺下さい!」
女が皆、あなたのその甘いルックスにやられてホイホイついて来ると思うなよ?
凍りついた空気が、何よ!
名刺貰って、じっくり眺めて、溜息ついて、断ってやるっ!!!
どうだ、思い知れっ!!!
なんだか関係の無い、相手にしてみればとばっちりの様な復讐心(いや、だから拓也に未練はないんだけど)にあたしは燃え、彼をギッと睨んだ。
後ろでは奈緒が、口をポカン・・・と開けているだろう。
彼は一瞬呆気に取られ、あたしの勢いに押されていたけど、ああ、と気を取り直したように言った。
「そっか、そうだよね。失礼しました。えーと、ちょっと待ってね。名刺・・・・っと、あった。
はい。塚本と申します。先程は失礼致しました。申し訳ございません。」
少し大袈裟にお辞儀をして彼が渡してくれた名刺には、
豊崎物産 エネルギー開発部 塚本碧
と書いてあった。
あたしと奈緒は、その名刺をマジマジと見てしまった。
豊崎物産、と言えばトップ商社。うわ、エリートサラリーマンだ。
顔がいい上に、エリートサラリーマンだ。
女の子を食ってる事、間違いなしだ。決定だわ。
頭の中で赤信号。チッカチッカ。
彼は右手の握りこぶしを軽く口元に当て、笑いを少し堪えている風に言った。
「すごいね。君ってしっかり者だね。そうだよ、言うとおりだよ。ごめんね、軽く誘っちゃって。」
「・・・。」
褒められているハズなのに、からかわれている気分がするのは、何故だろう?
ムッとして、自分の顔が赤くなるのが分かって、さらにムッとしてしまう。
・・・名刺を出せ、なんて、電車で痴漢にあった女子高生みたいだったかしら・・・・?
あたしは、反撃をしたくなってきた。
「・・・なんか、弱冠バカにされている気が・・・。」
「わー、綾香!!ちょっと!!」
奈緒があたしを見て、ギョッとしたような声を出した。
止めないでよっ。あんたは面食いだから顔がいいってだけで大抵の事は許せるんでしょうけど、あたしは・・。
「あんた、ちょっと、鼻!!鼻!!」
「・・・・はな?」
あたしが答えるのと、それが垂れるのはほぼ同時。
なんと、あたしは久しぶりに鼻血を出してしまった!!!
ギャー!!垂れる垂れる!!あたしのお気に入りのTシャツに垂れる!!
若い男性の前で!!
「・・・興奮してんの?」
彼がポカン・・・と聞いてきた。
「っちが・・・・!!!」
「『血が』?」
「違いますっ!!」
上を向いたまま鞄からアタフタとハンカチを出すあたしたち。
やっと一枚取りだして拭いてはみたものの、止まる気配がない。
と思ったら、ぐいっと鼻を掴まれた。
みると彼が、その長身を利用して、あたしの鼻を上に高くつまんでいる。手には男物のハンカチ。
「鼻血って、こうやって強く摘んで、ジッとしているしかないんだって。知ってた?」
「・・・・・じっでばす(知ってます)。」
ああ、情けない。初対面のハンサムの目の前で、鼻血を出して、その鼻をつままれる女。
穴があったら、更に3メートルくらい掘り下げてから、入りたい。鼻血が止まった後で。
あたしの目の前の彼のハンカチが、血で汚れている。
奈緒が、さも困ったように言った。
「この子、昔っから鼻血体質なんですよ。興奮すると、すぐ・・・。」
「ぢがう!!あんだがぐーらーづげででだがら(あんたがクーラーつけて寝たから)・・・!」
「ほら、興奮しない。」
鼻をつまんだ彼が、あたしの鼻を更に持ち上げながらあたしをなだめる。もう、いやっ。
彼はすごく楽しそうにニコニコ笑いながら、いえ、ニヤニヤ笑いながらあたし達に言った。
「で、案内してもらえるのかな?ちょっと調べたい事があってここに来たんだけど、地元のコの話も聞けると
余計にありがたいから。」
「・・・・。」
よもやここで断れないよね?って雰囲気。
彼はなんの疑いも抱かずに、ニコニコニコ。
・・・あーあ、ハンカチも汚しちゃったし。
「話って・・・・?」
奈緒が聞くと、彼は一瞬戸惑いを見せてから、少し言いづらそうに答えた。
「・・・15年前の、殺人の件・・・。」
それを聞いて、あたしと奈緒は言葉を失った。
「・・・・でも、その前に鼻血止めようか?」
彼に持ちあげられた鼻。シリアスなシーンに、鼻血女は似合わない。